岡本和真のメジャー移籍は時間の問題で野手の補強も急務
問題は先発投手陣だけではない。岡本和真のメジャー移籍の可能性も残っており、打者の獲得も必要になってくる。
「岡本が海外FA権を獲得するのは2026年シーズン中で、メジャー移籍するにはポスティングになる。球団の権利のため話し合いがもたれることになるが、巨人としても岡本が強く希望しているとなれば、認めざるをえない。山口俊、菅野智之を認めた経緯もあるし、あまり強引に引き留めれば将来のドラフトやFAでの獲得に支障が出る。
ただ、来シーズンは阿部監督の3年契約の最終年であり、監督が出張って1年間待ってもらう展開はあるかもしれない。岡本としてもこのオフはヤクルトの村上宗隆がメジャー移籍するため1年見送る可能性がある。ただ、それでもメジャー移籍が時間の問題である以上、野手の補強も急務だ。
今オフのポスティングを希望して認められなかった楽天の辰巳涼介が国内FAを行使すれば手を挙げるだろうし、阪神の近本光司がFA宣言すれば懲りずに手を挙げることになると見られている」
まさに伝統の“欲しい欲しい病”にも見えるが、それが「懲りずに」と評されるのは、昨年オフの阪神・大山悠輔のケースがあるからだ。大山が国内FA権を行使すると、岡本のメジャー移籍の可能性を睨んで、4番候補の獲得競争に巨人は手を挙げた。巨人OBがその時の経緯についてこう嘆く。
「阪神が5年総額17億円プラス出来高を提示して引き留めると、獲得に乗り出した巨人は6年24億円超を用意した。にもかかわらず大山は阪神に残留することに。ただ、球団からの提示額を5年20億円に引き上げることができた。
巨人に対して“話を聞くだけ”で、阪神の年俸を大きく上げるためにうまく使われた。巨人ブランドはかつてのような魅力はなく、選ばれなくなった。たしかに、昨オフに獲得した甲斐の使い方を見ても、本当に欲しかったのかわからない。昔は引退後のコーチの席の保証もあり、巨人のユニフォームを着れば引退後は安泰だった。今はそんなブランド力はない。阪神やソフトバンク、日本ハムのほうが魅力的なのではないか。
このオフにFAを行使するとみられる近本も巨人の話を聞いた上で残留でしょう。それにより、6年総額40億円クラスの契約になるとも言われています」
欲しい欲しいと大騒ぎした挙句、投手も野手も獲得できないということにならなければいいのだが。
※週刊ポスト2025年10月31日号