東京1区から出馬した参政党の吉川里奈氏(右)。吉川氏は2024年に実施された東京15区補選に立候補して落選。同年の衆院選では、九州ブロックから比例単独で出馬して当選そた(写真撮影:小川裕夫)
前回の国政選挙、2025年7月に実施された参議院議員選挙では「オレンジの旋風」と呼ばれた参政党の躍進が大きな注目を集めた。街頭演説をすれば大勢の聴衆が集まり、オレンジ色のイメージカラーに身を包んだ支援者たちとともに「1、2の参政党!」というコールに笑顔で参加する人たちがいた。ところが、36年ぶりとなる2月の選挙となった現在おこなわれている衆議院議員選挙では、昨夏のような圧倒されるような盛り上がりが見られないと選挙と政治の取材を続けているライターの小川裕夫氏は言う。参政党の選挙活動に起きている変化について、小川氏がレポートする。
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2025年の参院選では参政党がSNSを巧みに駆使して支持を広げ、14議席を獲得。大躍進を遂げて、注目の存在になった。1月27日公示・2月8日投開票という慌ただしいスケジュールで始まった2026年の衆議院議員選挙についても、先の参院選から間がないこともあり、参政党は勢いそのままに議席を大幅に増やすと公示日前は注目されていた。
選挙前、神谷宗弊代表が高市首相を支持すると方針を示し、「高市内閣の政策を邪魔する自民党候補者の選挙区に候補者を擁立する」といった趣旨の発言をした。神谷代表の発言は、いわば「自民党内の反高市派を一掃することで高市内閣の後方支援をする」ことを示唆していた。
しかし、実際には高市首相の側近ともいえる議員の選挙区にも参政党は候補者を擁立した。そのため、いくつかの選挙区で自民党高市派と参政党の候補者が保守票を奪い合うという構図も生まれた。
衆院選だけをみると、参政党は2024年に3名の議員を誕生させた。今回は2年前を上回る当選者を出すとみられているので大躍進といえるだろう。しかし、前回よりも数が上積みされるからといって、手放しで喜んでもいられない状況にある。
熱狂の変化
解散前の衆議院の与党勢力は、自民党と閣外協力をする日本維新の会を合わせて過半数にようやく手が届くという状況だった。もし、新聞社やテレビ局などが行っている情勢調査の予測通り、自民党が大幅に議席数を増やす結果になり、選挙後も自民党と維新が連立を組む状態が続けば、参政党は野党のままで埋没する。となると、2年前の衆院選の3名より多い当選結果を出せても、神谷代表にとって物足りない数字に写ってしまうだろう。
