石破茂一覧/4ページ

【石破茂】に関するニュースを集めたページです。

(安倍首相の)『安』の文字を含めた、新元号の複数案を示したという安倍首相(時事通信フォト)
「これ書いたらクビに…」安倍四選、新元号、石破除名の核心
「これを書いたらクビになる」──国会や首相官邸で日々取材する政治部記者には、見聞きしても絶対に書けない記事がある。首相や官房長官、与党幹部が番記者にふと漏らした本音は、「夜回りメモ」や「オフ懇メモ」として本社のデスクに報告されるが、決して紙面に載ることはない。 しかし、本来そうした話こそが、この国の政治に何が起きているかをありのままに知ることができる生の情報なのだ。 天皇の代替わりを控え、内政では7月の参院選と10月の消費税増税という国民生活を左右する政治日程がある。外交はロシアとの領土交渉など大きな変化を迎えている。 そこで覆面政治部記者座談会を開催し、“核心”に迫ることにした。本誌の呼びかけに、政権に食い込みながらも“冷めた目”で権力を分析するデスククラスのA氏、首相官邸や自民党を長く担当して主流派、反主流派のどちらにも太いパイプがあるベテランB氏、そして夜回り取材の第一線で飛び回る中堅の2人、“安倍肯定派”のC氏、政権に距離を置くD氏という政治部記者4人が匿名を条件に応じた。司会:安倍首相の総裁任期は残り2年半。自民党内にはポスト安倍の有力候補が見当たらず、二階俊博・幹事長は党大会の囲み取材で「安倍四選」説をぶちあげ、二階派の林幹雄・幹事長代理、安倍側近の加藤勝信・総務会長らも同調し始めた。このまま安倍政権が続いていくのか。記者D:二階さんは有力な後援者に真意を問われてこう語っています。「このままだと安倍首相はレームダックになっていくから、林にも“四選ありうるんじゃないか”と言わせたんだ」と。記者A:自分の権力基盤を守るためには、総理の求心力が衰えては困るからね。二階さんは細野豪志の派閥入りで同じ選挙区に候補を抱える岸田文雄・政調会長と対立し、福岡知事選では麻生太郎・副総理と見えざるバトルを展開している。 二階側近の林幹事長代理が四選に言及したのは、白金台の中華料理屋で開かれた安倍総理の同期会(2月18日)の席だった。総理が「次の総裁候補は岸田(文雄)さんだよね」と水を向けたのに対して、林氏が「四選」と釘を刺した。このところ総理が「次は岸田でいい」と語ったというメモが流れているから、二階さんは“そうはさせない”と四選論を煽って牽制している。記者D:麻生さんと二階さんのバトルもガチンコ。福岡知事選では幹事長特別補佐の武田良太氏ら二階派議員が推す現職が優位に立ち、麻生さんが立てた新人候補の旗色が悪い。二階派議員たちは幹事長の威光を背に「現職を応援しても党本部から処分されることはない」と公言していて、麻生さんはすっかり拗ねてしまった。番記者も知事選の情勢を聞けるムードじゃない。老獪な二階さんは、安倍四選と言いながら、首相の任期満了が見えてきたという“権力の空白”に乗じてしっかり勢力を拡大している。記者B:四選論はどこまで本気なのかねえ?記者C:いや、安倍四選の可能性はあると見ています。日経新聞は〈外交からの「総総分離」論〉という政治部次長の署名記事で、総裁任期満了後、総理と総裁を分離して安倍首相が続投する説を報じた。記者B:あれは飛ばし記事だろう。総総分離というのは総理と自民党総裁を分け、安倍さんは2021年の任期切れで総裁は退くが、総理はそのまま続けるというやり方。総裁四選ではないから党則改正は必要なく、力がある限り総理に居座れるという理屈だが、過去、実現したことはない。記者A:ポスト安倍の総裁候補たちにすれば、“総総分離するくらいなら、任期がある四選を認めた方がまだいい”となる。記者D:まさか四選を認めさせるための仕掛けだったりするんですかねぇ。◆元号発表は俺がやる司会:そんな権力闘争の中で、ポスト安倍の最有力候補として菅義偉・官房長官の存在感が強まっている。すでに安倍政権は実質的に菅氏が切り盛りしている。記者A:そこが政権の一番の波乱要因かもしれない。安倍総理は菅さんに嫉妬しているフシがある。記者C:総理首席秘書官の今井(尚哉)さんが菅さんを警戒していることは官邸詰め記者の間ではよく知られているが、安倍首相はそうではないでしょう。記者A:新元号を誰が発表するかでどんでん返しが起きた。時事通信は2月16日付で「新元号、菅官房長官が発表」という見出しで「安倍晋三首相が菅長官による発表を了承した」と報じた。誰もが順当だと思ったが、菅官房長官はその2日後の会見で、わざわざ「まだ決まっていない」と否定、その後、朝日新聞が「安倍首相が自ら発表する可能性もある」(2月25日付)と報じた。わが社の取材でも、決定に待ったをかけたのは安倍総理だったと聞いている。 その間、何があったか。これまで御代がわりの手続きは官房長官が仕切ってきたが、安倍総理は自ら皇太子に異例の「ご説明」を行なった。新元号発表という歴史的セレモニーを自分でやりたい気持ちが強くなっている。記者B:でも、菅官房長官は「新元号はその時の官房長官が発表する」と明言してきた。安倍首相が「オレがやる」といえば従うしかないだろうが、心変わりは納得できないのではないか。安倍首相にはレガシーを残せていないという焦りがあるのかも。記者D:首相の鬱屈は総裁選で争った石破茂・元幹事長にも向けられています。“石破派外し”で開かれた首相公邸での各派の事務総長との会合でも、取材すると過激な発言をしていたことがわかった。 出席者によると、あのとき石破派が呼ばれなかった理由は山崎拓・元自民党幹事長の福島での講演が原因だという。山崎氏は講演で「自民党が(衆参同日選で)大敗すれば、石破氏を担ぎ、第2の『加藤の乱』を仕掛ける」という小沢一郎・自由党共同代表の話を紹介した。安倍首相は会合で参院選の情勢をひどく気にしていて、1人区の情勢分析をしたうえで、「石破が党を出たいというなら出ていけばいいじゃないか」「除名してもいいんだ」と口走ったらしい。これはさすがに記事にならなかったですけれど……。●レポート/武冨薫(ジャーナリスト)※週刊ポスト2019年3月15日号
2019.03.04 07:00
週刊ポスト
平成の印象的政治場面 カリスマ登場で風が吹き、山が動いた
平成の印象的政治場面 カリスマ登場で風が吹き、山が動いた
 平成の政治史を振り返ると、多くの印象的な出来事が思い起こされる。1993(平成5)年、政治改革法案が先送りとなった結果誕生したのが非自民の細川護煕内閣だった。長く続いた自民党の一党支配が終わりを告げた瞬間だったが、1年で3人も首相が交代するなど安定せず、政権は再び自民党の手に渡った。「自民党をぶっ壊す」のフレーズで国民から絶大な支持を得て長期政権となった小泉純一郎政権の後も、1年ごとに首相が入れ替わる異常事態(安倍→福田→麻生)が続いた。2009(平成21)年に民主党による政権交代が成ったものの、政治不信はさらに深刻化し、政権は再び自民党へ戻った。◆「事件&騒動」で振り返る平成1992年6月:PKO協力法案、野党は牛歩戦術で対抗するも可決成立2001年4月:自民党総裁選で小泉純一郎氏が予想を覆して当選2001年9月:アメリカ同時多発テロ。日本でも政府が対応に追われた2002年10月:北朝鮮拉致被害者帰国。多くの国民がこの日を待ちわびた2004年4月:年金未納問題。中川昭一、麻生太郎、石破茂各氏の未納が発覚2008年2月:圧倒的な人気で183万票を獲得し、橋下徹大阪府知事誕生2009年8月:民主党政権誕生。総選挙で308議席を獲得、政権交代が成立2015年7月:学生団体「SEALDs」が国会前でデモ2016年7月:小池百合子東京都知事誕生。選挙戦で緑のジャケットが都内を席巻※週刊ポスト2019年3月1日号
2019.02.20 16:00
週刊ポスト
石破茂・元防衛相、河合奈保子と「電子書籍で再会」に感激した
石破茂・元防衛相、河合奈保子と「電子書籍で再会」に感激した
 1980年にデビューし、多くのファンを魅了した河合奈保子。そんな河合奈保子を特集した『別冊近代映画』が電子書籍として丸ごと復活することになった。永田町のアイドル通として有名な石破茂・元防衛相は、今回の「再会」に感動したという。 * * * この別冊が出た1982年は、私が25歳の頃。彼女は当時19歳だから、「こんな妹がいたらいいんだろうな」と思える存在でした。ビキニの写真を見ると、肉感的なんだけど、不思議と色気を感じさせない。裏表がなく性格がよさそうな、独特の存在感を持つアイドルでしたね。 そして、とにかく歌が上手。彼女の3大名曲といえば、『エスカレーション』(1983年)、『ハーフムーン・セレナーデ』(1986年)、『愛をください』(1982年)ですね。『愛をください』は彼女が選ぶベストテンに入っているんですね。もちろん、どの曲も歌えますよ(笑い)。 29歳で国会議員になりましたが、20代後半のしんどい時に励ましてくれたのが、河合奈保子さんの歌でした。地元・鳥取で挨拶廻りをする車の中で運転しながらよく聴いていましたよ。  還暦を過ぎたわれわれ世代も、この雑誌を見れば、あっという間に20代に戻れるし、昭和に戻れます。古本屋さんで古い雑誌を見て紙の手ざわりを楽しむのは好きですが、古い雑誌を電子書籍のきれいな画像で見るのも趣がありますね。桜田(義孝)五輪担当大臣(1949年生まれ)もスマホを使っているくらいだから、60代の人もスマホやタブレットであの頃の河合奈保子さんに再会できるんじゃないですか?【プロフィール】いしば・しげる/1957年生まれ。1986年に衆院議員に初当選し、以後当選11回を数える。防衛大臣、農水大臣、自民党幹事長を歴任。キャンディーズ、南沙織から河合奈保子、薬師丸ひろ子まで、政界きってのアイドル通として知られる。※週刊ポスト2019年1月1・4日号
2018.12.27 07:00
週刊ポスト
UFOの実在示唆のハーバード教授に日本メディアとして初取材
UFOの実在示唆のハーバード教授に日本メディアとして初取材
 米ハーバード大学といえば、オバマ大統領やビル・ゲイツ氏など錚々たるOBで知られ、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出した世界最高峰の大学。その最新研究は“地球外”のスケールだった。〈異星人の文明から地球に『探査機』が送られていた可能性がある〉──そう指摘する論文が掲載されたのは、『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(ApJL)』11月12日号。同誌は、天文学と天体物理学の分野で最も学術論文に引用されることが多い雑誌である。 UFO(未確認飛行物体)の実在を示唆する大ニュースは『CNN』をはじめ世界中のメディアで大々的に報じられた。京都大学大学院理学研究科宇宙物理学教室助教の佐々木貴教氏がこう話す。「いわゆる“UFO”が実在する可能性に触れた論文が権威ある学術雑誌に掲載されたことに驚きました。国内外の研究者のSNSなどでも話題になっています」◆生命体に操作されている? 論文を執筆したのは、米ハーバード大学天文学部長のエイブラハム・ローブ教授を中心とするチーム。ローブ教授は「星が生まれる起源」などの天文学研究の世界的権威で、世界最大規模の天文学研究施設「ハーバード・スミソニアン天体物理学センター」の所長も務める。 ローブ教授の論文は、2017年10月にハワイ大学が天体望遠鏡で発見した「オウムアムア」なる物体に関するものだった。国立天文台副台長で惑星科学を専門とする渡部潤一氏が指摘する。「オウムアムアは、発見当初は彗星だと思われていましたが、彗星の特徴である『ガス噴射』が見当たりませんでした。また、軌道を分析すると太陽系の外から飛来したということも判明した。実は太陽系の外から来た飛来物を観測できたのはこれが世界初で、天文学者は色めき立ちました。 観測の結果、長さ400メートル、幅40メートルで葉巻のような形状をしていることも分かりました。これは天体としては考えにくい形状であるため、『宇宙人が建造した宇宙船ではないか』との説が飛び交いました」 発見したハワイ大学関係者によって「偵察者」を意味するオウムアムアと名付けられたこの物体。その後も様々な分析されたが、「謎」は解明できないでいた。「最大の謎は、オウムアムアの移動速度が変化していたことです。“オウムアムアには何かしらの加速機構が備わっている”との仮説もあり、現在までにいくつかの説が議論されてはいるものの、どれも決定打とはなっていない。いまだ謎は残されています」(佐々木氏) ローブ教授の研究は、この謎を解くものだった。ハーバード大の研究室にメールで質問を送ったところ、ローブ教授から返信があった。日本のメディアの取材を受けるのは初めてだという。「オウムアムアは凧が風の力で空を飛ぶように、太陽光の力で移動していることが分かりました。これは、日本のJAXAが打ち上げた探査機『イカロス』と同じソーラーセイルという仕組みではないかと考えられます。しかも、まるで生命体に操作されているような軌道を見せた。こんなケースは、私が長年観測してきた中でもオウムアムア以外ありません。オウムアムアは、異星人の文明によって意図的に地球の近辺に送られた探査機の可能性があるのです」 ただし、「オウムアムアから発する電波は確認できなかった。すでに使命を終えた探査機の『残骸』である可能性もある」(同前)という。◆進化論を覆す!? UFOについて、真剣な議論が行なわれたことはこれが初めてではない。2008年に英国防省はUFOに関する機密文書を公開。そこにはUFOに乗った緑色の小さな男に拉致されそうになり、年齢を答えると解放されたと証言する78歳男性の記録が含まれていた。 トランプ大統領と先の米大統領選を争ったヒラリー・クリントン氏は2016年、地方紙の取材にこう答えた。「私はすでに宇宙人は地球を訪れているのではないかと考えています」 日本でも2007年に当時防衛大臣だった石破茂氏がUFOの存在を前提として、「日本の航空自衛隊が未確認飛行物体の領空侵犯にどう対処すればいいか悩んでいる」と発言した。 しかし、学術的な分野でこれほど踏み込んだ研究は存在しなかった。ローブ教授は、地球の生命の起源は地球ではなく、他の天体で発生したという“パンスペルミア説”を科学的に研究しており、UFOの存在を立証することが、それを造る“地球外生命体”の存在に繋がるとしている。この発見は「進化論」を覆す可能性すらあると、ローブ教授は力説する。「地球の生命は約38億年前、海の中で生まれたものが起源だというのが現在の学説です。しかし、私は“生命のタネ”のようなものが宇宙から地球にやってきて、それが進化したと考えている。地球だけに宇宙で唯一の知的文明があると思うのは傲慢で、私たちの住む太陽系の外からやってきたものを調べることが、生命の起源を知る手がかりになると考えます。すでにオウムアムアは観測不能な位置まで離れてしまいましたが、新たな太陽外天体が飛来した時、人類はまた一歩、そのルーツに近づくはずです」 再び「偵察者」が、我々の前に姿を現わす日は来るだろうか。※週刊ポスト2018年12月14日号
2018.12.04 11:00
週刊ポスト
かつて安倍氏は日本酒をふるまったが(写真/EPA=時事)
「安倍の次はまた安倍」 消極的待望論も出る深刻な人材不足
「岸破義信」なる名前がメディアにとりあげられている。安倍晋三首相の最後の任期に合わせて、“自民党のブルペン”で投球練習をはじめた岸田文雄・政調会長、石破茂・元幹事長、菅義偉・官房長官、加藤勝信・総務会長の4人の一文字ずつ取って、産経新聞が次の総理総裁の有力候補と報じた。“大宰相”として後継者を指名する立場にある安倍首相に極めて近いといわれる産経が報じたのだから、この国の政局は大きく動き出す……はずがない。なにしろ総理候補といわれても国民にはリアリティが感じられないからだ。立憲民主党の枝野幸男代表が「私こそポスト安倍だ」と語るほど政界は人材不足だ。 その状況が一番危うい。「究極のポピュリスト政治家」が彗星のように現われ、有権者の支持を集める危険がある。米国でトランプ大統領が誕生した時のように。 国民にとって最悪の政治状況が生まれるのを避けるには、“政治的ハーム・リダクション”の選択もある。 ハーム・リダクションとは公衆衛生用語で、個人が健康被害をもたらす行動習慣をただちに止めることができないとき、健康被害がより少ない行動を取らせるという意味。政治にあてはめれば、“安倍首相が辞めた後に極右政治家が出てくるくらいなら、安倍続投の方がまだ国民の被害は小さい”という判断になる。 安倍首相はタカ派と見られているが、そのナショナリストぶりは底が深くない。社会学者の筒井清忠・帝京大学日本文化学科教授が指摘する。「安倍氏のタカ派発言はスローガンばかりで、実行している政策は現実的なもの。『移民は入れない』と言いながら労働力不足になれば外国人労働者の受け入れを増やし、教育無償化といった社会民主的な政策も打ち出す。憲法改正もどこまで本気で取り組む気があるかはわかりません」 安倍首相が総裁4期目も続投するとなれば、国民が不安視する来年の消費税増税が延期、あるいは凍結、廃止される展開もある。安倍ブレーンの高橋洋一・嘉悦大学教授が語る。「安倍さんは自分で決めたことは自分で発表する性格。ところが、先月の消費税10%への引き上げは菅官房長官が記者会見した。増税は基本路線ではあるが、総理はまだ最終的に上げるかどうか迷っているのではないか。景気に大きなマイナスの影響が出ると判断したら、増税延期を決断する可能性は残っている」 大統領の3選を憲法で禁じている米国と違って、自民党の党則を変えれば安倍首相の総裁4選は可能だ。「安倍の次はまた安倍」──そんな選択肢が思い浮かんでしまうほど、この国の政治の人材不足は深刻だ。※週刊ポスト2018年11月30日号
2018.11.23 16:00
週刊ポスト
安倍首相の後継「岸破義信」が争う間に極右台頭の土壌も
安倍首相の後継「岸破義信」が争う間に極右台頭の土壌も
 安倍晋三首相は露・プーチン大統領との首脳会談で「3年以内に日露平和条約を締結する」と合意した。首相の残り任期中に、北方領土返還を実現させるという宣言にほかならない。「安倍退陣の日」をただ待っているポスト安倍の面々は、すでに18年間も実質的な最高指導者を続けるプーチン氏と握手する総理の自信に満ちた表情に圧倒されたに違いない。「岸破義信」なる名前がメディアにとりあげられている。安倍首相の最後の任期に合わせて、“自民党のブルペン”で投球練習をはじめた岸田文雄・政調会長、石破茂・元幹事長、菅義偉・官房長官、加藤勝信・総務会長の4人の一文字ずつ取って、産経新聞が次の総理総裁の有力候補と報じた。“大宰相”として後継者を指名する立場にある安倍首相に極めて近いといわれる産経が報じたのだから、この国の政局は大きく動き出す……はずがない。 なにしろ総理候補といわれても国民にはリアリティが感じられないからだ。立憲民主党の枝野幸男代表が「私こそポスト安倍だ」と語るほど政界は人材不足だ。 その状況が一番危うい。「究極のポピュリスト政治家」が彗星のように現われ、有権者の支持を集める危険がある。米国でトランプ大統領が誕生した時のように。北海道大学教授で政治学者の吉田徹氏の分析だ。「ポピュリズムの台頭が世界の潮流になっているのは、経済のグローバリズム化の結果、勝ち組、負け組がわかれたものの、既成政党のプロ政治家が解決策を示すことができないことが大きい。 国民が既存エリートに対して不信感を覚えると、不満を吸収するように、移民排斥や民族差別など憎悪感情に訴える素人政治家が登場し、場合によっては政権を取ってしまう。米国だけでなく、欧州もポーランドやハンガリーで政権を獲得し、イタリア、オーストリアでも連立政権入りした」◆極右の「ミスターX」が出現 自民党が大量議席を得ているのは国民にとって「他に選択肢がない」という事情が大きい。「岸破義信」がコップの中の争いを演じている間に、強いメッセージ力を持つ《未知の政治家》が登場すれば、瞬く間に有権者の支持を吸収して台頭してくる可能性は十分ある。 事実、オバマ政権が2期目の折り返しを迎えた2015年初めの時点で「次の大統領がトランプになる」と思っていたアメリカ人はほとんどいなかった。 世界を見ると、選挙に勝つために必ずしも政治基盤は重要ではない。オランダのヘルト・ウィルダース党首率いる自由党は、党員わずか1人。党首がすべての公認候補を指名し、昨年の総選挙では立ち会い演説なし、ポスターも貼らず、メディアを敵に回してツイッターで国民に直接、「イスラム移民排斥」を訴え、なんと第2党に躍進した。 日本でも、たった1回の総選挙で政権に就いた細川護煕首相のケースがある。前回総選挙は小池百合子東京都知事が“この指止まれ”と即席で立ちあげた希望の党が、一時は安倍首相を大いに慌てさせた。社会学者の筒井清忠・帝京大学日本文化学科教授が指摘する。「日本で“敵をつくって攻撃する”というポピュリズム的なところがあったのは、小泉純一郎・元首相や小池都知事、そして橋下徹・元大阪市長らですが、安倍首相が退陣する頃には、彼らよりもその手法を鮮明にする政治家が現われそうな感じがします。 というのも、LGBT論争や沖縄基地問題などでの右派と左派の激しい対立に象徴される、国民分断が進むムードが強まっている。こういう状況でポピュリストが登場すると勢いを持ちやすい」 折しも、国会では外国人の単純労働者を受け入れる入管法改正案が審議中だ。「日本から外国人労働者を追い出せ」──などと極端なナショナリズムを掲げる“ミスター(ミズ)X”が出現する土壌が生じつつあるという指摘だ。※週刊ポスト2018年11月30日号
2018.11.20 07:00
週刊ポスト
冷笑系、DD論者… ネットで「現実主義者」が揶揄される理由
冷笑系、DD論者… ネットで「現実主義者」が揶揄される理由
 ネット上で政治的なテーマを扱う場合、意識しなければならないのが、「保守とリベラルのレッテル貼り」からいかに逃れるか、という問題だ。だが一方でそうした「党派」のレッテルから逃れたとしても、批判対象となり得るという。それはいったい、どういうことなのか。『言ってはいけない』(新潮新書)、『朝日ぎらい』(朝日新書)などの著書がある作家・橘玲氏と、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)などの著書があるネットニュース編集者の中川淳一郎氏が語り合った。(短期集中連載・第5回)中川:昨今のネットでは、「お前はどっち側だ」みたいなことの旗幟を鮮明にしなくてはいけないような雰囲気があります。小泉純一郎氏がその先鞭をつけたのでしょうが、「郵政民営化に賛成か、反対か!」みたいなところから始まり、2014年の東京都知事選でも細川護熙陣営について「原発に反対か、賛成か!」とやった。ここしばらくの沖縄県における選挙の「オール沖縄vsそれ以外」もそうです。小泉氏の時は、反対派に「刺客」を送り、落とそうとし、女性の刺客は「くノ一」なんて呼ばれた。そうした旗幟を鮮明にすることが分かりやすく表れるデモにしても、同じ立場の人々がいっぱいいたら安心するし、ここにいる人たちで社会をどんどん良くするんだという高揚感も出てくる。だからこそ皆で行進しているうちにどんどん過激化し、「朝鮮人をガス室に送り込め!」なんて叫んだりする。橘:在特会(在日特権を許さない市民の会)系のデモですよね。こんなグロテスクは主張が許されないのは当然ですが、郵政民営化や原発問題も含め、その背景にある論理は同じなんじゃないかと思っています。「俺たち」と「奴ら」に集団を分割して、「俺たち」を光と善、「奴ら」に闇と悪のレッテルを貼って、善(正義)が悪を叩くことで世界が救済される。この図式は、右も左も同じですね。中川:そこでちょっと厄介なことが1個あって、今みたいな橘さんの分析は正論だと思うのですが、そういう発言をすると“冷笑系”と言われる傾向があるんです。これが、私もそうですけど、橘さんのように客観的に物事を批評する人を揶揄する言葉になっています。別に笑う要素なんて一切ないから、ただ呆れてるだけなんですけどね。橘:たしかに「冷笑派」と言われることはあります。中川:言われます? あと“DD論”という言葉もあるじゃないですか。橘:DD論って何ですか?中川:どっちもどっち論。対立した意見があるときに「どっちもどっちじゃないか」っていうスタンスでいることを揶揄する際に使われる言葉です。橘:それはまさに私にぴったりですね。こんど使わせてもらいます(笑)。中川:DD論に反発するのは主に反差別活動家の側ですが、「ヘイトスピーチはダメに決まっているじゃないか、どっちもどっちじゃなくて、オレらは正しいんだ。ダメなものを潰すにはこちらも過激になるしかないだろ」ということです。「お前達は我々をレイシストと一緒にするんじゃない、どっちもどっちというお前こそ差別に加担している冷笑主義者である」という流れになる。 DD論を批判する反差別界隈からすれば、中間層による「過激過ぎでは……」「どっちも支持できない」という意見がむかついて仕方ないし、ネトウヨよりも冷笑系がタチが悪いと考えている面もあります。なぜなら自分達は反差別活動という人の道に沿った活動をしているから、それを邪魔する敵であると認識する。そして、「オレ達だって本当はこんなことやりたくない。差別するヤツが存在しなければこんなことやらないで済む」と追記する。いや、差別をしていないオレのことも糾弾してるじゃないか、としか思えないんですけど。すると「お前のその態度がレイシストを利するのだ」なんて言ってくる。まぁ、なんでもかんでも差別やヘイト認定し糾弾するので、全然説得力ないんですけどね。橘:IS(イスラーム国)のいちばん敵は、キリスト教でもユダヤ教でもなく同じイスラームですよね。「ムハンマドやクルアーンはデモクラシーや男女平等を否定していないし、近代的・世俗的な市民社会とイスラームの信仰は共存できる」という寛容で真っ当なイスラームこそが彼らの最大の敵で、「タクフィール(背教者)」のレッテルを貼って「絶滅」しようとする。 キリスト教やユダヤ教はイスラームと同じ神をちがうやり方で信仰しているだけですから、過激なイスラーム原理主義の論理でも、ジズヤ(人頭税)を払えば信仰をつづけることが許されます。それに対してイスラームの「異端」はクルアーンを冒涜しているのだから、どんなことをしても許されることはない。スンニ派とシーア派の対立も同じですが、自分たちとはあまり関係のない異教徒には寛容で、すぐ隣にいる「異端」は皆殺しにして当たり前という理屈になっていきます。「リベラル」の中での対立も同じで、自分が正義の側にいることを証明しようと思ったら、右翼を叩くより曖昧なリベラルを叩いたほうがいい。これがセクト闘争の定番で、それと同じことがネットを舞台として起きているんだと思います。◆「社会の状況にあわせて自分を最適化していく」中川:不思議なのが、ネトウヨの側ではこういう内部分裂が無いということですね。一応一致団結するんですよ、彼らは。橘:たしかに、どっちがより愛国かで喧嘩するというのは聞いたことがないですね。中川:彼らの場合は、愛国もクソもないと思うんですよ。基本的に、韓国と中国が嫌いというだけなんです。そこが原動力なので、「ネット右翼」という言葉自体がそもそも違うと思っていて、ネトウヨというよりも「嫌韓派」とか「韓国フォビア」とか、そういった言葉の方がしっくりくるかなと思っています。彼らは日本の上空のかなり広い部分を支配している米軍が定めた「横田空域」を批判しない。こっちの方がよっぽど日本にとっては主権が脅かされている話だっていうのに……。沖縄の米軍についても、「中国が侵略してくるから必要だ」という理屈から、基地反対派を売国奴扱いする。ちょっとちょっと、お前ら元々「在日特権を許すな!」と主張していたけど、もっとも在日特権持ってるのって米軍でしょうよ。橘:私の理解だと、ネトウヨは右翼ではなく“日本人アイデンティティ主義者”ということになります。彼らは「自分が日本人であるということ以外に誇るもののないひとたち」で、「反日」「売国」を攻撃することでしか自分たちのアイデンティティ(社会的な自己)を確認できない。在日米軍は反日でも売国でもないから、日本の上空を好き勝手に飛行していてもどうでもいいんでしょう。中川:右翼は途中で飽きちゃうんじゃないですか、運動自体に。ネトウヨの場合だと、彼女ができたからやめるみたいな、感じもあるようです。橘:トランプを支持する“白人アイデンティティ主義者”も同じですが、彼らを突き動かすのがロジックではなく心情だからじゃないですか。だからちょっとしたきっかけで、別の世界に移っていったりする。それに対して左の方がもっと原理主義的で、「自分たちだけがロジカルな正義を独占している」と主張する。中川:多分ネトウヨの方が若干後ろめたさを持っているから、早くやめることができると思います。どう考えても「朝鮮人は死ね」みたいな主張が正しいわけがない。だから最近「元ネトウヨでした」とツイッターで表明する人がポツポツと出てきているのかもしれません。左翼の場合はとにかく正義の側としての大義名分があるし、社会を良くしているという認識があるからやめられない、という違いかもしれません。趣味であるかガチであるか、という違いだと思うんですよね。ガチといっても、いつしか趣味=糾弾、みたいになって何にでも難癖付け出す人も出てくるのが困ったところです。橘:「冷笑系」と言われるのは、デモなんかしても社会は変わらないし、正義を振りかざすともっとヒドいことなると考えているからだと思います。私のいちばんの関心は自分が幸福になることで、仮によりよい社会が実現したとしても、その代償として自分が不幸のどん底に突き落とされるならなんの意味もない。こういうことをいうと「エゴイスト」と批判されるわけですが、ナチスは「よりよい社会をつくる代償としてユダヤ人を絶滅すべきだ」と主張しました。 2017年に『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス)という本を出して、専業主婦の方から「自分たちをバカにしている」と叩かれたんですが、たしかに、子どもを産んだ女性が会社を辞めて専業主婦にならざるを得ない実態が日本社会にあることは間違いありません。こうした性差別をなくし、すべての女性が男性と対等にいきいきと働ける社会に変えていかなくてはならない、というのもそのとおりだと思います。でも、そうやって「よりよい社会」の実現を待っていたら何十年もたってしまう。いま20歳の女性に、「50歳や60歳になれば男女平等の理想社会がやってきます」といっても、まったく説得力がないでしょう。だとしたら、いまの日本が女性が差別される残念な社会であることを前提としたうえで、そのなかで自分と家族がいかにして幸福になるかを考えるほかはない。それが私の基本的な発想です。中川:それって社会の状況に合わせて、自分が変わっていく方が良いということですか?橘:ゲームのルールに合わせて攻略法を最適化していく、という感じですね。ネットで、「橘玲ってようするに“ハッカー”でしょ」という評を見かけて「なるほど」と思ったんですが、私がこれまで書いてきたものは、金融市場とか日本の税法とか、自分たちが生きている世界のいろんなバグを見つけて、「それを上手に利用すればかんぜんに合法的にこんな面白いことができるよ」という情報提供です。ハッカーの論理では、プログラムは完璧なテキストに従ってつくるのではなく、バグを見つけて面白がる連中がいるから試行錯誤で修正されていくわけじゃないですか。それと同じで、社会をよりよいものにしていくのはデモではなく、みんながバグを見つけて「悪用」することなのかもしれない。為政者はそれに対応しなければなりませんから、その結果、これまでよりずっと公正で効率的な社会に変わっていくのです。◆安倍首相が辞めたら攻撃対象がなくなって“安倍ロス”が起こる?中川:私も与件主義というか、与えられたもので最適なものは何かを考えます。デモが通用しないということは、これだけ反政権デモをこの5年間やり続けてきても政権はビクともしないことから明らかになっているのではないでしょうか。在特会系のデモにしても、「日韓断交」を何度も訴えているのに、そんなことになる気配すらない。この手法が共感されないということは何回も証明されているのだから、それだったら他の手法を考えようぜと。安倍政権を倒したいんだったら、自民党の中で石破茂氏とか有力な議員を左翼が担ぎあげるくらいのことをやるとか、そっちとかの方がいいんじゃないかとか思っちゃうんですよね。野党のやり方っていうのは、安倍はこんなに極悪だと言い続けて、それが5年以上続いていると思うんですよね。ところが……。橘:やっぱり、発言すること自体が快感になっているんじゃないですか。中川:たとえば小池晃氏、福島瑞穂氏、菅直人氏、福山哲郎氏あたりって、デモに行けばよくいる面々じゃないですか。それって効果ないのに何であの人たちはやり続けるんだろう、とつくづく不思議でなりません。別のことを考えろと思っちゃうんですよね。これまでにやってきたデモって、「共謀罪許すな」「戦争法案許すな」「民主主義を守れ」なんかがありましたが、それが国民全体の大きな共感を得て全体を覆すようなムーブメントになったかというと、疑問が残ります。今こそ「消費増税許すな」デモを仕掛けるチャンスで、これぞ野党が支持を得られるイシューだと思うんですよね。まぁ、どうせやっていく内に「アベは退陣を!」みたいなデモに変化するのは予想がついてしまいますが。橘:安倍さんが辞めたら、“安倍ロス”が来るんじゃないですか。攻撃の対象が消えてしまうから。同じように朝日新聞がなくなれば、叩く対象がなくなって“朝日ロス”がやってくるでしょう。実際、右翼・保守派は民主党(民進党)がなくなって“民主党ロス”に苦しんでますよね。一部の雑誌に見られるような「朝日」への異様なバッシングも、ほかに叩く相手がいなくなってしまったという「喪失感」が背景にあると思います。中川:あり得ますよね。「反アベ」って団結の良い旗印なんでしょう。デモだってその仲間と出会える場所。これを言うと、「お前はデモにも来てないで、闘ってもないくせに安全な外野から冷笑しやがって、オレ達は闘ってるんだ!」と叩かれる。「闘ってる」っていつまで革命ごっこやってるんだよ、って話ですよ。チェ・ゲバラに憧れ過ぎです。橘:世代論はあまり好きじゃないですが、それをやってるのって団塊の世代の全共闘の人たちですよね。私は全共闘の下の世代で、「お前たちは安保闘争も体験しないで、『なんとなくクリスタル』みたいな薄っぺらい商業主義丸出しの本を読んで喜んでいるだけだ」とさんざん言われたから、正直、あの人たちと一緒にされたくないっていうのはすごくありますね。もちろん日本は自由な社会だから、国会前で青春時代を追体験したいならどうぞお好きに、ということです。でも私はやりません。中川:私は橘さんより10歳以上年下ですが、私が通っていた大学には、当時活動家が6人くらいいたと記憶しています。学生数は学部全体では4000人くらいなんですけど、その6人が学校中のビラのそれなりの割合を作っている。しかも、ゲバ文字の建て看をよく作っていた。中身は覚えていないけど、基本的には反政権・反天皇だったと思います。彼らは国旗を掲揚するのを阻止する運動をしたりとか、旗を掲げる屋上に至る階段のところで座り込みをしたりするんですよ。それに対して、そんなのやらないでいいじゃんというのが、当時の我々、全共闘世代の2周り以上下の感覚です。日章旗と天皇を侵略の象徴とはもう捉えていないんですよ。橘:左翼的な人が嫌われるのは、中途半端に頭が良いから、自分の正しさをロジカルに説明しようとしてどんどん過激化していくからですね。大学時代、社会科学系のサークルに所属していたこともあって、革マル派の(元)学生たちがたまにオルグに来たので、つるし上げのグロテスクさというのは経験的に知っています。右翼は心情でつながっているので、「君とは考え方がちがっていてもウマが合うから友だち」みたいな、わりと緩いところがありますよね。それに対して極左は、相手を徹底的にロジックで追い詰めたうえで、「あなたが100%正しく、私が100%間違っていた。これからはすべてあなたに従います」と土下座しない限り許さないみたいな、そういう原理主義の恐ろしさがあります。中川:私はしばき隊(レイシストをしばき隊)のことを5年間ずっとウォッチし続けてきたんですけど、相当な人数が離脱していってますね。コアメンバーはずっと一緒ですが、批判側に転向する人は案外冷静な分析をしていたりする。コアメンバーが数名いて、絶対に裏切らない人たちがいるほか、彼らに尻尾を振る鉄砲玉みたいな連中もいる。でも、この鉄砲玉連中はまったく相手にしてもらえず、少し可哀想です。先日、彼らの別働隊の元メンバーの男性が亡くなったのですが、彼が亡くなった途端、女にだらしなかったと叩き始める人が出てきて、「セクハラは確かにマズいけど、お前さー、元の仲間にそれはないだろ? 生きている内にちゃんと注意しておけよ。死体蹴りしてるんじゃねぇよ」っていう右翼が今度は出てきてしまいます。離脱があまりに多いし、内ゲバが多いなって思っちゃうんですよね。橘:それは革命の論理で、連合赤軍と一緒ですね。結局、人間なんて何千年、何万年と同じことを繰り返しているだけで、いまも難しそうなロジックを振りかざしてはいるものの、原始時代の部族闘争をやってるんだと思います。自由な社会はそういう人たちも許容しなければならないんですが、自分の半径10メートル以内には近寄ってきてほしくない、という感じですね。(続く)◆橘玲(たちばな・あきら):作家。1959年生まれ。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『言ってはいけない 残酷すぎる真実』『(日本人)』『80’s』など著書多数。◆中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):ネットニュース編集者。1973年生まれ。『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘』『縁の切り方 絆と孤独を考える』など著書多数。
2018.10.30 16:00
NEWSポストセブン
山下貴司・法相「裁判官なんて俺たちの言いなり」発言の過去
山下貴司・法相「裁判官なんて俺たちの言いなり」発言の過去
 安倍新内閣の大臣から、早くもスキャンダルが飛び出した。総裁選で敗れた石破茂・元幹事長の派閥から唯一の入閣となった山下貴司・法務相(53)だ。「石破派を“干した”というイメージを薄めるための登用」(政治部記者)とされる山下氏だが、東大法学部在学中に司法試験に合格し、1992年の任官後、法務省刑事局、東京地検特捜部などに勤めた経歴を持つ。 その山下氏が特捜検事時代に、法務大臣としての資質を疑いたくなる言動があったと証言する人物がいる。「防衛フィクサー」と呼ばれた秋山直紀氏。2008年7月、防衛商社・山田洋行事件(※注)の捜査で明るみに出た1億円の脱税容疑で逮捕された秋山氏は、東京拘置所で山下氏の“厳しい取り調べ”を受けた。【※注/山田洋行の元専務らによる不正経理や元防衛事務次官へのゴルフ接待が発覚し、東京地検特捜部が2007年11月、業務上横領容疑などで元専務らを、ゴルフ旅行接待の収賄容疑で元次官を逮捕した】 防衛問題を長く取材してきたジャーナリストの伊藤博敏氏はこういう。「秋山氏から複数回にわたり、取り調べの内容を聞いています。山下氏は、秋山氏が山田洋行から受け取ったカネを『個人の所得』だろうと追及し、秋山氏は『会社取引であり、正当な報酬』だと反論。膠着状態のなか、山下氏は、『裁判は形式的なもの。裁判官なんて俺たちの言いなりだ。いくら君たちが否定してもダメ。結論は一緒だぞ』と発言したというのです」 他にもこの取り調べで山下氏からは、「会社取引というなら息子さんの会社も事件に関係するから、息子さんを検察に呼ばなくてはならない。その上で法人税法違反となると、息子さんも共犯となる。それでいいのか。個人所得と認めて、あんたが責任を取ればいいんだ!」と家族に累が及ぶことへの言及もあったという。 特捜部の“厳しい取り調べ”の弊害が表面化し、取り調べ可視化(録音録画)が導入されるのは、2010年の大阪地検特捜部証拠改ざん事件が起きてからのこと。 改めて秋山氏に取材すると、取り調べでの山下氏の一連の発言を認めた上で、「今更、言うこともないんだが……」としつつも、次のように続けた。「記者会見で“国民の胸に落ちる法務行政を”と、述べていたが、ぜひそれを実現してほしい。私の捜査では、子供の逮捕をチラつかせたり、従業員の自宅にまで強制捜査をかけて揺さぶったりと、とても胸に落ちるものではなかった」 山下事務所は、秋山氏への発言について「ご指摘の個別事件についてのコメントは差し控えさせて頂きます」とするのみ。果たして“法の番人”に相応しいのか。※週刊ポスト2018年10月26日号
2018.10.17 07:00
週刊ポスト
安倍首相3選、「これからの3年」で私たちの生活は大きく変わる
安倍首相3選、「これからの3年」で私たちの生活は大きく変わる
 9月20日に投開票された自民党総裁選で、安倍晋三首相(63才)が石破茂元幹事長(61才)との一騎打ちを制して3選を果たした。来年11月20日には、首相在籍日数で、歴代1位の2886日の桂太郎(1848~1913年)を抜き、日本の憲政史上で最長の政権が誕生することになる。 任期満了は2021年9月30日。安倍首相とともに歩む「これからの3年」で日本社会は重大な局面を迎えることになる。最大の要因は世界最速のスピードで進む少子高齢化だ。 東京五輪が開かれる2020年には団塊の世代が70代に突入。介護や年金がさらなる重しになり、五輪後は景気後退や、空き家の増加が懸念される。 教育分野では1980年代に大量採用された教職員が大量退職し、「ゆとり世代」の教員が中心となる。また、大学入試センター試験が廃止され、新テストが導入される。「これから3年間で私たちの生活は大きく変わります」と指摘するのは、政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんだ。「来年の改元から東京五輪まではお祭りムードが続くでしょうが、“祭りの後”は大変な時代になります。少子高齢化が続いて税収が激減し、2040年くらいには500近い自治体が立ちゆかなくなると予測されます。年金、介護などの社会保障や働き方、生きるための価値観まで、今までとはガラリと変わる世の中になります」 安倍首相の手腕に過剰な期待は禁物だ。たとえばこの夏は誰もが猛暑の脅威に見舞われたが、安倍首相は地球温暖化防止の「パリ協定」に本気で取り組まない。核兵器廃絶や沖縄の基地問題への取り組みも決して熱心ではない。 一方で、国民にはさらなる負担を押しつけるようだ。「本来はポスト2020年の厳しい環境に対応する必要があるのに、安倍首相が唱えるのは安易に“高度成長よ、もう一度”というもの。果たして現実を見据えているのか甚だ疑問です。 しかも現政権は今年6月のサッカーW杯の日本戦の日に働き方改革関連法案を強行採決するなど、国家的なイベントの陰でさまざまな手を打ってきた。今後もお祭りムードに紛れて、国民負担を増す法案が次々と成立する恐れがあります」(鈴木さん) 2019年10月に予定されている消費税率10%への増税だけでなく、年金カット、介護サービスや医療費の負担増は避けて通れない見通しだ。今以上に国民の生活が苦しくなることは、覚悟しておかなければならないだろう。※女性セブン2018年10月4日号
2018.09.23 16:00
マネーポストWEB
【日本株週間見通し】日経平均、年初来高値を意識する展開
【日本株週間見通し】日経平均、年初来高値を意識する展開
 投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月18日~9月21日の動きを振り返りつつ、9月25日~9月28日の相場見通しを解説する。 * * * 先週の日経平均は上昇した。週間ベースとしては2週連続の上げとなり24000円に迫る動きをみせた。5営業日ぶり反落のNYダウを受けて、3連休明け18日の日経平均は軟調な寄り付き。しかし、上海総合指数が反発して目先の悪材料出尽くし感が台頭すると、買い戻し優勢となり日経平均は上げ幅を広げる展開となった。19日はトランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル相当への追加関税を24日に発動すると発表したが、経済への悪影響は限定的との見方が広がり円安も手伝い日経平均は一時421円超の上げをみた。 中国の李克強首相が「輸出競争力を向上させるために人民元切り下げを行わない」と発言し、貿易摩擦への懸念が後退した20日の日経平均も小幅ながら前日比プラスを維持した。ただ、自民党総裁選は大方の予想通り、安倍晋三首相の3選が決まったものの、石破茂元幹事長による得票率の伸びが一時伝えられると、日経平均は一時マイナスに転じるなど乱高下する場面もあった。 一方、9月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数が予想を上振れるなど米経済の堅調さが示されるなか、対中貿易摩擦による経済への影響が限定的との見方から20日のNYダウは3日続伸となり、S&P500とともに史上最高値を約8カ月ぶりに更新した。米長期金利の上昇とともに円相場は1ドル112円台半ばへの円安もあり21日の日経平均は朝方から買いが先行して6日続伸となった。また、東証1部出来高は5月31日以来の20億株台に膨らみ、地合いが意識される展開となった。 今週の日経平均は、スピード調整を交える中で、1月23日の年初来高値24129.34円を意識する展開となりそうだ。週間ザラバベースで約876円の上昇幅をみた後だけに調整も予想されるが、自民党総裁選での安倍総裁の3選で経済対策面での期待感が高まり地合いは好転している。 こうしたなか、24日の日米貿易協議(FFR)、26日の日米首脳会談、27日のFOMCというビッグイベントが相場展開のカギを握る。模様眺めムードも強まりやすいが、日米貿易問題では、トランプ大統領の強気姿勢が懸念されるなか、日本側がどのような落とし所を探るかが焦点だ。 一方、FOMCでは、9月27日午前3時(日本時間)の政策金利発表・FOMC声明発表で、政策金利であるFF金利誘導目標を引き上げ2.00%-2.25%に設定することは、ほぼ確実視されている。むしろ、声明のなかで「金融政策は緩和的」との文言が、「中立」修正される可能性と12月利上げの意向を示唆する可能性に関心が向く。短期的には円安に進む期待があり、相場の支援材料に働く可能性が残されている。 日経平均のテクニカル面では、25日移動平均線など主要移動平均線は上昇をキープし、相場の基調は上向き。上昇してくる5日線移動平均がサポートとなり、割り込まなければ年初来高値が意識されてくる。物色的には先物市場でTOPIX型に海外勢の買い越しが目立ち始めているとされ、NT修正に伴うTOPIX型優位のなか、相対的に出遅れている銘柄への買い戻しも活発化しそうだ。なお、TOPIXは21日に6月13日以来の1800ポイントを回復し、5月21日の戻り高値1819.74ポイントを視界にとらえている。 今週の主な国内経済関連スケジュールは、25日に7月30日・31日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、8月企業向けサービス価格指数、26日に清田瞭JPX最高経営責任者会見、27日に黒田日銀総裁講演(全国証券大会)、28日に9月18日・19日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、8月失業率・有効求人倍率、8月鉱工業生産速報、8月商業動態統計、8月百貨店とスーパー販売額がそれぞれ発表、計画されている。 一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、24日に米8月シカゴ連銀全米活動指数、FOMC(26日まで)、米7月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米7月FHFA住宅価格指数、米9月CB消費者信頼感指数、26日にパウエルFRB議長会見(経済見通し発表)、米8月新築住宅販売件数、27日に米4-6月期GDP確定値、米8月耐久財受注、28日に米8月個人所得・個人支出、米9月シカゴ購買部協会景気指数が予定されている。 このほかのイベントとしては、24日の東京市場は振替休日、中国市場は中秋節で休場、日米貿易協議、25日は安倍首相が国連総会の一般討論演説に出席、米セールスフォース主催の開発者会議「ドリームフォース」が開催(28日まで)、気象庁3カ月予報、26日は日米首脳会談、27日は国連安全保障理事会でポンペオ米国務長官が議長となり北朝鮮の核問題を議論、30日は沖縄県知事選・宜野湾市長選投開票がある。
2018.09.23 08:00
マネーポストWEB
世界的に斜陽のカジノを作る安倍政権に「日本を滅ぼす気?」
世界的に斜陽のカジノを作る安倍政権に「日本を滅ぼす気?」
 9月20日投開票の自民党総裁選で、安倍晋三首相(64才)が石破茂元幹事長(61才)との一騎打ちを制して3選を果たした。来年11月20日には、首相在籍日数で歴代1位2886日の桂太郎(1848~1913年)を抜き、日本の憲政史上で最長の政権が誕生することになる。 今後の安倍政権において注目されるのが、カジノだ。7月20日にカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が成立し、日本初のカジノ誕生が確実になった。施設数は当面、国内3か所とされる。候補地は、北海道、東京、大阪、和歌山、宮崎、沖縄などで、2022年に立地が決まり、2025年前後にオープンする予定だ。 ギャンブル依存症対策として、日本人客の入場回数は週3日、月10日までに限り、1日あたり6000円の入場料を取る。華やかなイメージのカジノだが、経済ジャーナリストの荻原博子さんは心配顔だ。「日本は他国よりギャンブル依存症患者が多いというデータもあり、入場回数の制限や入場料が依存症対策になるとは思えません。安倍首相はトランプ大統領のお友達のカジノ王を儲けさせたいだけ。世界的に斜陽産業でガンガン潰れているカジノを作るなんて、安倍首相は日本を滅ぼすつもりでしょうか」 そして2年後に迫った東京五輪。メイン会場の東京・国立競技場の建設が進み巨大な姿を現しつつあるが、「嫌気」を感じる人も増えているようだ。「安倍さんは首相としての最後を飾る打ち上げ花火がしたいのでしょうが、国民のなかには五輪を支持していない人や関心のない人も多い。サマータイムや半強制的なボランティアなど、上からの号令ひとつで五輪に巻き込まれるのは、迷惑きわまりないです」(ジャーナリストの森田浩之さん) 選手や関係者の料理人を束ねる総料理長に安倍首相が贔屓にする三國清三氏の就任が囁かれるなど、本番を控えた「オトモダチ人事」もそろそろ浮かんでくる。一方で祭りの後の燃え尽き症候群を心配する声も。「五輪後は需要が一気に冷え込んで地価が暴落し、大規模金融緩和のツケも回って大不況になる“五輪の崖”がやって来るとされます。庶民は五輪に浮かれず、今のうちに崖っぷちから落ちないよう備えるべきです」(荻原さん)※女性セブン2018年10月4日号
2018.09.23 07:00
女性セブン
石破支持の議員はなぜ負け戦に身を投じたのか、本音を直撃
石破支持の議員はなぜ負け戦に身を投じたのか、本音を直撃
 安倍晋三・首相が3選を果たした自民党総裁選挙で齋藤健・農水相は「石破さんを応援するんだったら辞表を書いてからやれと言われた」と “ある安倍支持派議員”から恫喝を受けたことを暴露した。 今回の総裁選では大臣から市議会議員に至るまで、安倍陣営からの激しい締め付けがあったとされる。 そんな中、「ドン・キホーテ」になることを承知で強大な総理大臣に挑むことを表明していた国会議員は、石破派の20人を含めて約50人いた。 齋藤農水相、田村憲久・元厚労相ら石破派の20人は当然としても、他派閥や無派閥の議員には「現職総理に睨まれる」リスクを取る理由は見当たらない。にもかかわらず、竹下派の竹下亘・総務会長、尾辻秀久・元厚労相、谷垣グループの中谷元・元防衛相、無派閥の村上誠一郎・元規制改革相、渡海紀三朗・元文科相など大臣経験者、そして将来ある若手議員たちが石破氏支持を旗幟鮮明にした。 総裁選投票3日前の9月17日には、橋本龍太郎・元首相の次男、橋本岳代議士(当選4回)がブログにこう綴った。〈「自民党は今一度初心に立ち戻り、政治・行政に関する国民からの信頼回復を目指すべき」という意志の表現として、「ただ国民のみを畏れる」石破茂候補への投票を選択することといたしました〉 彼らはなぜ、負け戦に身を投じたのか。本音を聞いた。当選1回の石破派参院議員・中西哲氏が語る。「石破派は最初から勝ち馬に乗ることは考えていなかった。安倍内閣の支持は40%台で過半数を割っている。国民の批判も強い。とくに来年は統一地方選と参院選が控えている。 先日、私の地元の高知で石破演説会をしたとき、地元の建設業者が『中央の建設業界の幹部は官邸に呼ばれて“安倍を頼む”と直接頼まれているが、われわれには関係ないわ』と言っていました。地方に不満があるからこそ、総裁選で政策を戦わせることで自民党内には安倍総理と違う路線の勢力もあることを示し、党全体の支持を高めなければならないと考えたんです」 派閥の庇護がない無派閥議員はさらにリスクが高い。小泉進次郎氏ら当選同期の4人でつくる「四志の会」のメンバー、橘慶一郎・自民党副幹事長(当選4回)は無派閥ながら石破氏の推薦人に名を連ねた。「石破さんを支持したのは友人で石破派の赤沢亮正・代議士に頼まれたから。もちろん、石破さんが掲げている地方創生に共感している。みんなから理由になってないといわれたが、それがすべてです」(橘氏)◆勝つために出たわけではない 総裁選後に人事で冷遇されかねない不安はなかったのか。「もともと厚遇されていたわけではない。石破さんを推した人たちに、人事を期待している人なんていないでしょう。今回の総裁選は勝つために出たわけではなく、目指すのはある程度の地方票を獲得し、惨敗にならないことです」(橘氏) 政治ジャーナリスト・野上忠興氏は、“持たぬ者”になる強みをこう指摘する。「安倍一強と言われる中で自民党内には総裁選で公然と反旗を翻した数十人の反安倍勢力が生まれた。安倍首相は恫喝も通用せず、ポストというエサでも釣られない彼らの存在を脅威に感じているはずです。反安倍勢力は来年の統一地方選や参院選で自民党が議席を大きく減らせば、安倍政権は次第に死に体化していくと読んでおり、その時が本当の勝負の時だと考えている。安倍首相はそれが気が気でないから党内粛清に乗り出さざるを得ない」 歴史的に状況が似ているのは幕末の安政の大獄だ。大老・井伊直弼が反対派を弾圧し、次々に粛清しても徳川幕府の崩壊は止まらなかった。 これから嫌でも政権末期に向かう安倍首相も、反対派を干し上げるだけで求心力低下を食い止めるのは難しい。国民の政権への失望を招く可能性もある。 これから繰り広げられる無情の粛清は、自民党の「幕末動乱」の始まりを告げている。※週刊ポスト2018年10月5日号
2018.09.22 16:00
週刊ポスト
安倍3選、米への従属に邁進し有事に攻撃されるリスク懸念
安倍3選、米への従属に邁進し有事に攻撃されるリスク懸念
 9月20日投開票の自民党総裁選で、安倍晋三首相(64才)が石破茂元幹事長(61才)との一騎打ちを制して3選を果たした。2019年11月20日には、首相在籍日数で歴代1位2886日の桂太郎(1848~1913年)を抜き、日本の憲政史上で最長の政権が誕生することになる。任期満了は2021年9月30日。安倍首相とともに歩む「これからの3年」で日本社会は重大な局面を迎えることになる。 安倍政権において注目されるのが「憲法改正」のゆくえだ。ジャーナリストの青木理さんはこう話す。「安倍首相にとって憲法改正は、祖父の岸信介元首相が実現できなかった悲願です。歴史に名を残すためにも3選後は野党の反対を押し切り、憲法改正を進めるはずです」 安倍首相は従来の強硬論から「憲法9条の1項、2項を保持して、3項に自衛隊を明記する」との国民受けしやすい主張に転じた。最速で来年3月までに憲法改正の発議にこぎつければ、7月に衆参同日選と国民投票のトリプル選挙の可能性が出てくる。「来年は春に統一地方選、天皇陛下の退位と改元、夏に参議院選挙と2020年の東京五輪までビッグイベントが続きます。その間隙をぬって、安倍首相が憲法改正のための重要な一手を打つ可能性は否めません」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫さん) 安全保障面では対米従属が続きそうだ。「安倍首相はアメリカから高額の武器や兵器を買ってトランプ大統領のご機嫌取りをします。今後もアメリカから独立するより、積極的に従属する道をひたすら歩むはず。仮に朝鮮半島で有事が起きれば、アメリカと一体化した日本は敵の攻撃にさらされる可能性が高い」(青木さん)※女性セブン2018年10月4日号
2018.09.22 07:00
女性セブン
安倍3選 記者クラブの「官製スクープ」は鵜呑みにするな!
安倍3選 記者クラブの「官製スクープ」は鵜呑みにするな!
 9月20日に投開票される自民党総裁選で、安倍晋三首相(63才)が石破茂元幹事長(61才)との一騎打ちを制して3選することが確実視されている。その結果、来年11月20日には、首相在籍日数で歴代1位・2886日の桂太郎(1848~1913年)を抜き、日本の憲政史上で最長の政権が誕生することになる。 良くも悪くも最長政権となる安倍政権が最も得意とする手腕の1つが、記者クラブ加盟社への“コミュニケーション戦略”だ。 記者クラブとは、新聞、テレビなど大手メディアが加入する任意団体で、首相や大臣、国会議員などはクラブを通じて情報をやり取りする。「第1次政権を投げ出してメディアから散々叩かれたトラウマから、第2次政権で安倍首相は記者クラブに対する『コミュニケーション戦略』を徹底するようになった。その手法はトップを押さえること。たとえば報道各社の社長や役員と会食やゴルフをすれば、現場の記者は“トップと親しい安倍さんの悪口は書けない”と忖度し萎縮する。また親しい記者に情報をリークして世論を誘導するのもお手の物です」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫さん) 3選でメディアの忖度がさらに強まる、と指摘するのはジャーナリストの青木理さんだ。「本来は権力を厳しくチェックするのがメディアの役割ですが、今の一部のメディアは完全なる『安倍応援団』です。たとえば森友学園問題で官僚が国会に提出する文書を改竄したのは前代未聞の犯罪ですが、“御用メディア”は追及しない。メディアの批判がないと政策の問題点が伝わらず、国民の生活に悪影響が及びます」 私たちは日々のニュースとどう接すればいいのか。「記者クラブ発の“官製スクープ”をうのみにせず、記者クラブに加盟していない雑誌や海外メディアの報道もチェックする。1つの情報のみに頼らず、複数のメディアを見る習慣をつけることも効果的です」(鈴木さん) 3選後は波乱含みでもある。「党の規則で3期目は最後の任期なので、“もう次はないから安倍首相に従わなくてもいいや”との空気が永田町やメディアに生まれる可能性があります。これまでのような求心力はなくなるかもしれません」(鈴木さん)※女性セブン2018年10月4日号
2018.09.20 07:00
女性セブン
石破茂氏が掲げる「正直、公正」は人間として当たり前のこと
石破茂氏が掲げる「正直、公正」は人間として当たり前のこと
 様々な政治の荒波を超えてきた元参議院議員(自民党)の村上正邦氏(86)、元参議院議員(民主党など)の平野貞夫氏(82)、元参議院議員(共産党)の筆坂秀世氏(70)からなる合計238歳の「老人党」。彼らの座談会をきけば、ちっとも盛り上がらない自民党総裁選も面白く見えてくるかもしれない。座談会から、安倍晋三首相の圧勝をどこまで抑えられるのかという話題にしかならない、対抗馬の石破茂・元幹事長についての議論をお届けする。村上:石破については面白い話があってね。麻生(太郎)内閣で農水大臣をやったでしょ。そのころに、要求を通すため、辞表を持って総理のもとへ直談判に行った。ところが、辞表を見せるだけで出さない。麻生が「それを預かるよ」と言ったら、「いやいや、結構です」って引っ込めたっていうんだ。それを見ていた人間から聞いたんだから。そういう情けない政治家ですよ。平野:石破さんは、一緒に新進党を結党したときの仲間でもある。総裁選特設サイトの自分のプロフィールに、その離党経験が書いてないとネットで炎上しているらしいけどね(笑い)。私は彼の愚痴聞き係で、偉大な親父に対するコンプレックスをどう克服するかという悩みを抱えていた。真面目な男で、勉強もよくしていましたよ。筆坂:真面目だとは思うよ。平野:でも、それは政治権力の闘争では、なかなか活かされないからね。石破さんと岸田(文雄)さんには共通点があるんですよ。二人とも元銀行員。銀行員批判するわけじゃないけど、日本的な護送船団時代に、彼らは銀行に入った。しかも親の意向でね。それが政治家としての勝負勘の弱さに繋がってるのかもしれません。村上:「正直」と「公正」じゃあね。これ、人間として当たり前のことだから(笑い)。そんなキャッチフレーズで戦えるわけがない。その当たり前のことを超えたところに、総理総裁の価値があるんだ。筆坂:それはそうだ。ところが石破さんが正直、公正って言ったら、吉田博美参院幹事長が「安倍さんへの個人攻撃だ」って言うんだ。平野:吉田さんは安倍さんが正直で公正ではないと認めているわけ?筆坂:そういうことになるよね。小学生レベルのケンカだよ。私は野田聖子さんを評価していたけど、彼女の今回の行動はダメ。推薦人が集まらなくて諦めたのは仕方ないが、それで安倍支持ってどういうことよ。安倍さんに反対して出ようとしたんじゃないのか。 それと、萩生田光一幹事長代行が、安倍応援の派閥の長に安倍支持の議員の名簿を出せと迫り、みんな嫌な顔したという話が産経新聞に出ていた。いくら党内選挙だって、選挙には告知日があって投票日もある。その前から安倍に入れると宣言しろって、そんなバカな話があるか。選挙というものを知らない、民主主義の手続きを知らないんだよ。平野:この世の世界でやることじゃないね。村上:あれは二階(俊博)が萩生田に指示したらしいね。筆坂:なるほど。村上:それで萩生田は二階の後継者として認められつつある。平野:この世の世界とは思えない……。※週刊ポスト2018年9月21・28日号
2018.09.14 16:00
週刊ポスト

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