首相が迫られる決断
高市首相の台湾有事をめぐる国会答弁では、「例えば台湾を統一、完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのためにどのような手段を使うか。(中略)戦艦を使ってですね、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」としていた。しかし、中国が台湾統一よりも先に尖閣に手を伸ばすとなれば、存立危機事態からさらに差し迫った、個別的自衛権の行使に踏み切るかの選択を迫られる。
高市側近が言う。
「総理は台湾有事のみならず、それに先立って尖閣有事が起きるシナリオも頭に入っている。海保や海自がいつどのようなかたちで出るかが尖閣防衛にとって死活的に重要である以上、速やかな決断が下せるよう準備を怠ることはない。そうした事態になった時は国内外から日本政府への支持をどう集めるかも重要になるから、レーダー照射をめぐる事前通告についてのやり取りもその前哨戦として中国側に後れを取るわけにはいかないと認識している」
対する中国は表向き高市発言を批判しながら、裏ではあわよくば高市発言を「尖閣領有」の口実に利用しようと尖閣への攻勢を強めている。
日本固有の領土である尖閣諸島を防衛できるのか。すでに事態は重要局面を迎えている。
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※週刊ポスト2025年12月26日号