2026衆院選最後の日曜日となる2月1日、渋谷駅前でマイクを握った石川友梨香氏。演説はせずに名前だけを名乗り、選挙カーの上に立っていたのは1分に満たなかった(写真撮影:小川裕夫)
「党に票を入れなくてもいいから政治に関心を持って」
渋谷駅前で神谷代表は東京7区に擁立した候補者と並んで選挙カーの上に立ち、簡単にあいさつを済ませると、7区の立候補者にマイクを渡した。マイクを受け取った候補者は名前を口にしただけで自己紹介をすることもなく、政見や政治に対する思いも述べなかった。選挙カーの上に立っていたのも1分ほどで、すぐに神谷代表にマイクを返して選挙カーの上から姿を消した。
マイクを引き取った神谷代表は候補者の人柄や実績を紹介するといったことはせず、参政党が掲げる政策を手短に説明するにとどまった。その後は、「若い人はとにかく投票に行ってほしい」「参政党に票を入れなくてもいいから政治に関心を持ってもらいたい」という内容の演説を繰り返した。
公示日の秋葉原駅演説と比較して、神谷代表の演説時間は極端に短く、内容もこれまでのスタイルから大きく変化していた。
多くの批判を浴びながらも、これまで頑なに日本人ファーストの政策を訴え続けてきた神谷代表が演説内容を大きく変えたのは心境・状況の変化があったことは間違いない。そこには親高市路線が参政党の得票に思うように寄与していないことが挙げられる。
参政党と高市自民党の政策・理念は近い。だからといって、高市自民党を応援したいと考える有権者が、わざわざ参政党に投票することはないだろう。それゆえに、参政党は別の主張で支持拡大を図らなければならない。しかし、解散から投開票日まで16日間しかなく短い。選挙戦中盤となった最後の日曜日、2月1日に作戦を変更し、マスコミも聴衆も多くなる渋谷駅前で訴えても、広く浸透することはないだろう。そのため、筆者が取材した街頭演説では「選挙へ行ってください」という主張になったと思われる。
参政党が、さらに票を伸ばすには自民党を超えるような優れた政策を打ち出すか、高市自民党との差別化を図って対決姿勢を強めるしかない。しかし、高市自民党との対決路線を鮮明化させることで、これまで支持してくれた保守票が離れてしまう可能性もある。
神谷代表が、参政党じゃなくてもいいから若者に投票へ行くように呼びかけたことや政治に関心を寄せてもらいたいと訴える演説をしたことは、図らずも高市自民党によって参政党が存立危機に立たされていることを物語ることになった。
参院選時よりも勢いに翳りが見られるとはいえ、参政党の存在感は決して無視できるようなものではない。それだけに、衆院選後に参政党がどういった立ち位置を目指すのか? その振る舞い方に注目が集まる。
