現地の会場前で撮影に応じる八角理事長、豊昇龍ら(写真/AFP=時事)

いずれはオリンピック競技に…

 退職後の白鵬氏が掲げた「世界相撲グランドスラム」構想は、日本だけでなく、モンゴル相撲をはじめ世界各国の競技を統一した“SUMO”の確立を目指している。トヨタ自動車の豊田章男会長が会長を務めるアマチュアの日本相撲連盟・国際相撲連盟と連携し、男女別・体重別の大会を構想しているとされる。白鵬氏自身、国際相撲連盟の顧問に就任した。

「白鵬はアマチュアの力士を育てて相撲の裾野を広げ、いずれは柔道のようにオリンピック競技にしたいと考えている。国際競技としての普及を目指す白鵬が、国際相撲連盟と連携していくのは間違いないでしょう。

 白鵬は相撲をプロボクシングやK-1のような格闘技として考えており、世界からファイターを集めて世界中に配信し、大きな収益を生む大会にする方向性とされます。そのためには相撲が、どこまでもガチンコ前提の格闘技でなければならないのです」(同前)

 ガチンコの本場所の盛り上がりを踏まえた白鵬氏の構想と相反するかたちで、相撲協会は「伝統」を前面に打ち出した巡業風の相撲で世界進出を図っているわけだ。

「白鵬は昨年2月に発覚した弟子の暴力事案で責任を問われて部屋が閉鎖に追い込まれ、いつまでも再興が許されないことから退職に至った。閉鎖的で世界戦略もない協会が、自らの構想を恐れて海外にアピールを始めたとしか映らないのでは。

 相撲に携わり続ける以上、表立っての協会批判は封印していますが、内心で呆れていることでしょう。日本モンゴル友好記念事業の舞台『モンゴル・ハーン』の日本公演初日にアンバサダーとして登壇した際も、大相撲のロンドン公演について一言も触れなかった」(同前)

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