「同期会」も年に数回行われていた(森本龍弥さん提供)
「世間知らずでした」
自堕落な生活を変えたのは、交際していた彼女からの一言だった。
「『働かん人とは一緒になれません』と。もうお金もなかったし、それで働かなあかんと思って、イチから就職活動を始めました。
僕は高卒で、アルバイトもしたことがなかったから、ネズミ講にも誘われて、『こんな楽な仕事あんのか』って単純に感動しちゃったんです。危うくハマりそうになったんですけど、高校卒業後から働いてた嫁から『そんなの絶対あかん』と言われて、ヤバいことに気づいた。本当に世間知らずでした」
就職サイトから求人を探し、面接を受けて回った。そして資材メーカーの営業職として内定を獲得し、2020年10月に就職した。
「入社試験の国語と算数の点数は、会社史上最低点を叩き出したと聞きましたね(笑)。寸法の知識として円周率とか知っていないといけなくて、5年たった今はやっとわかってきたんですけど、その時はちんぷんかんぷんでした。
面接では野球のことばっかり話しました。ドラフト2位で、聞かれてもないのに『ドラ1は大谷翔平です』って答えてました。現役当時はそう書かれるのがプレッシャーでしたけど、営業になってからはもう何度も翔平に助けられています。翔平の名前で取った契約がいくつもありますよ(笑)」
職を得て、妻とは2021年に結婚式を挙げた。その時、大谷にも連絡をしたという。
「2021年1月に結婚式をやる予定で、一応誘ったんです。忙しいのに『花だけ送るわー』って言ってくれました。でも、コロナで式が5月か6月に延期になった。その時にはもう翔平はシーズンに入ってたから、もう『花送ってくれ』とか言えなくて、連絡を控えちゃったんですよね。『結婚式したよ』とだけ連絡したら、『おめでとう』って返してくれました」
