デビュー当時、戦隊物にも出演していた磯山さやか(イラスト/佐野文二郎)
放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、磯山さやかについて。
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「最近、磯山いいですネ」と関東笑芸界のうるさ型、太田光や有吉弘行らにすこぶる評判がいい。私のラジオを聞いてくれてるのだ。1989年からやっている『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)月曜から金曜までで曜日によってアシスタントが違う。
メンバーチェンジなどあって2012年に入って来たのが磯山さやか。金曜日は松村邦洋と2人で私のメチャ振りに応えなければならない。志村けんの「バカ殿」などでコントの腕、間はきたえられてきたが、生放送での1時間半フリートークである。右も左も分からぬまま、いきなり4月私が心肺停止で倒れた。トンネルの出口が見えぬまま松村と半年間助けあいながら私の復帰を待った。
以来13年、プロが舌を巻くほど達者になった。当意即妙というヤツだ。高校時代は野球部のマネージャー、そのせいか常に全体が読めていて空気だけは人一倍読む。生放送とっさに作戦変更しても次の手で対応する。
業界的に話題になっているのが即やるものまね。松村が林家ペーのものまねで「Aさんの誕生日は◯月◯日よ。余談ですけど」と言えばとっさに「キャ~ッ、やだぁ~キャー」とパー子の叫び声を入れる。籠池さんのニュースの時は松村がそっくりにやればあの奥さんになって「いいわよ、父ちゃん」と応援をやる。「おカミさん」と言えば「今野、そこに愛はあるんか」とあのCMをすぐにやる。「野球」「ものまね」と来て「茨城県」。栃木のU字工事に対して茨城の磯山、カミナリはすっかり有名になった。
そして私も知らなくて先週判明したのがデビュー当時(2003年)なんと戦隊物の「超星神グランセイザー」をやっていたと言うのだ。磯山は12星座の内“おとめ座の戦士、セイザーヴィジュエル”だと言うのだ。分からん。何本か戦隊物もやったらしい。「出来るの?」と言うとすかさず立ちあがり「ヘンシーン」だか「ガッタイ」だかよく分からない言葉を言ってはポーズを決めていた。
そして若き日より根強いファンに支えられているのがグラビア写真集(「週刊ポスト」でも紹介していた)。昔は可愛いだけだったのが40オーバーの今丁度いい味わい(?)である。「余韻」と題した写真集。「売れてるの?」「大変です」だと。
別にカレンダーもできたのでイベントだそうで「磯山さやか 25th Anniversary Fan Meeting」。12月23日(火)、18時30分開演、日本橋三井ホール、出演は磯山さやか、高田文夫、松村邦洋、八木亜希子、かが屋。是非。
※週刊ポスト2025年12月26日号
