立川志らく氏(左)と貴乃花光司氏が語り合う
貴乃花:その通りです。ガチンコでケガをするような力士は横綱や大関になってはいけない。相撲を何も知らない人が見て「さすが横綱」「これが大関」と思えるのが本当の横綱・大関なんです。
志らく:一流選手はケガをしません。野球でもそう。王貞治、長嶋茂雄、イチロー、落合博満、みんなケガをしない対策を自分で練って、そのためのトレーニングをする。
一方で相撲ファンは貴乃花親方がケガを押して出場して優勝し、小泉(純一郎)さんに「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」と表彰された場面を覚えています。無理しろと言うわけじゃないけど、「これで終わってもいい」くらいの気持ちで土俵に上がるのが、本当の横綱だとも思います。
貴乃花:私は晩年でしたから。11月の九州場所の千秋楽で横綱・大の里が休場を決めたのは、師匠の稀勢の里(二所ノ関親方)の賢明な判断だと思います。来場所の復帰を期待したいですね。
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【プロフィール】
貴乃花光司(たかのはな・こうじ)/1972年、東京都生まれ。1988年初土俵。最年少幕下優勝はじめ数々の最年少記録を打ち立て、1990年代に“若貴フィーバー”を巻き起こす。1994年、第65代横綱に昇進。2003年に引退し、一代年寄として貴乃花を襲名。貴乃花部屋を設立し、協会理事を4期務めたが、2018年相撲協会を退職した。
立川志らく(たてかわ・しらく)/1963年、東京都生まれ。1985年立川談志に入門。1988年二つ目、1995年真打に昇進。現在、弟子18人を抱える。落語家にとどまらず、映画監督(日本映画監督協会所属)、映画評論家、エッセイストと幅広く活動する。TBS系列『ひるおび』でレギュラーコメンテーターを務める。
※週刊ポスト2026年1月16・23日号
