国内

《国会へ初登院》森下千里議員は報道陣の前を一瞬で通過、食糧自給率を知らなかっただけで”議員失格”と烙印を押していいのか

八幡愛議員は国会正門前に集まった支援者にあいさつしながら交流を深めた(写真撮影:小川裕夫)

八幡愛議員は国会正門前に集まった支援者にあいさつしながら交流を深めた(写真撮影:小川裕夫)

 芸能やスポーツで広く知られた人が、第二の活躍の場として「政治」を選ぶのは珍しいことではない。一方で、そのセカンドキャリアの選び方は、知名度だけでどうにかなるものではないと批判されがちだ。長年、選挙と政治の取材を続けてきたライターの小川裕夫氏が、第50回衆議院議員総選挙で初当選した八幡愛議員と森下千里議員、二人のタレント議員の対照的な初登院日と、国会議員としての資質についてレポートする。

 * * *
 2024年10月27日に投開票された衆議院議員選挙は、自民党の石破茂総裁が事前に勝敗ラインと宣言していた自民党・公明党の両党で過半数を大幅に下回る惨敗を喫した。自公が過半数割れしたことは大きな政治トピックスになったが、その一方で今回の衆院選では多くのベテラン議員が落選して新人候補が誕生するという世代交代も進んだ。

 国会議員に限らず、政治家の仕事は目に見える成果がすぐに出ない。10年20年という歳月を必要とすることもある。任期を終えた後に審判が下されることは珍しくない。短期的な仕事の成果で有権者に名前を覚えてもらい、知名度を高めるのは難しい職といえるだろう。新人議員のうちは、仕事を選ばずにがむしゃらに仕事をする事で政治家として成長し、少しずつ顔と名前を売るしかない。

 そんな成果が出にくく名前を覚えてもらいにくい国会議員だが、その一方で”タレント議員”は新人でも世間に顔と名前を覚えてもらえる有利な立場にある。タレント議員の定義は明確ではないが、一般的に芸能・スポーツ・文化などの世界で活躍してから政界に転身した議員を指す。

 タレント議員は、それまでの経歴から華やかなイメージで見られることが多く、逆に政治の勉強をしていないと批判されることも珍しくない。筆者はこれまでに何人ものタレント議員を取材してきた。また、長年にわたって初登院日の国会正門で新人議員を撮り続けてきた。初登院日の国会正門前は、多くの支援者が集まることが恒例になっている。今回も朝8時から国会正門前で初登院する新人議員を待ち続けた。

正門前で30分かけた初登院

 通常、新人議員は初登院日にいち早く来る。なぜなら、初登院日は普段ならベテラン議員に向けられがちな取材陣のカメラが新人議員に向けられる数少ない機会だからだ。早く国会正門前に来れば、それだけテレビに露出するチャンスは増える。もともと知名度のアドバンテージがあるタレント議員であっても、ここで少しでも注目を集めるよう振る舞うことが多い。

関連キーワード

関連記事

トピックス

衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国民に愛された『TOKIO』解散》現場騒然の「山口達也ブチギレ事件」、長瀬智也「ヤラセだらけの世界」意味深投稿が示唆する“メンバーの本当の関係”
NEWSポストセブン
漫画家の小林よしのり氏
小林よしのり氏、皇位継承問題に提言「皇室存続のためにはただちに皇室典範を改正し、愛子皇太子殿下の誕生を実現しなければならない」
週刊ポスト
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン