改名効果の正体は

 ただ旧宮城野部屋の力士たちの改名効果は大きかった。自己最高位の西前頭筆頭に昇進した義ノ富士は、3日目に豊昇龍、4日目に大の里に勝って2日連続の金星を獲得。三役が狙える位置での勝ち越しを目指している。

 伯乃富士は先場所、初の負け越しで西前頭3枚目に番付を落としていたが、5日目には大関・琴櫻を破り、7日目に豊昇龍と取り直しの一番まで追い詰めた。中日の天覧相撲で大の里を押し出しで破り、4場所連続となる4つ目の金星を獲得している。

 幕下では西2枚目の元聖白鵬の寿之富士が4勝2敗(12日目までに)と勝ち越して十両昇進を確実に。西6枚目の元天照鵬の三重乃富士は2勝4敗(同)と負け越したが、西9枚目の元松井の嵐富士は3勝3敗(同)、東11枚目の炎鵬は6勝0敗(同)と十両の可能性を残している。十両や幕下上位の成績次第だが、この先数場所で白鵬氏がスカウトしてきた旧宮城野部屋の十両が次々と誕生する可能性が高い。

 四股名変更の効果を八角理事長(元横綱・北勝海)に聞いた。八角理事長は初土俵から本名の「保志」で土俵に上がっていたが、大関に昇進すると師匠の九重親方(元横綱・北の富士)から改名を勧められたという。

「師匠から直接じゃないが、“北の富士”にするという話があって、これはまずいなと。その前に決めようということになって、出身地の『十勝』にちなんで“十勝海”や“十勝富士”が候補に挙がったが、10勝(5敗)を連想されるから“北勝海”となった」

 新弟子時代、八角理事長は師匠から「富士若」という四股名をつけてもらったが、いきなり3勝4敗と負け越したことで本名の「保志」に戻したことがあるという。

「やっぱり新たな名前で勝ちたいという気持ちは強いだろうね。名前を変えてからなんか悪くなったと言われるのは嫌でしょう。そういう気持ちはある」(八角理事長)

 伊勢ヶ濱親方の「ひとつ屋根の下で切磋琢磨しているのだからみんなで団結したい」との提案で行なわれた改名だったが、同じ伊勢ヶ濱部屋の熱海富士も2日連続で金星を挙げる活躍を見せている。初場所を席巻する「富士」旋風を見る限り、効果てきめんだったようだ。

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