最近はスマートフォンでもプロ仕様の高画質撮影ができるため、無断で商用撮影をしているか見た目だけでは判断がつけにくい(イメージ)
「相手は暴力団やギャング。名前は絶対に出せませんよ」
筆者の電話取材に応じた都内のフィットネスジム経営者は、開口一番こう告げた。男性が経営するジムのインストラクターが制服としているユニフォームを着用した女性が、アダルトビデオに出演していたという情報を得ての取材で飛び出てきた言葉は、怒りと恐れが混じったものだった。経営者が何よりも恐れているのは「報復」だという。
「お客さんから教えてもらって、私どものユニフォームを着た女性が出演している映像を見ました。もちろん、すぐに社内調査して、女性がスタッフや社員でない無関係の女性であること、撮影場所が当社のジムでないことは確認し”なりすまし”であると確認しました。しかし、映像はネットでしか販売しておらず、窓口もネットしかない。さらに調査したところ、映像の制作や販売に海外のギャングや日本の暴力団が関与している可能性も判明しました。会社としても、そうした人々に対応はしないと決めました。脅されているわけでもないですし、もちろん悔しい気持ちはありますが」(ジム経営者の男性)
今回、無関係の企業の制服を着用させた女性を出演させたり、特定の大学に在籍していることを匂わせる女性が出演していた映像を制作、配信していると思われる海外企業と日本国内の関連会社にコンタクトを試みた。ほぼ「無視」ではあったもののいくつか返答があった。だが、そこには「パロディ」「あれを信じている人はいない」という、作成側の身勝手な意見ばかりが羅列されているだけで、そもそもの違法性を突いても「逮捕上等なんですよ」とうそぶく文面を送りつけてきた運営関係者もいた。
長年かけて築き上げた信用や信頼が毀損されたり、それに携わってきた人々の大切にしたいという思いには、一切関心がないというような態度に筆者も怒りを覚える。しかし、現状は泣き寝入りするしかない。せめて、犯罪収益を得られないような仕組みはつくれないものか。
