大の里(写真/AFP=時事)
白鵬氏が新たに立ち上げた会社にロンドン公演の受け止めなどを問うと「大変な盛り上がりを見せたことは素晴らしいことですし、日本相撲協会の関係者のみなさまのご努力に敬意を表します。我々も微力ですが、世界相撲グランドスラム構想を通じて、相撲を世界に広め、相撲を通じて世界に希望を与えることができるよう努力してまいる所存です」と回答した。
相撲は格闘技なのか、儀式なのか。その相克は、横綱時代の白鵬氏が巻き起こした論争と相似形を為していると言えよう。
特に横綱としてのキャリアの終盤には、立ち合いでの張り手やエルボーのようなカチ上げを連発し、相手を倒したらガッツポーズ。まさに相撲を格闘技と捉える“勝てばいい”の姿勢だった。軍配が相手方に上がった一番が不服だった際は、力士に権利のない“物言い”をつける仕草も見せたが、相撲では御法度でも他のスポーツでは間々目にする光景だ。そうした姿勢が、協会から「横綱としての品格」を欠いていると咎められてきた。優勝回数などが歴代1位でも、著しい貢献があった横綱に与えられる一代年寄を認めなかった。
世界から相撲がどう見られるべきかをめぐり、協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入している。
※週刊ポスト2025年11月7・14日号
