昨年の九州場所期間中は多くの一門会が開かれた(JMPA、以下九州場所写真は同)
元横綱・武蔵丸や元大関・栃東、雅山らもいるなか…
唯一、九州場所での一門会で結論が出なかったのが出羽海一門だった。3人の理事を出しているが、現職では出羽海親方(元前頭・小城ノ花)を除く春日野親方(元関脇・栃乃和歌)と境川親方(元小結・両国)が定年で勇退することとなり、この2人に代わる候補者が決まらなかった。若手親方が言う。
「ひとりは副理事で協会本部に詰めている元大関・武双山の藤島親方で決まったが、あとひとりで意見が分かれた。木瀬親方(元前頭・肥後ノ海)が早くから一門内で根回しをしてきたが、九州場所前に部屋の力士同士による暴力行為があったとして“監督義務違反”と“協会への報告義務違反”で委員から年寄へ2階級降格処分された。タイミングからして理事選の候補者潰しがあったとも噂されたが、2010年に暴力団へチケットを横流ししたとして部屋を閉鎖された過去も足枷になっていたようだ」
出羽海一門には元横綱・武蔵丸の武蔵川親方、元大関では栃東の玉ノ井親方、雅山の二子山親方、出島の大鳴戸親方、豪栄道の武隈親方といった現役時代に活躍した親方衆が多くいるが、初場所4日目の打ち出し後に都内で開かれた一門会でも候補者が絞り込めなかった。「結局、現職の理事3人(春日野親方、境川親方、出羽海親方)、副理事1人(藤島親方)、役員待遇1人(中立親方)の5人の話し合いで決めることになった」(前出・相撲担当記者)という。
その結果、理事候補として出羽海親方、藤島親方に加えて、元小結・濱ノ嶋の尾上親方の擁立を決めた。副理事候補としては中立親方を立てることになった。この出羽海一門の3人の理事候補を含め、各一門から選ばれた10人が初場所13日目の1月23日に立候補の提出をすることになる。相撲ジャーナリストが言う。
「出羽海一門の候補者選びが難航したのは定年で勇退する現職理事が多いなか、八角理事長体制を揺るがせず維持するためだとされます。元理事の山響親方(元前頭・巌雄)や玉ノ井親方を推す声もあったというが、春日野親方や境川親方など現体制の理事が影響力を残せる候補者を選んだといいます。尾上親方は同期で同郷の木瀬親方が強く推したとされる」
101年目を歩み始めた日本相撲協会。若くして協会改革に動こうとした貴乃花氏や白鵬氏が去り、年功序列が重んじられる風土が続くことになるのだろうか。
