持続化給付金は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売上が前年同月比50%以上減少している事業者が申請できる制度だった(経済産業省HPより)
「国が、不正受給者の個人名などを、ずっとサイトに載せているんです。だから、今も僕の名前は”不正した者”としてネットでさらされている。自分的には心を入れ替え、何とか金も返してやり直すぞと思っていましたが、名前を消してくれない」(男性)
罪を償ってなお晒され続けるのは確かにひどい。だが、不正受給者を今も掲示し続けている経済産業省に聞くと、男性が説明するのとは違う事情が見えてきた。
経産省HPから名前は消えても……
経産省に問い合わせたところ、いま現在も「不正受給認定者」としてホームページに名前を載せている人たちは、不正受給した金の全額、もしくは一部の返金を終えていない人たちだという。そのため、改めて前出の男性に確認すると「返金は開始しているがまだ一部、100万円なんてまとめて用意できない」ということだった。
確かに、返金が終わっていないのはよくないことだろう。とはいえ「名前も居住地も晒すのは厳しい措置ではないか」と経産省の担当者に聞いてみたが「やはり不正受給なので」と、その厳しい姿勢を軟化させる様子はなさそうだ。
ただ、身から出た錆とはいえ、働いて返金しようにも、このような状況であれば仕事に就くことも難しくなる。男性は「ネットで自分の名前を検索するとバレる」「怖くて求人への応募もできない」と項垂れ、心を入れ替え再スタートしようとしてもできないと訴える。別の不正受給者も、同じようなジレンマを抱えている。
「自宅に帰ると、父親が弟を殴りつけ、母親も横で取り乱していました。弟が給付金の不正受給をやったんです」
福岡県内在住の看護師(20代)の弟は、知人に言われ、存在しない収入を偽装するなどして持続化給付金を不正に受け取っていた。およそ100万円が弟の口座に振り込まれていたが、その大半は知人に持っていかれ、弟は5万円程度を駄賃としてもらっただけだという。なぜばれたのか。
「経済産業省のサイトに、不正受給をしたと弟の名前が出たんです。苗字が珍しく、名前で検索すれば弟のSNS、そこから私のSNSや実家の家業まで分かってしまう。それで、知らない人が調べて実家のお店に嫌がらせの電話をかけてきました」(福岡県在住の看護師)
