所要14場所で大関へと駆け上がった安青錦の勢いはどこまで続くか(時事通信フォト)
貴乃花:その相撲で大関になった人間は、それを貫かなければ勝てません。あとは大きなケガをしないように運を掴む。その先に、(横綱昇進が)あるかもしれないということ。
志らく:まだ年季が浅く異国の文化を吸収している最中だから、慌てる必要はないようにも思います。挫折を味わったほうがいい面もある。大関になった後に「受けて立つ相撲を取れ」とか言ってくる人はいるでしょうが、安青錦にそれを要求したらダメになる気がします。
貴乃花:師匠がわかっているから自分の相撲を守れるでしょう。ただ、番付上位ほど安青錦の取り口を覚えて、内無双といった小技は効かなくなる。かといって取り口を変えたら落ちるでしょう。そのバランスが難しい。
志らく:親方が「今まで通りの相撲でいい」と言えば、安青錦はきっと横綱まで上がるのでしょう。横綱になれば着物の着方から喋り方まで周りが教えてくれる。横綱の品格というものは、後から付いてくるのではないでしょうか。
(第2回へ続く)
【プロフィール】
貴乃花光司(たかのはな・こうじ)/1972年、東京都生まれ。1988年初土俵。最年少幕下優勝はじめ数々の最年少記録を打ち立て、1990年代に“若貴フィーバー”を巻き起こす。1994年、第65代横綱に昇進。2003年に引退し、一代年寄として貴乃花を襲名。貴乃花部屋を設立し、協会理事を4期務めたが、2018年相撲協会を退職した。
立川志らく(たてかわ・しらく)/1963年、東京都生まれ。1985年立川談志に入門。1988年二つ目、1995年真打に昇進。現在、弟子18人を抱える。落語家にとどまらず、映画監督(日本映画監督協会所属)、映画評論家、エッセイストと幅広く活動する。TBS系列『ひるおび』でレギュラーコメンテーターを務める。
※週刊ポスト2026年1月16・23日号
