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「在宅緩和ケアという選択肢を知ってもらいたい」漫画家・倉田真由美氏が振り返る、在宅療養を選択した末期がんの夫を最期まで支えた日々 願いを叶えられたことが救いに

在宅療養の日々を語る倉田真由美氏

在宅療養の日々を語る倉田真由美氏

 自宅で家族を看取る。それを実践したのが漫画家の倉田真由美氏(54)だ。夫・叶井俊太郎氏(享年56)はがん闘病の末、在宅療養を選択。最期の日まで妻として懸命に支えた日々を振り返った。

 叶井氏をすい臓がんで亡くして1年7か月あまり。妻で漫画家の倉田真由美氏が語る。

「夫のことで流した涙の数はこれまでの人生で流した涙の数を超えています。今でも喪失感が大きく思い出して泣いてしまいますが、高校生になった娘が夫に似て、私のようにメソメソしないことがありがたいです」(倉田氏・以下同)

 黄疸の症状が出た叶井氏が病院を受診したのは2022年6月。だが最初と2軒目の病院では原因がわからず、3軒目の国立病院ですい臓がんと診断され、「持って半年、長くて1年」と余命宣告された。

「別の見解を求めて複数の病院を回っても診断結果は変わらず、『痛いのは嫌、食べたいものを食べる』が信条の夫は抗がん剤などの標準治療を受けず、がんと生きることを決意しました」

 対症療法の手術を何度も受け、病院と自宅を行き来して仕事を続けていた2023年8月、叶井氏は胆管のステント手術で入院した。この入院が夫を変えたと倉田氏は語る。

「手術がうまくいかず、ものすごい激痛に襲われた夫が『今から飛び降りる』と自殺を仄めかしたこともありました。彼は病院がとことん嫌になり、『もう入院したくない、家に帰りたい』と言い始めました」

 退院後のある夜、自宅でくつろぐ叶井氏がポツリとこう言った。

「俺、ここで死にたい。だめ?」

 倉田氏が振り返る。

「最初の頃は“最期はホスピス”と考えていたけど、病院での辛そうな夫を見たあとは、“自宅で看取る”という意識になっていました」

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