“不透明な理由”で和解が遅々として進まない現状だ(写真/PIXTA)

“不透明な理由”で和解が遅々として進まない現状だ(写真/PIXTA)

明日生きられるかわからない

 和解給付金は症状に応じて金額が変わるが、和解は症状別に分けられるわけではなく、症状のない無症候性キャリアでも、重度の肝硬変や肝がんでも、和解にかかる時間は同じで、提訴した順に“裁かれる”。Aさんはそこにも疑問を訴える。

「病気に優先順位をつけることが正しいとは思いませんが、明日生きられるかわからない人と、症状がない人を同じシステムで審査することに失望を感じます。

 集団予防接種での注射器使い回しという、明らかな国の衛生管理による不備で病気になり命を脅かされているのに、1年も2年も和解に時間がかかるのはどう考えても間違った制度ではないでしょうか」(Aさん)

 たしかに、被害者救済を目的とした制度であるにもかかわらず“不透明な理由”で和解が遅々として進まない現状は“命を軽視”しているといっても過言ではない。前出の経済ジャーナリストが言う。

「和解訴訟は厚労省が資料の確認などを行い、法務局が事務手続きを担当しています。厚労省での審査はすでに終わっているにもかかわらず、法務省のところで止まっているのは、被害者にとってあまりにずさんな対応です。コロナ禍のときも、“人員不足”を理由に件数が落ち込んだこともありましたが、今回は明確な理由の説明すらありません。

 被害者救済金の予算は年単位で確保されていますが、今年度はこのままでいくと大幅に残ってしまう。予算を余らせて次年度以降、減らしていくための準備なのかと思ってしまうほどありえないことが起きているのです」

 B型肝炎訴訟の基本合意書において、国は「適正・迅速に和解手続きが進行できるよう努力する」と約束した。しかし、これが本当に適正で迅速な手続きといえるだろうか。

※女性セブン2026年2月5日号

関連記事

トピックス

全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
【2・8総選挙「大阪1〜10区」の最新情勢】維新離党の前職が出た2区、維新前職vs自民元職vs野党候補の5区で「公明党票」はどう動くか
NEWSポストセブン
なぜ実の姉を自宅で監禁できたのか──
《“お前の足を切って渡すから足を出せ”50代姉を監禁・暴行》「インターホンを押しても出ない」「高級外車が2台」市川陽崇・奈美容疑者夫妻 “恐怖の二世帯住宅”への近隣証言
NEWSポストセブン
東京拘置所(時事通信フォト)
〈今年も一年、生きのびることができました〉前橋スナック銃乱射・小日向将人死刑囚が見せていた最後の姿「顔が腫れぼったく、精神も肉体もボロボロ」《死刑確定後16年で獄中死》
NEWSポストセブン
間違いだらけの議事録は「AIのせい」(写真提供/イメージマート)
《何でもAIに頼る人たち》会社員女性が告白「ケンカの後、彼から送られてきた”彼女の方が悪い”とAIが回答したスクショ」ほどなく破局
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
国際ジャーナリスト・落合信彦氏が予見していた「アメリカが世界の警察官をやめる」「プーチン大統領暴走」の時代 世界の“悪夢”をここまで見通していた
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト、2025年10月15日)
《頬がこけているようにも見える》高市早苗首相、働きぶりに心配の声「“休むのは甘え”のような感覚が拭えないのでは」【「働いて働いて」のルーツは元警察官の母親】 
NEWSポストセブン
ジェンダーレスモデルの井手上漠(23)
井手上漠(23)が港区・六本木のラウンジ店に出勤して「役作り」の現在…事務所が明かしたプロ意識と切り開く新境地
NEWSポストセブン
元日に結婚を発表した女優の長澤まさみ(時事通信フォト)
長澤まさみ「カナダ同伴」を決断させた「大親友女優」の存在…『SHOGUN』監督夫との新婚生活は“最高の環境”
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
【訃報】国際ジャーナリスト・落合信彦氏が死去、84歳 独自の視点で国際政治・諜報の世界を活写 
NEWSポストセブン
薬物で急死した中国人インフルエンサー紅紅(左)と交際相手の林子晨容疑者(右)(インスタグラムより)
「口に靴下を詰め、カーテンで手を縛り付けて…」「意識不明の姿をハイ状態で撮影」中国人美女インフルエンサー(26)が薬物で急死、交際相手の男の“謎めいた行動”
NEWSポストセブン