退陣の記者会見に臨んだ石破茂首相(時事通信フォト)
石破茂首相が9月7日午後6時から記者会見を開き、辞任する意向を固めたことを明らかにした。衆院選、都議会選、参院選において、自民党が3連敗に喫した責任を問い、事実上のリコールである“前倒し総裁選”を求める声が強くなっていた。このタイミングでの退陣について、石破首相は「米国関税措置に関する交渉に一つの区切りがついたいま」と説明している。
就任から約1年という短命政権で幕を閉じた原因はどこにあったのか。エジプト人タレント・フィフィ氏が振り返る。
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石破内閣は発足直後から厳しい状況に置かれていました。主要派閥に属していない“一匹狼”的な立場で党内に強い味方も少なかったし、発足時の支持率は51%(日本経済新聞社・テレビ東京調べ)と、2002年以降で過去最低の数値。そもそも、あまり期待されていなかったわけです。
そして蓋を開けてみれば、これといった成果はなかったどころか、課題が次々と浮かび上がるばかりだったように見受けられます。
日米関税交渉についても「一区切りがついた」と述べられていますが、半導体や医薬品の関税についてはまだ大統領令が出ていませんし、日米間の協議は継続される。日本側にとって安心材料になるような成果は得られず、次期政権に課題を残したまま、中途半端なタイミングでの退陣となった印象は拭えません。
