ホテルのように綺麗な内装の介護施設(写真/イメージマート)
今後の市場動向について、牧野氏は次のように言及する。
「こうした課題を抱えながらも、市場はまだまだ伸びるでしょう。しかし、利用者一人ひとりに焦点を当てたきめ細やかなサービス展開は難しく、既存のビジネスモデルでは本質的に、ポジティブな変化はあまり期待できません」
タワマン型などをはじめとする高級老人ホームは、高齢富裕層にとって理想的な入居先のように見える。しかし、高額な費用と引き換えに得られるのは、必ずしも真の幸福とは限らないのだろう。
【プロフィール】
牧野知弘(まきの・ともひろ)/不動産事業プロデューサー・オラガ総研 代表。東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現:みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て1989年三井不動産入社。数多くの不動産買収、開発、証券化業務を手がけたのち、三井不動産ホテルマネジメントに出向し、ホテルリノベーション、経営企画、収益分析、コスト削減、新規開発業務に従事する。2006年日本コマーシャル投資法人執行役員に就任しJ-REIT(不動産投資信託)市場に上場。2009年株式会社オフィス・牧野設立およびオラガHSC株式会社を設立、代表取締役に就任。2015年オラガ総研株式会社設立、代表取締役に就任する。2018年全国渡り鳥生活倶楽部株式会社設立、代表取締役に就任する。
(了。前編から読む)