宮城野部屋に入門するはずだった
草野は日大4年で学生横綱に輝き、昨年5月に伊勢ヶ濱部屋に入門した。幕下最下位格付け出しで土俵を踏み、幕下を5場所、十両を2場所で通過。名古屋場所で新入幕を果たしている。相撲ジャーナリストが言う。
「伊勢ヶ濱部屋に入門したのは、子供の頃から慕っていた地元(熊本・宇土市)の2年先輩の川副がいたからだとされます。高校、大学と同じ道を進んでいる。ただ、奇しくも草野の入門のタイミングが、川副も所属していた宮城野部屋が不祥事で閉鎖されて親方や所属力士が伊勢ヶ濱部屋に転籍した直後となった。
川副と同様に“白鵬の弟子”として入門した経緯は明らかだったものの、宮城野部屋が再興した場合も草野は伊勢ヶ濱部屋が手放さないといわれていたほどの期待の星だった。前・伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が継承した年寄名跡『宮城野』は、いずれ草野に継承させるという条件がついているといわれるほど、白鵬が目を掛けているといいます」
それゆえ草野が優勝していた場合、「師匠である現・伊勢ヶ濱親方(元横綱・照ノ富士)より白鵬がクローズアップされていたに違いない」(同前)と見られているわけだ。