富山県アパートで「メンズエステ」と称し、客に性的なサービスを提供したとして、富山大学の准教授の男ら3人が起訴された(HPより)
5月30日、富山県富山市内のアパートで「メンズエステ」と称した店で、男性客に対し性的サービスを行ったとして、富山大准教授の男ら3人が起訴された。罪名は、「風営法違反(禁止区域営業)」だ。メンズエステをめぐっては、これまでにも多くの摘発事例がある。3000件以上のトラブルを担当し、多くのナイトビジネス経営者を顧問弁護士として支える「グラディアトル法律事務所」代表弁護士・若林翔氏の著書『歌舞伎町弁護士』より、そうした“脱法メンズエステ”の現状について一部抜粋・再構成して解説する。
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「風営法」における「性風俗関連特殊営業」というカテゴリーは、大きく5つに区分されている。
店舗型性風俗特殊営業(5種類の届出)
無店舗型性風俗特殊営業(2種類の届出)
映像送信型風俗特殊営業(1種類の届出)
店舗型電話異性紹介営業(1種類の届出)
無店舗型電話異性紹介営業(1種類の届出)
店舗型性風俗特殊営業の1号が想定しているのは、ソープランドだ。浴場業の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業をいう。風俗営業の1号許可と同じく営業時間は午前0時まで(午前0時~午前6時の時間帯は不可)で、風営法上では「異性の客に接触する役務を提供する営業」が認められている。この「客に接触する役務」は、広く客の身体に接触する役務のすべてが該当する。
2号はソープランド以外の個室型の風俗店、具体的に言えば、ファッションヘルス(箱ヘル)やイメージクラブなどが対象だ。個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業をいうとされている。
1号のソープランドと異なり、「異性の客の性的好奇心に応じて」という文言が追加されている。1号にこの文言がないのは、浴場では脱衣性が想定されるから、売春などが行われるおそれが高く、対象を限定していないのが理由だそうだ。