南海トラフ地震による各地の震度と1mの津波の到達時間
「被害規模は想像を絶します」
政府の地震調査委員会は昨年1月、南海トラフ地震の30年以内の発生確率を「80%程度」と発表したが、そのわずか8か月後に、「60〜90%程度以上」または「20〜50%」と併記するとした。
「新たな試算は確率に幅を持たせた格好で、それだけ地震予測の難しさを示しています。しかし、地震調査委員会委員長の平田直さんは会見で、“南海トラフで大きな地震が起きる可能性は、日々少しずつですが高まっています。下がることはありません”と強調しました。『20〜50%』より高い確率を念頭においた方がいいでしょう」(科学ジャーナリスト)
地震調査委員会を設置する地震調査研究推進本部は、「90%程度以上」について、《94.5%以上の場合は「90%程度以上」と表現》と公式サイトなどで補足している。つまり、南海トラフ地震の発生確率は、最大で「94.5%以上」と言うこともできるのだ。
M8〜9クラスの南海トラフ地震が発生すれば、静岡県から宮崎県にかけての広範囲で震度6を観測。一部地域では震度7に達し、首都圏でも震度5の揺れに襲われると想定される。「揺れ」による被害も心配だが、南海トラフ地震において最も恐ろしいのは「津波」だ。昨年3月に政府が発表した被害想定では、死者数は最大で約29万8000人。そのうち21万5000人が津波による死者とされた。
「地震発生後、和歌山県や静岡県の沿岸部には、最短2分で高さ1mの津波が到達します。最大で10mを超えるエリアもあり、高知県では34mに達する。関東地方も例外ではありません。千葉県には11mに達する津波が30分で到達し、東京都中央区、港区、江東区、品川区、大田区にも3mの津波が地震発生から約2時間で押し寄せます」(前出・科学ジャーナリスト)
南海トラフ地震の足音が近づいてくるなか、どのような心構えが必要なのか。
「南海トラフ地震だけが着目されがちですが、日本各地で地震活動が活発になっているいま、“いつどこで地震が起きてもおかしくない”と認識しておくことが重要です。南海トラフの活動期に増える内陸地震は生活圏の真下が震源地になるので、規模は小さくても被害が大きくなる可能性があります。さまざまな地震への備えが、南海トラフ地震対策にもつながるのではないでしょうか」(向吉氏)
巨大地震はすぐそこに迫っている。
※女性セブン2026年1月29日号
