国内

中国で大流行のウイルス「hMPV」、春節での中国人大移動によって日本各地で大流行する可能性 山形、宮城など東北地方を訪れる中国人が増加する見込み

中国で大流行のウイルスが日本各地で大流行する可能性がある(写真/共同通信社・Getty Images)

中国で大流行のウイルスが日本各地で大流行する可能性がある(写真/共同通信社・Getty Images)

 新型コロナウイルスの発生から約5年、やっと取り戻した日常が再び奪われるかもしれない。新たなパンデミックの引き金となる可能性が囁かれている「ヒトメタニューモウイルス(hMPV)」が、「春節」のお祭り気分とともにやってくる──。

 厚生労働省は1月9日、2024年12月23~29日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が、統計を取り始めた1999年以降で最多を記録したと発表した。

 北海道札幌市では1月中にインフルエンザ疑いの救急要請が重なり、すべての救急車が出動して「30人待ち」になった日や、搬送先が見つかるまで4時間以上かかるケースがあった。沢井製薬(大阪市)はインフルエンザ治療薬「タミフル」のジェネリック医薬品の生産が追いつかないとし、供給を一時的に停止した。

 インフルエンザが猛威を振るい、昨年の夏から続くマイコプラズマ肺炎の終息も見えない。そのなかで、新型コロナウイルス流行の前兆も再び見え始めた。

 切迫した日本列島に、追い打ちをかけるかのごとく“新たなウイルス”が迫っている。中国で大流行中の、「ヒトメタニューモウイルス(hMPV)」だ。

「感染者が急増し、中国国内の病院では夜になっても多くの患者が押し寄せ、行列になっている。警備員が拡声器を使って誘導していて、処置室に入りきれない患者が待合室で点滴を受ける状況が続いています。新型コロナウイルスが世界にまん延する直前の状況に似ている」(中国在住のジャーナリスト)

 昨年12月上旬から中国で感染者が増え始めたhMPVは、瞬く間にインドやアメリカ、イギリスなどに拡大。バングラデシュでは、国内初の死亡例も報告された。

 この聞きなれないウイルスについて、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が解説する。

「hMPVは2001年にオランダで発見されたウイルスで、咳や発熱、鼻づまりなど風邪に似た症状が見られます。実は日本でも毎年感染者が確認されています。乳幼児や高齢者が感染すると気管支炎や肺炎につながる可能性があり、過去には死に至った事例もある。感染力が非常に強いのも、特徴のひとつです」

 2016年には日本の高齢者施設で集団感染が疑われる事例が発生。入所者28人が咳や発熱、喘鳴などの症状を訴え、その後、3人が死亡した。

 日本と中国の感染状況から、上氏は「嫌なタイミング」と警戒する。その要因は、中国で1月28日から始まる大型連休「春節(旧正月)」だ。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン