通算勝利数は日本競馬史上10位で現役最多という名伯楽・国枝栄調教師
安田記念も3番人気に支持された。ちょうどこの連載が始まるころで景気づけになるかと思っていたんだ(笑)。ところが1番枠で終始微妙に荒れている内を通らされたためか、直線の最後で伸び負けして12着。それでオーナーサイドと相談してダートを使ってみてはどうかということになったわけだ。
ダートを走らせるにあたって心配だったのはキックバック。前を走る馬が蹴り上げた砂やその塊が飛んでくることだが、10月に行なわれた地方交流GIマイルチャンピオンシップ南部杯では、御神本訓史という地方競馬で3000近く勝っている騎手が、外枠を生かして実にうまく乗ってくれた。ダートとはいえスピードの生きる盛岡競馬場のコースだったのもよかったのだろう、勝ち馬からは少し離されたが2着を確保してくれた。初ダートでしかもGIだから上々、適性があることが証明されたといっていい。
ということで12月7日(日)に中京競馬場で行なわれるチャンピオンズカップに出走させる。この年になって初めてのJRAのダートGIに挑戦、しかも“二刀流”だぞ。いくつになっても初めての経験というのはワクワクする。
【プロフィール】
国枝栄(くにえだ・さかえ)/1955年岐阜県生まれ。東京農工大学農学部獣医学科卒業後の1978年から美浦・山崎彰義厩舎で調教助手。1989年に調教師免許を取得して1990年に開業、以後優秀調教師賞7回、優秀厩舎賞7回。主な管理馬はほかにブラックホーク、マツリダゴッホ、サークルオブライフ、ステレンボッシュなど。
※週刊ポスト2025年12月12日号
