JR東西線・海老江駅から徒歩6分、淀川近くの『人見酒店』。
「創業は甲子園球場と同じ年で、一昨年が百周年でしたわ」と話す3代目店主の人見堅太郎さん(58歳)。妻の由里子さん(52歳)と一緒に明るい笑顔で迎えてくれる。
元漫画家の店主は、持ち前のデザインセンスを活かし、2006年に自ら図面を引いて店を大改修。店内のカウンターの形はハテナ型”?”で遊び心がいっぱいだ。
「ここらあたりは酒屋が多かってん。同級生に酒屋が4人おったくらいやわ。昔、淀川のそばに印刷所があって、印刷関係の人も多かったんや。そやから夜勤明けでそのまま飲みにくるような賑わいがあるエリアやねん」と店主。
その人柄がにじみ出る堅太郎さん、由里子さん夫妻。様々なポーズで撮影する度に笑いが起こっていた
改装前は、トタン板にペンキで「人見」と書かれた看板だけが置かれていて、いつ営業しているのかわからない、「謎の店」として噂になっていた。「変わった店で、とにかく安い」「おどろおどろしい店やと思い込んでいた!」(昔からの客)。前衛的なアート感覚を反映していた以前の店は、地元ではちょっとした評判になっていた。
「いやあ、前もおもろかったけど、きれいになってよかったわ。仕事帰りの人も、女の人も、遠くから訪ねてくる人も、入りやすくなったもん!」と、長く通う50代の常連が笑う。
「仲間内では、ここの合言葉は『冷蔵庫』。小腹が空いた時に、ついつい行きたくなる場所なんや。今日も“冷蔵庫集合!”ってLINEが来てん。」(同常連)。
店主夫妻もお客も皆気さく。会話が絶えないあたたかい空気の店内
店主は「コロナが大きかったかもしれん。配達が減ったことで、アテの仕込みにより力が入るようになったんや」と呟いた。「ほんで、アテがうまなったんか。そんな因果関係があったんかー。」と客が大袈裟にのけぞる。
その隣で、カウンターにもたれて飲んでいた40代(建築関係)が「角打ちで油を売る、いうたらエグゼクティブみたいで聞こえがええやん」と一声。すぐさまその向こう隣から「どこのエグゼやねん!」とのツッコミに笑いが起きて賑やかだ。
改装して目立ちながらも綺麗なお店。今日も海老江の酒好きを和ませる


