2001年5月場所で優勝を決めた横綱・貴乃花(写真/共同通信社)
2025年は2人の横綱が誕生し、大いに盛り上がった相撲界。1月11日に初日を迎える初場所では、先場所で初優勝したウクライナ出身の安青錦が新大関として土俵に上がり、最高位への昇進が期待されるが、この人気ぶりは“本物”なのか。第65代横綱・貴乃花光司氏と、好角家で知られる落語家・立川志らく師匠が語り合った。【全3回の第3回】
若貴ブームを超えるか
貴乃花:師匠が相撲を見始めたのはいつですか。
志らく:覚えているのは、輪島(第54代横綱)と北の湖(第55代横綱)の時代。先代の間垣親方が若三杉として新入幕を果たした頃に見始めました。
貴乃花:北の湖さんと二代目若乃花(=若三杉、第56代横綱)は同い年ですが、北の湖さんの出世が早かったからそうは思えませんよね。
志らく:その頃は若三杉を応援していました。それからお父さんの貴ノ花(元大関)がすごくかっこよくて。あと私が贔屓にしていたのが元関脇の鷲羽山、三重ノ海(第57代横綱)、隆の里(第59代横綱)ですね。
貴乃花:玄人好みですね。その頃に比べると、今の大相撲は生ぬるい。相撲取りになるのか力士になるのかの違いで、本当に幕内自体の力が落ちています。武士道、相撲道と日本の文化には“道”が付く意味を考えず、アマチュア的な感覚が多分に入り込んでいると難しいかもしれません。
志らく:今は若貴以来の相撲ブームだそうです。
貴乃花:親父(貴ノ花)は当時、若貴ブームを「クソみたいだ」と評していました。「相撲界にスターなんかいらない」「お前も職人で生きろ」と2人の時によく言われたんです。自分の弟子にも「力士は職人でなきゃいけない」と教えました。
志らく:今の相撲ブームを終わらせないためには、貴乃花親方が言うガチンコを徹底するべきです。おそらく相撲ファンはみんな、大関になって落ちる人が多いのはガチンコだからと気付いています。この路線なら相撲はもっと盛り上がると思う。
