中学校時代の山上徹也被告
凍結されたXへの投稿内容
事件後、山上が投稿していたX(当時Twitter、現在アカウントは凍結済み)の内容について様々な分析がなされた。公判でも弁護側が彼の心象を示す証拠として提示する可能性もある。
彼の知的レベルや対人関係のスキルは高い。私は彼と事件の9日前にSNSのダイレクトメッセージでやり取りをしている。その時の受け答えも、一般社会常識を身に付けた人物のものであり、知的水準の高さを示していた。
そんな山上本人は何をどこまで、自分の口で話すのだろうか。初公判日の罪状認否、中盤から後半の被告人質問、そして最終日に予定される被告人最終陳述。彼が発する言葉を慎重に見極めたい。最も焦点となっている動機の解明については、彼がどのように動機を語るのかにも注目している。
また反省の言葉を述べるのか。事件から3年以上経ったことで彼の事件への認識や受け止め方に変化が起きた可能性もある。反省の言葉を被告人質問や最終被告人陳述で述べるのか。述べるとしたらどのような内容なのか。事件当時はやるしかないと思ったが、今となっては他の手段があったのではないかと反省している、といったものとなる可能性もある。
また遺族である安倍昭恵氏がこの裁判にどう関わるのかといったことも気になっている。検察側がどのように山上徹也被告の犯罪を立証していくのかについては、後編で検証したい。
(後編につづく)
【プロフィール】
鈴木エイト(すずき・えいと)/ジャーナリスト・作家。日本ペンクラブ理事、日本脱カルト協会理事、「やや日刊カルト新聞」主筆。統一教会問題を中心にカルト宗教問題について追い続けていた。著書に『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』『自民党の統一教会汚染2 山上徹也からの伝言』(小学館)、『「山上徹也」とは何者だったのか』『NG記者だから見えるもの』(講談社+α新書)、『統一教会との格闘、22年』(角川新書)。
