中西さんの得意技「アルゼンチン・バックブリーカー」
──現役時代から45キロも体重が減ったのですね。現役の頃、鍛え上げられた身体は「和製ヘラクレス」と呼ばれていました。
「実は試合でもすぐにバテて粘れなくて、思うようなプロレスができない時期がありました。そのときに、信頼していた知人から『ちゃんとスクワットやってるか?』って言われて。最初は半信半疑だったけど、バーベルを担いでスクワットで下半身を鍛えて、太くなったら上半身の筋肉もついてきました。要は“でっかいお皿があったらいっぱい肉も盛れるやろ”ということで、1カ月ほど徹底的に下半身を鍛え続けたのです」
──その強靭な下半身が中西さんの得意技「アルゼンチン・バックブリーカー」(肩の上に相手を仰向けに乗せ、あごと腿を掴み反り上げる)を完成させたんですね。
「自分はデビュー戦からずっと鳴かず飛ばずでした。相手を捕まえに行こうとするけど、向こうの動きが素早いから捕まえらえず体力を消耗してしまって、いいパフォーマンスができない。
それだったら向かってくる相手を捕まえりゃいいと思って、『アルゼンチン・バックブリーカー』で普通の人が持ち上げらないような選手を持ち上げました。体重120キロのタイガー・ジェット・シンや、身長218センチのジャイアント・シルバも持ち上げてやりましたよ」
