彼女たちが働く場所は都会の繁華街だけでなく、スカウトの手配によって地方の店にも出稼ぎする(写真提供/イメージマート)
閉店した店の顧客情報はどこへ?
いくら稼げても、顔をさらされ、隠している職業をさらされる危険性があり、いったんネットに流出したものは事実上、永久に消えないことを思えば大きなリスクが潜んでいることは一目瞭然である。先述の”撮影サービス”の動画が、会員制SNS上で秘密裏に販売される例も実際にあるという。こういった危険性を考えるとき、主に女性への被害にばかり意識が向きがちなのだが、現実は利用する男性客側も危うい立場に追い込まれる可能性がある。
「違法スカウトが関わる性風俗店では、違法サービスは当たり前、撮影も当たり前です。過激なサービスが受けられると一部のファンには人気がありますが、撮影リスクは撮られた女性だけでなく、むしろ男性に大きく影響するはずです」
九州地方の現役風俗店店長が声を潜めながら、実体験を振り返る。
「近隣店舗が、あるスカウトグループに仕事、まあ女の子集めですよね、それを依頼したところ、確かに人気が出たのですが違法行為のオンパレードになったとすぐに噂になりました。ただ、男性客側に言わせると、希望した撮影プレイを行うには、直前で免許証などの提示を求められる。本来であれば、我々のような店に個人情報を渡したくないはずですが、コトに及ぶ直前ですから、男性も渋々応じてしまう」(現役風俗店店長)
近隣の店は数年前、関東地方の有名スカウトグループから「営業」を受けていた。大っぴらな求人がしづらいぶん、人材募集でスカウトに頼ることは致し方ない部分もあった。しかし、数か月後には、件のスカウト業者に半ば店が乗っ取られたような状態になったという。
「主に本州方面から、ホストの借金で首が回らなくなった女性が大挙して仕事をしにきた。ただ、稼ぎも悪く、客からの評判も悪かったため、スカウトに文句を言ったそうです。その途端、嫌がらせが始まったと。例えば、店の女性の予約をするふりをする”空予約”が相次いだそうです。結局謝罪するしかなくなったそうで、スカウトへの支払いまで増えたと。その後、店は名前を変えるなどしてやってますが、実質的な経営者も変わってしまったとの噂。店舗が持っていた客の個人情報はどうなったのか。悪用されかねないですよね」(現役風俗店店長)
実際、過去には似たような事件が起きている。風俗ライターが解説する。
