試合で前歯を失った(Xより)
──さすがにプロレスを辞めたくはなりませんでしたか?
「折れたり抜けたり、結局5本やっちゃってたので、かなり落ち込みはしました。でも2週間後にタッグベルトに挑戦することが決まっていたので、『とにかく間に合わせなきゃ』ということで頭がいっぱいでした。急いで歯医者さんに行って、『2週間後にプロレスの試合があるのでお願いします!』と頼んで、なんとかしてもらいました。歯医者さんは驚いていました(笑)。
でもいざ試合当日、リングインする瞬間は緊張したし不安でした。でもお客さんから応援の紙テープが飛んできたとき、『やるしかない!』と気持ちが切り替わりました」
──たくましい! ただ、ご家族には心配されたのでは? 「プロレスは辞めたほうがいい」と止められたりは……?
「歯がなくなったことを母親に伝えたら、『ママもこの間インプラントにしたよー』という反応でした(笑)。母はいつもケロッとしていて、私の試合もよく観戦に来ます。
でも父親にはさすがに言えませんでしたね。父は私の試合を一度だけ観たことがありますが、どうしても心配になっちゃうみたいで、それきりです。だから少し落ち着いた頃に『実は歯が折れたんだけど、もう大丈夫だよ』と事後報告しました(笑)」
プロレスと並行してタレント活動も行う上原は、特に『有吉ゼミ』(日本テレビ系)の大食い企画で知られている。キロ単位をぺろりとたいらげる大食いの才能が自分にあることは、オーディションでたまたま気づいたのだという。第2回では、“大食いタレント・上原わかな”に迫る。
(第2回に続く)
取材・文/原田イチボ(HEW)
撮影/水田修
