国内

【八潮・道路陥没事故】74才トラック運転手の素顔は“孫家族と暮らす寡黙な仕事人”「2人のひ孫の手を引いてしょっちゅう散歩していました」幸せな大家族の無念

事故発生から1週間が経過した現在も救出活動が続いている(写真/共同通信社)

事故発生から1週間が経過した現在も救出活動が続いている(写真/共同通信社)

「ただただショックで……一体、何が起こったのか。現場にも行けていないので、心配しています」。埼玉県八潮市の県道が陥没してトラックが転落した事故は、発生から1週間が経過した2月4日現在も救出活動が続いている。74才の運転手・Bさんの孫の男性は、困惑気味に心境を明かした。

 頑丈なはずのコンクリートの地面に大穴があく──予想だにしない事故が起きたのは、1月28日の午前9時40分頃だった。

「交差点の一部分が突然陥没し、走行中だったトラックがブレーキを踏む間もなく、正面から突っ込むような形でほぼ垂直に転落しました。地中約15mを走る下水道管の、腐食による破損が原因とみられています」(消防関係者)

 事故発生後に駆け付けた救急隊員が穴の中に入り、Bさんが運転席に閉じ込められていることを確認。隊員とBさんは言葉を交わし、すぐに救助活動が開始されたが、作業は難航した。

「運転席の大部分が土砂に埋まり、ドアを開けることができない状態でした。後ろの窓からの救出を試みましたが、その作業中に穴の内部で崩落が発生。隊員が負傷し、2次被害の危険性が高いとして救助活動を中断せざるを得ませんでした。その後の内部崩落で運転席部分が完全に土砂に埋まり、事故発生から3時間後のやりとりを最後にBさんとの会話が途絶えました」(前出・消防関係者)

 悲痛さを隠せないのは、冒頭の孫やBさんの知人だ。事故現場から車で1時間ほどの場所にある住宅街。Bさんが暮らす白を基調とした一戸建てには、いつも賑やかな笑い声が響いていたという。知人が明かす。

「ここに引っ越してきたのは10年以上前かしら。娘さんと、もう大きいお孫さん2人と一緒でした。しばらくするとお孫さんの1人が結婚したんですが、結婚後もここで同居を続け、“三世帯生活”が始まったんです」

 その「結婚した孫」が、冒頭で心境を明かした男性だ。知人が続ける。

「そのお孫さんに2人の子供が生まれて、Bさんは“ひいおじいちゃん”になったんです。もともとお孫さん思いのかただったので、ひ孫となれば一層かわいかったんじゃないかな。両手で2人のひ孫の手を引いて、近所をしょっちゅう散歩していました。誰が見ても、幸せな大家族でしたよ」

 30年以上の経験を持つベテラン運転手だったBさんは、深夜3時前後に仕事に向かい、昼過ぎに帰宅する生活を送っていたという。

「ただ最近は忙しくしていたようで、夜まで帰ってこない日も増えていました。もともと寡黙な仕事人でしたが、ますます仕事一筋という感じだった。あの年で運転手を続けられるだけでもすごいのに、もしかしたら仕事量を増やしていたのかもしれません。ひ孫たちとも、まだまだ一緒に遊ぶつもりでいるんじゃないかな。一日でも早く、家族のもとに帰してあげてほしい」(別の知人)

 交差点を通過するタイミングが数秒でもずれていれば……無念の思いが募る。

女性セブン202522027日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン