スポーツ
2025年のプロ野球展望

巨人入りの田中将大は200勝達成できるか 平松政次氏「10勝できる」江本孟紀氏「申し訳ないけど3つ勝つのも大変」【2025年のプロ野球界を占う】

江本孟紀氏(左)と平松政次氏が2025年のペナントレースの見所を語りあった

江本孟紀氏(左)と平松政次氏が2025年のペナントレースの見所を語りあった

 巨人の大型補強でストーブリーグが賑わうなか、今年のプロ野球は巨人一強となるのか。あるいは他球団が一矢報いるのか。阪神、南海などでエースとして活躍した江本孟紀氏(77)と“巨人キラー”と呼ばれ、通算200勝を挙げた元大洋の平松政次氏(77)が2025年のペナントレースの見所を語った。【前後編の前編】

巨人は万全の補強で断トツの優勝候補

江本:今オフは楽天を自由契約になった田中将大(36)の巨人への移籍にびっくりさせられたね。

平松:マー君はいまだ偉大な投手だよ。通算200勝まであと3勝だけど、阿部慎之助監督は3つ勝たせるためではなく2ケタ勝ってもらうために獲ったはず。

江本:申し訳ないけど、3つ勝つのも大変だと思う。昨季はわずか1度の登板に終わったし、あの年齢の選手で1回糸が切れてしまうと復調するのは至難の業。他球団もそれをわかっているから、獲得に動かなかったんじゃないかな。阿部の狙いがわからない。今オフにメジャーに行った菅野智之(35)の代わりには到底なれないでしょう。

平松:確かに昨季15勝を挙げた菅野ほどの成績は残せないと思うけど、それでも10勝はいくんじゃないか。それぐらいの力はまだ持っているよ。

江本:阿部はチームで勝たせようとしているんじゃないかと思う。何とか5回まで投げてもらえばいいわけだから。

平松:確かに後ろには、中日から獲得した守護神ライデル・マルティネス(28)も加わったからね。

江本:もう阿部はベンチで鼻歌ですよ。昨季43セーブ、防御率1.09という鉄壁のマルティネスが今季も普通に投げれば、監督が寝ていても勝てる(笑)。8回大勢(25)、9回マルティネスの2人体制で盤石。田中はお遊びでいいんじゃないか。

平松:今季は万全の補強をした巨人が断トツの優勝候補で、他のチームがどれだけ引きずり落ろすかがポイントになる。

江本:「巨人キラー」となりそうなのは誰かな?

平松:中日の高橋宏斗(22)には期待したい。昨季の対巨人戦での登板は2試合だけだけど失点はゼロ。個人成績でも最優秀防御率を獲っているし、その勢いを今年も見せてほしい。DeNAの東克樹(29)も150km超のボールは投げないけど、アグレッシブにどんどんストライクを取っていくタイプ。髙橋と東は巨人戦に合わせて投げてくるだろうし、巨人キラーになる素質が十分にある。

江本:阪神で言えば、昨季ブレークした才木浩人(26)は、今季が勝負どころだろうね。巨人戦には8試合も登板したけど、ピッチングがマンネリ化しているので、違うスタイルを見せる必要がある。

平松:才木はスピードがあるけど、ボールが散ってくる。昨季はそのノーコンが相手に的を絞らせなかったけど、今季はそう簡単にはいかないはず。

後編へ続く

【プロフィール】
平松政次(ひらまつ・まさじ)/野球評論家。1947年、岡山県生まれ。1967年に大洋に入団。通算201勝のうち4分の1以上にあたる51勝を巨人戦であげ、「巨人キラー」として名を馳せた。現在は沢村賞の選考委員を務める

江本孟紀(えもと・たけのり)/野球評論家。1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海に移籍しエースとして活躍。1976年に阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしても活躍。近著に『ミスタードラゴンズの失敗』(扶桑社)

※週刊ポスト2025年1月17・24日号

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン