国内

【岸・安倍家・3世代にわたる“税回避”のカラクリ】安倍晋三元首相の遺した政治資金3700万円を甥・岸信千世議員が実質的な“無税相続” 選挙資金の原資にあてた疑惑を質した

伯父の安倍晋三氏から約3700万円もの政治資金を受け取っていた岸信千世氏(写真/AFLO)

伯父の安倍晋三氏から約3700万円もの政治資金を受け取っていた岸信千世氏(写真/AFLO)

 多くの国民が増税に苦しむ一方で、政治家には“特権の抜け道”が用意されていた──。3人の総理を生んだ岸・安倍一族の4世議員、岸信千世氏(33)が、伯父の安倍晋三氏から約3700万円もの政治資金を受け取っていたことが、本誌・週刊ポストの調査で判明した。

 資金の流れはこうだ。安倍氏の政治資金約4億円は6つの政治団体に遺された。その多くが元夫人の安倍昭恵氏が代表を継いだ「晋和会」に集められ、引き継がれた。信千世氏に渡ったのはこのうち「東京政経研究会」の資金の一部。政治資金収支報告書によると、同研究会には安倍氏が亡くなった時点で約1億8700万円の資金が遺されていたが、昭恵氏の「晋和会」に1億円、安倍氏の後継者として旧山口4区の補選に出馬した吉田真次・代議士の資金管理団体に5000万円がそれぞれ寄附された。残った資金は信千世氏が補選に当選した直後の2023年5月にまず2000万円が信千世氏の資金管理団体「誠信会」に寄附され、東京政経研究会が翌2024年4月に解散する際、残余金の約1714万円が全額、信千世氏の「誠信会」に寄附された。

 晋三氏から信千代氏に渡った合計約3700万円は、実質的な相続であるにもかかわらず、相続税はかかっていない。普通の国民ではありえない、このような金の動きの裏側には、どんなカラクリがあるのだろうか。【前後編の後編。前編から読む】

原資は祖父・安倍晋太郎氏の「個人資産」

 東京政経研究会の2億円近い資金はどのように集められたのか。その点を追っていくと、一般国民とは全く違う岸・安倍家の“特権”であることがより鮮明になる。

 本誌が官報で同研究会の政治資金収支報告書の記載をさかのぼって調査したところ、20年以上前からまとまった収入がなく、1997年の報告書の時点で約4億3400万円もある巨額の繰越金が、少しずつ取り崩されていったことがわかった。

 4億円超あった原資は、そもそも何のカネか。さらに取材を進めると、安倍家に詳しい関係者の証言に突き当たった。

「東京政経研究会は、以前は緑晋会という名前で、晋三さんの父・安倍晋太郎さんの政治団体だった。晋太郎さんの死後、1997年に晋三さんが資金ごと継ぎ、『東京政経研究会』に名称変更したんです」

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン