不夜城・新宿にはホストクラブも多い(イメージ)
悪質ホストクラブ問題の報道が増え、国会でも議論されるようになった2023年、適切な取締り強化を岸田文雄首相(当時)は明言し、風俗営業法は改正へと動き出した。改正法が施行された2025年、警察の取締りも強化されスカウトグループの摘発が続いている。不本意な形で仕事を強要される女性が少なくなってほしいものだが、現実には以前よりも危うい仕事を強いられるケースが増えているという。ライターの宮添優氏が、違法な特別サービスによって顧客が直面させられているリスクについてレポートする。
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スカウトグループの摘発や関係者が逮捕された、という報道が相次いでいる。だが、風俗営業法違反や職業安定法違反(有害業務紹介)容疑という罪状を伝えられても、具体的にどんな内容なのか、イメージしづらいのではないか。
彼らが行ってきた「スカウト」という仕事は、もっぱら女性を風俗店へ紹介することで得られる報酬が収入源だ。その斡旋の仕事を常につくり続けるためなのだろう、悪質なホストクラブと連携して、高額な借金返済の必要がある女性を生み出し続けるという営業方法が存在する。
たとえば、若くて世間知らずだったり、依存する性質が強かったりする女性をねらってホストクラブへ誘い、お金をもっていなくても「売掛(ツケ払い)」で遊ばせ、気づけば大きな売掛金(借金)が女性にのしかかるようにするのだ。この返済の必要がある女性を性風俗店へ斡旋する事例が相次ぎ、悪質ホストクラブだと社会問題化した。そのため2025年6月から改正風営法によってスカウトへの報酬支払いが禁止され、関連してホストクラブの恋愛感情を利用した営業や売掛金も事実上の禁止に。
法改正やスカウト関連の摘発が続き、司法当局の視線が気になるのか、界隈が安定しない情勢になっているようだ。最近では、とあるSNS上に、違法なスカウトグループの実情、関係店舗などを暴露するアカウントまで出現している。
店長からの指示を担当に相談したら
「私の働いていた店も晒されていた。勤務しているときから、この店はおかしい、やばいと思っていましたが、やっぱり案の定という感じでした」
こう打ち明けるのは、摘発が相次ぐあるスカウトグループが「関与している」と暴露アカウントに投稿された店舗で働いていたという女性(20代)だ。
