ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)

ワールドシリーズ優勝後に送ったLINE

 就職後5年目を迎えた森本さんは子宝にも恵まれ、「今は営業を楽しめています」と微笑む。充実した生活を手に入れると、背を向けていた野球にも自然と向き合えるようになった。

「草野球も楽しめるようになりました。今はプロ野球OBクラブという組織に入って、少年少女に野球を教えるイベントに参加してます。

 僕が営業でなんとかやれてるのも、やっぱり野球に育ててもらったことが大きいと思う。今後、その恩返しをしたいという気持ちもありますね」

 大谷に最後に連絡したのは2024年11月、ワールドシリーズ優勝直後だったという。

「ちょうど2012年入団の同期が翔平以外みんな引退したこともあって、『おめでとう』『鍵谷(陽平さん、2024年に現役引退)さんもいなくなって』って連絡したんですけど、既読がつかない。多分、みんなからの『おめでとう』に埋もれちゃったんでしょうね。

 既読つくまで、こまめにチェックしてました。年明けに既読がついた時には感動しましたよね、『これでまだ翔平と繋がってるって言える!』って。周りにめっちゃ自慢しましたよ(笑)」

 今は遠く離れた異国の地で活躍を続ける「翔平」。その眩しい姿を応援する森本さんは、裏表のない性格と屈託ない笑顔で、地元・尼崎で着実に「第二の人生」を歩んでいた。

(了。前編から読む

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