バースデーケーキを持つ岡崎さん
「悔しくて眠れない夜が何度も…」
「彩咲陽が亡くなって最初は実感が本当になくて。今でも、本当は生きているんじゃないかなと思っています。でも、現実は会えなくて、喋ることもできなくて。悔しくて寝られない夜が何度も何度も訪れて、この怒り・憎しみ・悲しみをどこにぶつけたらいいのかもわからなかった。
自分すら生きている実感がなくなっているときに、彩咲陽のために何か出来ることはないかなって思ったとき、いまいちばんやらなきゃいけないことは署名活動、この事件を風化させないことだと思いました」
追悼ライブの題名は「ASAHI」。LIBERTYさんが弟のK-WILYさんとともに呼びかけ、当日は彩咲陽さんが生前好きだったヒップホップアーティストなどが集結した。彼女を悼み、500人以上の観客が会場に訪れ、署名をしたという。
「不器用な自分に出来ることといえば、ラップしかなくて。彩咲陽も普段から応援してくれていたこともあって追悼イベントという形を取りました。言葉にはできない、この難しい感情を今回のライブで少しは出せたかもしれないと思っています。
チャリティーとはすこし違いますが、売上げに関してはすべて彩咲陽のために使うつもりです。今後は同じような事件が起きないよう、ストーカー規制法の改正についても訴えていくつもりです」(同前)
県警の対応や、裁判を控えている白井被告についても尋ねたが、
「9月4日に警察の担当者から謝罪はありましたが、家族も含め、許す気はまったくないです。白井に関しては、死刑を求めます」
と短い言葉で憤った。
生きていれば、彩咲陽さんはライブ当日の12月13日に21歳の誕生日を迎えるはずだった。記者が「天国の彼女にかけるなら、どんな言葉ですか」と問うと、こうコメントを寄せた。
「誕生日おめでとう。彩咲陽の力で500人以上も会場に駆けつけてくれたぞ。やっぱり俺の自慢の妹だな! 彩咲陽の生きた証を俺の声で残すから。必ず約束は守るから、やることやったら迎えに行くから待っててな! 楽しみにしてた成人式も俺が必ずそっちでやってやるから! 愛してる」
悲惨な事件から半年以上。家族や友人たちは今も彩咲陽さんを思い、声をあげ続けている。
