石破茂一覧/5ページ

【石破茂】に関するニュースを集めたページです。

安倍晋三vs石破茂、結局は森vs青木 だからつまらん
安倍晋三vs石破茂、結局は森vs青木 だからつまらん
 角福戦争から小泉旋風まで、劇的なドラマが繰り返されてきた自民党総裁選。9月20日に投開票が予定されており、安倍晋三氏と石破茂氏の一騎打ちとなるがOBたちの血も騒ぐ──かと思いきや、テンションは低い。「なぜこんなにつまらんのか」とあきれ顔なのだ。合計238歳の「老人党」幹部の3名、元参議院議員(自民党)の村上正邦氏(86)、元参議院議員(民主党など)の平野貞夫氏(82)、元参議院議員(共産党)の筆坂秀世氏(70)らが、なぜ総裁選がつまらないのかについて語り合った。村上:前はもっと今の政治に怒りがあったんだけど、最近は総裁選と聞いても、カリカリすら来ないんだよ。興味を失った。自民党員のなかでは安倍支持が80%というけど、そんな高い数字が示すような熱気なんて国民の間にまるで感じないよ。筆坂:ホントそう。国民の関心はほとんどゼロ。村上:自民党総裁選というのは、次の日本を背負っていく人を選択する選挙なんだよ。どうしてこうなった。筆坂:総裁選は自民党にとって活力の源でしたよ。派閥が健在だった時代は、派閥の力を試す場だった。派閥の領袖こそが本来は総裁選を戦う候補のはず。 だけど、今の自民党の派閥トップで総裁狙っているの何人いる? 細田(博之)さんなんてまるっきり狙っていない。あれは今でも実質、森(喜朗)派ですよ。細田派のある議員から聞いたけどね、今でも森さんは派閥の会合にときどき顔を出すんだけど、そのときが一番空気がピーンと張り詰めるんだって。ふだんは緩んでるのに。平野:いまだに“森一強”なんですよね。筆坂:“東京2020一強”なんだよ。村上:そうそう。平野:そもそも森政権を作ったのは誰だって話になるからやめましょう(笑い)。村上:オレかっ!筆坂:いやいや、そういうことじゃなくて。二階(俊博)さんだって派閥のトップだけど、総理を目指していない。幹事長を握っていればそれでいいわけで。村上:石原(伸晃)派だって、相変わらず山崎(拓)派だよ。竹下派が復活したけれども、あれも青木(幹雄)派だ。筆坂:そう、青木派。安倍vs石破だって結局は森vs青木でしょう。 私は自民党の責任は重大だと思っているの。政権争いする野党がいないんだから、疑似政権争いを自民党の中でやるしかないのに、それを放棄したら政治に活力なんか生まれない。平野:今回の総裁選は面白くなりそうだったんです。岸田(文雄)さんは憲法九条を守ると言っていたから、自民党内で議論が起きるかと期待していたんですが、結局、安倍さんに折伏された。宏池会はこれでお終い。村上:岸田は禅譲を狙ったんだよ。筆坂:禅譲なんかないよ。権力の座というのは闘って奪い取るものなんだよ。村上:その通り。今まで禅譲なんて一度もなかった。平野:岸信介さんは日米安保改定に協力する見返りに、大野伴睦、河野一郎、佐藤栄作に順に政権委譲すると約束した。確認文書に児玉誉士夫が裏書きしてね。筆坂:あった、あった。だけど、そんなのどっかいって後継は池田勇人さんになった。佐藤栄作さんも福田赳夫さんに禅譲しようとしたけれど、角福対決で角さんが勝ったわけじゃない。平野:禅譲なんて幻ですよ。※週刊ポスト2018年9月21・28日号
2018.09.14 07:00
週刊ポスト
石破茂氏の妻、「夫は真剣になりすぎると怖い顔に」が改善点
石破茂氏の妻、「夫は真剣になりすぎると怖い顔に」が改善点
「次の総理」を巡って安倍首相に挑戦する石破茂氏(61才)は、永田町で知る人ぞ知る「愛妻家」だ。大学での出会いと一目惚れ、銀行員から政治家への転身、料理好きでアイドルオタクという素顔、そして、ファーストレディーという重責。妻・佳子さん(62才)が初めて語った。 1986年の衆院選に石破氏は初出馬。東京出身の佳子さんは、夫の地元・鳥取で慣れない選挙活動に奮闘した。「お正月の作法ひとつとっても、東京と鳥取では全然違います。方言も、相手のかたにお酒が入るとまったく理解できなくて。冗談を言われても、私はポカンと(笑い)。選挙区の隅々を回り、『石破の妻でございます』と挨拶しました。体力的に厳しくホームシックになりましたが、周りの支えで頑張れました」 石破氏は初当選を果たす。以降、夫婦は二人三脚で政界の階段を一歩ずつ上り、首相候補にまでなった。安全保障に詳しく、憲法改正や集団的自衛権に積極的なことから「タカ派」と目される石破氏だが、家庭内では“ハト派”だ。「夫は“外弁慶”なんでしょうね。外では厳しく言うこともありますが、家庭ではとにかく穏やかな人です。毎日、仕事帰りには“これから帰るよ”と電話をくれますし、休日はスーパーまで運転してくれ、私の誕生日にもプレゼントは欠かしません」 そう言って笑顔を見せる佳子さんの胸元には、夫から贈られたネックレスが光る。「私は『茂さん』と呼び、夫は普段は私の名前を呼ぶことは少ないですが、何か頼みごとがあるときだけ『よっちゃん』と呼びます(笑い)。あまり会う時間がない分、何かあれば『いつもありがとう』と声もかけてくれます」 政界で、石破氏といえば「カレー」だ。自民党のイベントでは屋台を出して、自らが調理したこだわりのオリジナルカレーを振る舞う。「小泉内閣で防衛庁長官になった40代の頃、東京での夫の単身赴任生活が長く、料理を始めたんです。最初に恐る恐る作ったのは目玉焼き2つ。そのうち、『たけのこご飯が食べたい』と電話があったのでレシピを教えたら、『ご飯はどうやって炊くの?』って(笑い)。何とか作ってみたものの、硬くて失敗。そしたらなんと、その日にもう一度作り直したんです」 そう言って佳子さんは、こうつぶやいた。「いくら“凝り性”でも、そこがすごくないですか?」 後日、佳子さんは冷凍されていたその日のたけのこご飯を振る舞ってもらったという。 “再挑戦”を好む石破氏が挑む今回の総裁選は、熾烈な戦いだ。特に安倍陣営の追い込みは厳しく、一部週刊誌では、選挙後に《石破氏やその仲間の議員たちは永田町から追放される》などと報じられた。 佳子さんは肩をすくめる。「どこに追放されるのでしょう(苦笑)。報道には驚きますが、まさかそんなことにはならないと信じたいです」 厳しい戦いにも、夫婦の決意は固い。「安倍さんの他に誰も出馬しなかったら議論や討論がなくなってしまいます。これからこの国をどうしたいのか、支持者のみなさんに示せません。それはよくないということで、夫が立候補させて頂きました。夫が森友・加計問題で『国民の声を聞く必要がある』と訴えたのも、安倍さんの批判ではなく、地元の支持者のかたが説明を求めていたからです。総裁選でも正々堂々と議論を尽くしてほしいと思います」 石破氏が総理になるには何が足りないと思うか、聞いた。「夫は真剣になりすぎると、怖い顔になってしまいます。首相が暗い顔だと、日本も暗い国と思われるので、みなさんに元気を与えるためにも、もっと笑顔が増えてもいいかなと思います」 下馬評では劣勢だが、大逆転は不可能ではない。石破氏が勝てば佳子さんは「ファーストレディー」になる。現在の首相夫人・安倍昭恵さん(56才)は、さまざまな物議を醸している。彼女はファーストレディーというものを、どう捉えているのだろうか。「安倍夫人は、とにかくタフで行動力があり、疲れ知らずのスーパーレディーですよね。本当にすごいと思います。 一般論でいえば“政治家の家内”は、何か行動すればその分だけ責任やリスクを伴うものです。ファーストレディーとなれば、さらに責任の重いお役目だと思います。 政治家の妻の私人か公人かの線引きはとても難しい。夫が首相になるようなことがあれば、その時は夫にも私にもご指導をお願いいたします」 茂さんとよっちゃんの渾身の戦いが始まる。※女性セブン2018年9月20日号
2018.09.12 07:00
女性セブン
平野貞夫氏が安倍首相を「内乱予備罪」で告発した理由
平野貞夫氏が安倍首相を「内乱予備罪」で告発した理由
 自民党総裁選が始まった。安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなっているが、安倍圧勝をどこまで抑えられるかという話題ばかりだ。元参議院議員(自民党)の村上正邦氏(86)、元参議院議員(民主党など)の平野貞夫氏(82)、元参議院議員(共産党)の筆坂秀世氏(70)の3人が集結。いまの政治は議論が少なすぎると嘆いた。そして、平野氏から、議論を活発にするために、安倍首相を内乱予備罪で告発するという宣言が飛び出た。筆坂:憲法の問題だって難しいんですよ。安倍(晋三)さんは九条を残し、第三項を加えて自衛隊を明記すると言う。だけど、九条と自衛隊なんて、どう考えても整合性取れないよ。「戦力は保持しない」と言いながら、自衛隊を持つっておかしいでしょ。だから、日本は独立国家で主権国家だから、防衛力、自衛力を持つのは当たり前だと、堂々と国民に問いかけるべきだと思う。平野:公明党を説得するための妥協案になっている。その一方で、これから始まる沖縄知事選で公明党はフル回転していて、知事選で自公が勝てば安倍さんは憲法改正をやめるという裏約束があるといわれている。憲法改正を阻止できると、創価学会が頑張っている。ねじれてますよ。村上:憲法改正さえ政権存続のための材料に使うのか。平野:あまり報じられていませんが、7月31日に大島理森衆議院議長が異例の所感を出しているんですよね。簡単に言うと、これまで安倍政権の不祥事が数々あって、それが日本の民主主義の根幹を揺さぶったと。政府は原因を追及して改善策を考えろと、相当強く言っている所感を出した。筆坂:財務省の文書改ざんとか、あり得ないことですよね。村上:あり得ないねえ。平野:中央省庁の8割が障害者の雇用を水増ししていたことも発覚している。筆坂:これは許しがたいことですよ。これほど酷い障害者差別はないですよ。平野:だからね、実は私は、安倍さんを内乱予備罪で告発するんです。この7日に検察に告発状を出します。(※9月7日、弁護士の山口紀洋氏、元公明党副委員長の二見伸明氏とともに検察庁へ告発、記者説明会も開いた) 内乱罪は「憲法が定める統治秩序」を乱す目的で「暴動を起こす」ことに適用され、総理大臣でも対象になる。「暴動」には物理的な暴動だけではなく、脅迫や極端な不正行為、あるいは誘導も含まれるからね。 安倍政権の5年半を振り返ると、彼は自分の思い通りの国を作るために憲法を改正する前に解釈改憲をやり、様々な憲法の基本原則を踏みにじってきたから、それを具体的に拾い上げて告発するんです。筆坂:物騒な話だね。村上:議論をするために告発するならいいことじゃないか。私も政治の熱を奪った罪で告発したいね。※週刊ポスト2018年9月21・28日号
2018.09.10 07:00
週刊ポスト
経営コンサルタントの大前研一氏
厚生労働省の分割は当然 大前研一流「省庁再々編」構想
 省庁再々編の議論が盛んになりそうな気配だ。経営コンサルタントの大前研一氏が、前回の省庁再編で最大の誤りだったとという「厚生労働省の再々編構想」を解説する。 * * * 2001年の「橋本行革」による1府12省庁の中央省庁再編を検証している自民党行政改革推進本部は、厚生労働省の分割を念頭に置いた中央省庁再々編の安倍晋三首相への提言を、9月上旬に取りまとめるという。その一方で、石破茂元幹事長は、「防災省」の創設を主張しており、自民党総裁選の争点の一つになるとも言われているが、中央省庁再々編はそういう次元の問題ではない。 私は内閣府、厚労省、総務省、国土交通省などを創設した橋本行革を当時、「見せかけの行革」「看板の掛け替え」「単なる引っ越し」と批判した。つまり、省庁を適当にくっつけ、運送会社が霞が関の中で事務機器や書類などの荷物を右から左へ移動させただけで、捨てたものは何もないのである。したがって、橋本行革は大間違いであり、議論するまでもなく、全面的に再吟味すべきだと思うのだ。 橋本行革の間違いの最たるものは、やはり厚労省だ。これは論外だと思う。私が知る限り、どこの国にも「厚生+労働」という括りの役所はない。 厚労省の厚生部門には「医政局」「医薬・生活衛生局」「健康局」「子ども家庭局」「社会・援護局」「老健局」があり、医療の普及・向上、麻薬・覚醒剤対策、社会福祉の推進、高齢者介護施策などを担っている。 一方、労働部門には「労働基準局」「職業安定局」「雇用環境・均等局」があり、労働条件の改善、雇用対策、非正規雇用労働者の待遇改善などを担当している。 さらに保険・年金部門の「保険局」「年金局」があり、健康保険や厚生年金保険、国民年金などに関する企画立案、年金積立金の管理運用などを受け持っている。このように異質で多様な業務を一緒くたにしたのが橋本行革で生まれた厚労省であり、これでは一つの役所として効率的に機能するはずがないだろう。したがって厚労省は現在の股の広がった所管業務を機能別に選択・集中した上で、再び厚生省と労働省に二分すべきである。 そして労働省は、ある意味、国家にとって最も重要な役所となる。なぜなら、これからの日本にはどのようなスキルを持った労働者が必要なのか、どうすれば労働者の生産性が上がるのか、ということを徹底的に考え、21世紀の企業ニーズを満たす人材を養成していかねばならないからである。 たとえばドイツでは、職業訓練専門学校の多くが「デュアルシステム」(*注)になっており、会社に入る時は350くらいの様々な職種の中から自分が専門にする一つの職種を選んで、さらに腕を磨いていく。そのシステムを国・州・企業・労働組合が合わさった公的機関「BiBB(職業教育訓練研究機構)」がきめ細かく運営し、将来の雇用に耐えうる人材を懸命に育成しているのだ。【*注:デュアルシステム/1週間のうち2日間は学校で理論を学び、3日間は会社に行って実習をするというドイツの教育制度】 日本の厚労省も、いちおう人材開発や職業訓練などの看板を掲げているが、ドイツに比べると天と地ほどの差がある。事実上、人材育成の役割の大半は文部科学省が担うかたちになっているものの、同省は、世界のどこに行っても活躍できるスキルを持った社会人を生み出すとか、AI(人工知能)やロボットに置き換えられないように労働者を再教育するといったことは実質的に何もやっていないのが実情である。※週刊ポスト2018年9月14日号
2018.09.08 16:00
週刊ポスト
石破茂氏の妻 最初のプロポーズを断った過去とその理由
石破茂氏の妻 最初のプロポーズを断った過去とその理由
 安倍晋三首相(63才)と石破茂衆議院議員(61才)の一騎打ちとなる自民党総裁選(9月7日告示、20日投開票)。下馬評では安倍首相優勢だが、そこに一矢報いるのが石破氏であり、その石破氏を支えるのが、妻の佳子さん(62才)だ。「ファーストレディー候補」の佳子さんに、話を聞いた。 佳子さんは東京出身で、中高一貫の私立女子校を卒業後、慶應義塾大学法学部に入学。そこで同級生だったのが、石破氏だった。教室で初めて佳子さんを見た時、「こんなにきれいな人がこの世にいるのか」と石破氏が一目惚れ。 ちなみに、石破氏は“永田町随一の愛妻家”として知られている。今も、美人な奥さんに首ったけなようだ。「当時、夫は学期末試験対策の勉強会サークル『石破のヤマかけ講座』を開いていました。友人に誘われて、私がそこに参加したのが、最初に話をしたきっかけです。 その時、私の出身高校を知っていて、“ぼくの2人の姉も同じ高校の出身だ”という話をされたのですが、言い方が気になって、あまり第一印象はよくなくて…(笑い)。 夫は他の男子生徒とは一風違う雰囲気がありました。当時、ジーンズや『アイビールック』ファッションが流行っていたのですが、彼はいつもきちんとシャツにネクタイ、ジャケットを着ていて、真面目そうなかただと思いました。 よく覚えているのが、勉強会でわざわざみんなの分のドーナツを用意していたこと。男女問わず親切でしたから、人気者だったようですよ」(佳子さん、以下「」内同) 友人として付かず離れずの大学4年間を過ごしたふたり。卒業式の後、石破氏は思い切って「結婚を前提としてつきあってほしい」と告白した。しかし、佳子さんの返答は「ごめんなさい」だった。「当時、彼は銀行への就職が決まっていました。告白されたとき、“学者や弁護士を目指していたけど、君と結婚するために、安定した道を選ぶよ”と言いたげな雰囲気を感じたんです。当時は女性への社会の門戸は狭く、就職しても一般職しかない時代。男性は何にでも挑戦できて羨ましかった。“結婚したいからといって、やりたいことを諦めるのは、やめてほしい”という気持ちから交際を断りました」 石破氏は大手銀行、佳子さんは総合商社に就職。一度は疎遠になったが、1981年に石破氏の父で参議院議員の二朗氏が亡くなり、佳子さんが友人たちと連名で香典を送ったことをきっかけに、ふたりは再び連絡を取り合うようになった。「駆け出しの銀行員だった彼は、『定期預金口座の新規開設』の営業ノルマがあったようなんです。それで私に“口座を作ってもらえないか”と連絡がきて、ランチをしました。今思い返せば、口実だったのかもしれません(笑い)。でも、学生時代から頼りになる人だったので、そうして会って仕事の悩みを話すうちに、打ち解けていきました」 自然に交際が始まり、婚約の流れに。銀行員の妻になるはずだったが、その先に人生の一大転機が待っていた。二朗氏と親交の深かった故・田中角栄元首相から「父の跡を継いで政治家になれ」と命じられ、石破氏は政界入りすることとなったのだ。「青天の霹靂でした。新聞に選挙の候補者として夫の名前が挙がり、銀行を辞めることになったんです。すぐに夫から説明の電話がありました。『そういうことになったけど、突然のことだし、結婚の話はやめたければやめてくれてもいいよ』と言われ…。政治のことはまるで知らなかったので、本当に悩みました」 結婚すべきか、やめるべきか。悩む佳子さんに父親がこうアドバイスしたという。「君は、結婚相手を『職業』で選ぶのか、『人物』で選ぶのか」 その一言で、佳子さんの気持ちは決まった。1983年9月、東京・赤坂のホテルニューオータニでの挙式に出席した田中元首相は、佳子さんが勤める総合商社が絡んだ「ロッキード事件」で窮地に立たされていた。しかし、主賓として「いい会社だよ。わしのことがなければ、もっといい会社だ」とスピーチして、会場をどっと沸かせた。※女性セブン2018年9月20日号
2018.09.08 07:00
女性セブン
美人妻が語る石破茂氏 肩身が狭そう、娘に冷たくされる
美人妻が語る石破茂氏 肩身が狭そう、娘に冷たくされる
 2リットルのペットボトルのお茶と紙コップ、お菓子を丁寧に抱えて、小柄な女性が早足に歩いてきた。衆議院議員やその家族が暮らす宿舎(東京・赤坂)の1階ロビー。8月下旬の平日の昼下がり、静かな大理石のフロアに足音だけが響く。「お待たせいたしました。本日はよろしくお願いします」 約束の時間の30分前。汗を拭きながらインタビュー会場の準備をしていたところで本誌記者を見つけ、そう深々とお辞儀した女性――それが石破佳子さん(62才)だった。 次の総理の椅子をうかがおうという石破茂衆議院議員(61才)の妻である。いわば、“大物政治家の妻”だ。多くの秘書を引き連れて…と記者は想像していたが、まったく違った。1人で現れて、記者にお茶とお菓子を勧め、屈託ない笑顔で話す。「あれ、1人ではダメでしたか? みなさん、こういう時は秘書さんもご一緒なんでしょうか? すみません、私、全然わかってないんですよ(笑い)」(佳子さん、以下「」内、同) ほとんどメディアに登場しない「ファーストレディー候補」が、夫婦の“決戦”直前、本誌に胸の内を語った──。◆夫はキャンディーズのシングルは全部歌えます 9月7日に告示を迎え、「自民党総裁選」の火ぶたが切られた(9月20日投開票)。立候補した石破氏と、現職の安倍晋三首相(63才)の一騎打ち。勝者が自民党総裁、つまり次の総理大臣となる。 下馬評では安倍首相の優勢だが、地方の支持が厚い石破氏の大逆転もあり得る状況だ。石破氏の地元は鳥取県。防衛相や党幹事長などを歴任した当選11回のベテランで、特に「地方創生」に力を入れている。そんな石破氏を最も近くで支えるのが佳子さんだ。「選挙中も、夫は他の候補者の応援で全国を回ることが多く、地元にはあまり帰れません。だから、私が1人で地元の選挙活動をするイメージが強いようです。“石破を尻に敷く強い妻”なんて言われることもありますが、全然そんなことないんですよ」 たしかに、小柄で華奢、飾らず控えめな口調からは、“恐妻”ぶりは感じられない。ただ、地元支持者の間では「石破さんが選挙に強いのは、半分以上が奥さんのおかげ」といわれるほどの人気者だ。 石破氏はバラエティー番組などへの出演も多いため、国民の知名度も高い。国会では「強面の理論家」だが、最近は「アイドルオタク」「鉄道オタク」としても知られる。「夫はなんにでも興味津々で、“凝り性”なんです。例えばアイドルなら、岩崎宏美さんやキャンディーズが、いつ、どの曲を出したとかをよく覚えていて、シングル曲は全部歌えます。掘り下げるタイプなんでしょうね。 音楽は幅広くて、昔からクラシックもジャズも好きで、かなり詳しいですよ。鉄道好きは、いわゆる“乗り鉄”です。私も電車に乗るのは好きですが、車両の話をされてもサッパリ(笑い)。実は、私には“この鉄道がいいだろう”とかマニアックな話はまったくしないんです。周りに自分の趣味を押しつけない人なんでしょう。バラエティー番組でオタクの部分に注目されることも、夫は、“自分の意見に興味を持ってもらえるきっかけになる”と喜んでいるんです」 夫婦と娘2人の4人家族。娘は既に独立し、働いている。「家では夫が女3人に囲まれていますから、肩身が狭そうです(笑い)。晩ご飯を食べながら、“一緒に飲もう”と言うんですが、私は下戸ですし、娘たちもあまりつきあわないので“つまらないなァ”とちょっと寂しそうで。娘には若い世代の働き方や暮らしについてよく意見を聞いています。“お父さん、わかってないなァ”なんて言われながら、娘の話を“フンフン”と聞いていますよ」※女性セブン2018年9月20日号
2018.09.07 07:00
女性セブン
『SAPIO』人気連載・業田良家4コマ漫画「石破応援団」
『SAPIO』人気連載・業田良家4コマ漫画「石破応援団」
 漫画家・業田良家氏によるSAPIOの人気連載「ガラガラポン!日本政治」より、選りすぐりの1本を公開。自民党総裁選で安倍首相と対峙する石破茂氏の戦いぶりは、野党も気になって仕方がない様子です。【『SAPIO』人気連載・業田良家4コマ「石破応援団」】※SAPIO2018年9・10月号
2018.09.06 07:00
SAPIO
自民総裁選前に海外逃亡 進次郎、小渕優子、河野太郎の思惑
自民総裁選前に海外逃亡 進次郎、小渕優子、河野太郎の思惑
 安倍晋三・首相の自民党総裁選勝利が揺るがないのであれば、いまこそ、「次の次」をうかがう若手の総理・総裁候補たちが「安倍後の日本」の舵取りについて大いに議論を戦わせ、気を吐く時だろう。そうでなければ、国民は自民党に安心して将来を任せることができない。ところが、この党のプリンスたちは、「物言えば唇寒し」と黙り込んでいる。 安倍首相の“最終任期”が終わる3年後までには実施される次の次の自民党総裁選では主役の顔ぶれがガラリと変わり、世代交代が進む。「将来の総裁候補は河野太郎外相と小泉進次郎筆頭副幹事長です」 菅義偉・官房長官はさる7月の講演で2人の名前を挙げた。一方、森喜朗・元首相は6月の小渕優子氏のパーティで発破をかけた。「お姫様の登場をみんな待っている。父の小渕恵三さんに尽くしたおかげで僕は首相になれた。そのお返しもしていないから、せめて優子さんを応援してあげなければと思っている」 党内の実力者たちの関心はすでに次の次に向けられているのだ。名前が挙がった3人はいずれも総裁経験者を父に持つ自民党のプリンス、プリンセスだ。 ところが、3人とも総裁選で誰を支持するのか旗幟鮮明にせず、告示(9月7日)前の「海外逃亡」を計画している。 首相のライバル、石破茂・元幹事長から「支持してもらえればありがたい」とラブコールを送られた進次郎氏だが、8月前半にはインドを訪問、さらに総裁選が本番を迎える9月はじめには小渕氏とともにニュージーランド訪問の日程を組んでいる。2人には国内にいたくない事情がある。「進次郎氏は勝敗が明らかな今回の総裁選で自分を安売りしたくない。石破陣営は進次郎氏の応援演説を期待しているが、みすみす負け戦の先陣を切るのはいくら何でも得策ではない。 一方、安倍陣営からもいろんなルートで、『支持を表明すれば必ず将来のためになる』と誘いが来ているが、本人は“一強総理に媚びた子分”と見なされてしまえばそれこそ将来がなくなると考えているようです」(小泉勉強会の若手議員) インド訪問中も、現地駐在の日本の特派員たちからぶら下がり取材を申し込まれた進次郎氏は、「“今回はインド政府の招聘だから遠慮したい”とわけのわからない理由で口を閉ざしていました」(現地メディア関係者)という。 国会会期中は「森友・加計学園問題は特別委員会を設置して議論をすべきだ」と声を上げていた進次郎氏が、総裁選が近づくと安倍批判を一切封印したのだ。◆「泣く姿を見たくない」 小渕氏にも悩ましい事情がある。「最後まで出馬をあきらめない」と言い張っている野田聖子氏の推薦人問題だ。竹下派ベテラン議員が胸の内をこう忖度する。「優子ちゃんは野田を姉貴分と慕っていて、頼まれれば推薦人になるつもりはある。しかし、スキャンダルを抱える野田の出馬は絶望的で、告示日に涙の出馬断念会見をすることになるだろう。それで野田の“総理すごろく”は事実上終わり、かわって優子ちゃんが女性初の総理・総裁候補の最右翼になる。それがわかっているからこそ姉貴分の泣く姿を見たくないんだろう」 小泉家の若君と小渕家の姫君が手を取り合っての“ニュージーランド逃避行”に見えなくもない。 もう一人の麻生派のプリンス、河野外相も9月にはウラジオストックでの東方経済フォーラム、国連総会など外交日程が立て込んでいる。 かつては「自民党の異端児」と呼ばれた河野氏だが、外相に抜擢されてからは持論の「原発廃止論」を封印して安倍外交の後継者に徹し、岸田文雄氏が総裁選出馬辞退の経緯でミソを付けたことで、次の次の総裁選では主流派の「本命候補」になる可能性が出てきた。河野氏にすれば2人と違って今回の総裁選は票集めで首相にアピールするチャンスだが、そんな時の外遊にはどんな狙いがあるのか。「所属する麻生派では外様の甘利明氏が選対事務総長に就任し、『安倍総理しかいない』と猛アピールしているだけに、国内で手柄争いをしても反発を買う。権力闘争が苦手な太郎ちゃんにすれば、党内が論功行賞で目の色を変えているときに外交で地道にポイントを稼ごうと考えている」(麻生派議員) こちらも海外で難を避けたいようだ。「政権は銃口から生まれる」とは毛沢東の言葉で、どの国でも権力は戦い取ってこそ身につくものだ。 血統書付きの総理・総裁候補3人が、ハイエナのように息を潜めて政権が転がり込んで来るのを待っている様子を見ると、この国の将来に明るさは見えない。※週刊ポスト2018年9月14日号
2018.09.04 16:00
週刊ポスト
進次郎氏の嫁探し 条件の一つは「昭恵さん的な発言をしない」
進次郎氏の嫁探し 条件の一つは「昭恵さん的な発言をしない」
 連絡先の交換は基本的にしない。教育係のベテラン議員とも“秘書を介して”連絡を取るという徹底ぶり。政敵につけ入る隙を与えないため、プライベートは極力秘密にするのがモットーだ。だからこそ彼の周囲が躍起になっている。「なんとしてもわれわれが見つけなくてはいけない。彼の最高の嫁さん候補を」と──。 9月20日に迫った自民党総裁選。目下のところ安倍晋三首相(63才)が対抗馬である石破茂元幹事長(61才)を下し、三選を果たすと見られている。しかし、仮に小泉進次郎議員(37才)が“石破支持”を表明すれば、かなりの票が動くとの見方もあり、進次郎氏がキーマンとなっている。 そんな進次郎氏に対して、喫緊の課題となっているのが“嫁探し“だ。「将来の総裁」と目される進次郎氏だが、世界中を見渡しても独身の大統領や首相は珍しく、日本の歴代首相でも在任中に夫人がいなかったのは父・純一郎氏(76才)を含め4人だけだ。進次郎氏を総裁にするのであれば、それを支える夫人の存在が必須だと考える政界関係者が多いというのだ。◆外見やスタイルにあまりこだわらない 今、進次郎氏の結婚相手探しに動いているのは、進次郎氏の側近とみられる政界関係者たちだ。「これまで政治家の縁談といえば、政財界ルートが主でした。有力政治家や財界の大物の娘と結婚することは、政治力を高めることにつながりますからね。でも、進次郎氏には、“政略結婚とみられる相手は避けたい”という思いがあり、社長令嬢などは候補から外しています」(永田町関係者) 花嫁候補には具体的な条件もあるという。旧知の政財界の顔役から進次郎氏のお嫁さん候補探しを依頼されたというテレビ局関係者はこう話す。「政治家は交際範囲が広くなるので【1】嫉妬深くないこと。安倍昭恵さんのような【2】余計な発言をしないこと。スキャンダルが大敵なので【3】家柄や素性が明らかなこと。これらの3条件は必須項目。ちなみに進次郎さんは外見やスタイルにはあまりこだわりがないそうで、年齢についても“離れすぎていなければいい”と言っている程度だと聞いています」 こうした条件を加味した上で、側近たちが“縁談”を持ちかけているのが、アナウンサーやキャスター、作家、経営者など、メディアに露出をしている自立した女性たちだという。「彼女たちなら政界への理解もあるだろうし、うかつな行動もしなければ、素性も明らか。つまり3条件を満たすという考えがあるからでしょう。 進次郎さんが政界入りする前からの数少ない友人の1人である辻清人議員は、2014年にNHKの出田奈々アナと結婚しました。同じ30代で独身だった小倉將信議員が2013年にテレビ朝日の島本真衣アナと結婚した時には、進次郎さんも披露宴に出席し、テレ朝の小川彩佳アナや元フジテレビの大島由香里アナがいる席で長く談笑していたそうです。 友人議員らから“政治の世界のこともわかっている女子アナはいいぞ”と助言されている可能性はあります」(小泉家の関係者) 進次郎氏が誰と結婚するかは、日本国民にとっても「他人ごと」ではない。前出の自民党関係者はこう語る。「安倍首相の外遊時に昭恵夫人の言動が注目されるように、首相夫人は海外からも脚光を浴びる存在。もちろん自民党にとっても、将来の総裁候補である進次郎氏がどんな相手と結婚するかは、党の浮沈にもかかわる重大問題です」 何かと世間の注目を浴びる進次郎氏は、自ら“嫁探し”できる状況にはない。そこで彼の側近たちがさまざまなルートを使ってお嫁さん候補を探しているというのだが…。総裁選だけでなく、進次郎氏の女性をめぐる動向からも目が離せない。※女性セブン2018年9月13日号
2018.09.01 07:00
女性セブン
小泉進次郎氏、嫁取りに待ったなし 関係者に候補探しを依頼か
小泉進次郎氏、嫁取りに待ったなし 関係者に候補探しを依頼か
「お盆前に進次郎さんと会ったのですが、去り際、彼が『総裁選を楽しみにしていてください』と言い残していったんです。安倍さんの圧勝だと思っていましたが、進次郎さんの動き次第ではまだまだ何が起こるかわかりません」(支援者の1人) 実質的な「次の総理」を選ぶ自民党総裁選が9月20日に迫っている。目下のところ安倍晋三首相(63才)の「3選」間違いなしとみられているが、首相にとって唯一の不安材料といえるのが、小泉進次郎議員(37才)の動向である。 進次郎氏が“対抗馬”の石破茂元幹事長(61才)の支持を表明するのではないか。そうすれば、かなりの票が石破氏に流れそうだ。一部では「直前になって、進次郎氏本人が出馬する可能性もゼロではない」(自民党関係者)という情報もある。 37才の若さで国政のキーマンになった進次郎氏。だが、そんな彼にも、いまだ“未解決”、かつ喫緊の課題が残されている。8月上旬、あるテレビ局関係者は、旧知の政財界の顔役からある相談を受けたという。「“進次郎のお嫁さん候補を探しているが、誰かいい人がいないか”というお話でした。いくつか条件を出され、合致する人がいれば進次郎さんとの会食に参加させる。そこで進次郎さん自身が“見定める”とのことでした。具体的に日時まで指定されたので、切迫している印象でした」(テレビ局関係者) 進次郎氏の熱愛は過去に何度も報じられてきたが、いずれも結婚には至らなかった。2008年に父・純一郎氏(76才)の政界引退に伴って後継候補に指名された時、進次郎氏には地元・横須賀に気心の知れたカフェ経営者がいた。だが、2009年に初当選すると同時に破局。 2012年には議員宿舎で女性と一夜を過ごしたことが報じられたが、相手女性は「その後、一切連絡を取っていません」と関係を終わらせたことを告白した。 2015年にも復興庁の職員との逢瀬がスクープされたが、その女性との関係も、彼女の海外留学を機に切れてしまったという。◆“5代目”の誕生を気に欠けていた女性進次郎氏との恋愛は簡単には進まない。その背後には、“ゴッドマザー”の存在があったという。「純一郎さんが離婚した後に“育ての母”になった、純一郎さんの実姉の道子さんです。道子さんに引き取られた時、(兄で俳優の)孝太郎さん(40才)は4才、進次郎さんはまだ1才で、進次郎さんはずっと“実の母親”だと思い込んでいた。中学2年生の時に純一郎さんから真実を告げられた時、進次郎さんは相当なショックを受けたとか。それでも彼は道子さんのことを『本当の母親だよ』と言い切り、その後も『ママ』と呼び続けていました」(小泉家の関係者) 政治一家の小泉家を切り盛りする道子さんは、“4代目”にあたる進次郎氏の結婚と、その後継者となる“5代目”の誕生を非常に気にかけていたという。 だが、そのハードルは当然低くはなく、道子さんのおめがねにかなう女性はなかなか現れなかったようだった。その道子さんが亡くなったのは、2016年8月のことだ。「進次郎さんは『ママはずっと“5代目”を心配していた。お嫁さんを見せられなかったのが心残り』と知人にこぼしていたそうです」(前出・小泉家の関係者) それから2年。「将来の総裁」と目されるようになった進次郎氏にとって、嫁探しはまさに喫緊の課題となっている。世界中を見渡しても、独身の大統領や首相は珍しい。日本では62人いる歴代首相のうち、在任中に夫人がいなかったのはわずか4人しかいない。「純一郎氏を含めて、うち3人には結婚歴がある。生涯独身を貫いたのは明治期の西園寺公望首相1人だけですが、彼には3人の愛人がいて、そのうちの1人がパリ講和会議にも帯同した。もちろん今の時代なら許されないでしょう。純一郎氏を姉・道子さんが支えたように、総理大臣ともなれば、それを支える女性の存在は必須です」(政治関係者) 進次郎氏の“嫁取り”はまさに待ったなしなのである。※女性セブン2018年9月13日号
2018.08.31 07:00
女性セブン
霞が関賄賂ブローカー「政官31人接待リスト」の破壊力
霞が関賄賂ブローカー「政官31人接待リスト」の破壊力
 東京地検特捜部の文科省接待汚職事件捜査が新たな展開を見せた。事件のキーマンとされる政・官界を股にかけたブローカーの「31人接待リスト」が流出し、そこに石破派大幹部の名前があるのだ。 文科省の接待汚職は佐野太・前局長(受託収賄容疑で起訴)が東京医大の補助金申請で便宜をはかる見返りに、同大が佐野被告の息子を「裏口入学」させた前代未聞のスキャンダルだ。そのなかで、特捜部が最も注目しているのは佐野被告と同大側をつないだとして収賄幇助容疑で逮捕された医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告である。 その谷口被告の「接待記録」として検察筋から流出したのが前述のリストだ。本誌・週刊ポストが入手したリストには文科省、外務省、国交省、厚労省、金融庁、内閣官房の6省庁31人の名前があり、接待汚職で逮捕された文科省の佐野被告、前国際統括官の川端和明被告の名前も含まれている。官僚ばかりのリストの中で唯一人の政治家が田村憲久・代議士だ。第2次安倍内閣で1年9か月にわたって厚生労働大臣を務め、現在は自民党政調会長代理の要職にある。石破茂氏の信頼厚い腹心として知られ、石破派副会長という派閥の大幹部でもある。 9月に迫る自民党総裁選挙では安倍晋三・首相と石破氏の一騎打ちの公算が高い中での流出である。「検察の独立」を重んじたかつての特捜部には、政界捜査を進めるにあたって国政選挙や総裁選に影響を与えることを極力回避すべきという不文律があった。今回はまるで逆だ。 総裁選の渦中に、安倍首相を利するような対立候補の陣営がからむ“捜査情報”が流出すること自体、政治色がプンプン匂う。ノンフィクション作家の森功氏が語る。「特捜部の捜査は不可解な方向に向かっている。文科省の汚職事件は『私立大学研究ブランディング事業』の助成金をめぐって起きた。この事業は安倍首相のお友達の下村博文・文科相時代に創設され、助成対象には加計学園の名前も出てくるという伏魔殿です。捜査が東京医大から他の助成先に延びれば政権は打撃を受けるとみられていた。ところが、特捜部はそこまで踏み込まず、逆に安倍政権にとって好都合な政官の接待リストなるものが浮上した。 森友学園を舞台にした公文書改竄事件では、大阪地検特捜部が財務省幹部を軒並み不起訴にして安倍首相を守ることにつながったが、今度は東京地検特捜部が結果的に官邸の先兵の役割を果たし、首相の政敵つぶしの“サポート”をする構図になるのではないか」◆逆らえば“お取り潰し”になる 首相サイドにとってリストの“政治的利用価値”はそれだけにはとどまらない。安倍政権が憲法改正と並んで3期目の政策の柱として打ち出そうとしているのが中央省庁再々編だ。 安倍首相の盟友の1人、甘利明・自民党行革推進本部長は9月に正式に首相に提言を出す。菅義偉・官房長官も「時代の要請に応じるのは大事だ」と再々編に前向きだ。 省庁再々編の一番の標的が第2の“消えた年金”問題(※注)や働き方改革のデータ改竄などで散々政権の足を引っぱった厚労省。党行革推進本部の原案では、同省の2分割案が検討され、甘利氏ら首相側近の再編推進派と分割に反対する厚労官僚や自民党厚労族議員との綱引きが始まっていた。【※注/昨年9月、厚労省が共済年金の加算制度で事務処理ミスなどがあり、約598億円の年金支給漏れがあったことを公表した問題】 その最中、検察筋から「接待リスト」が流れて厚労省を疑惑が直撃。再編推進派にすれば、官僚を黙らせる格好の材料になる。「安倍首相は森友・加計問題では文書改竄など役所からの情報漏洩で窮地に立たされた。中央省庁の再々編を打ち出せば、官邸は各省庁に“逆らえば再編の対象にする”と締め付けることができる。再々編は霞が関の粛清の武器になる」(森氏) しかも、中央省庁を整理統合するのは大事業で、1内閣では終わらない。菅氏や甘利氏など安倍政権で力をつけた政治家はそろそろポスト安倍時代の生き残りを考えなければならないが、安倍政権のうちに中央省庁再々編のレールを敷いて主導権を握れば、この先も霞が関と政界に睨みを利かせることができる。リストはそのための切り札にもなる。 総裁選の政敵潰しと霞が関の粛清、1通のリストが永田町と霞が関を大きく揺らし始めた。※週刊ポスト2018年9月7日号
2018.08.28 07:00
週刊ポスト
霞が関ブローカー接待リスト流出 名前が出た石破派幹部直撃
霞が関ブローカー接待リスト流出 名前が出た石破派幹部直撃
 安倍晋三・首相と石破茂氏の一騎打ちとなりそうな自民党総裁選挙。安倍首相は議員の造反と党員票を不安視しており、石破陣営の切り崩しに躍起になっている。その折も折、東京地検特捜部の文科省接待汚職事件捜査が新たな展開を見せた。 事件のキーマンとされる政・官界を股にかけたブローカーの「31人接待リスト」が流出し、そこに石破派大幹部の名前があるのだ。 文科省の接待汚職は佐野太・前局長(受託収賄容疑で起訴)が東京医大の補助金申請で便宜をはかる見返りに、同大が佐野被告の息子を「裏口入学」させた前代未聞のスキャンダルだ。そのなかで、特捜部が最も注目しているのは佐野被告と同大側をつないだとして収賄幇助容疑で逮捕された医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告である。 国民民主党の役員室長を務める羽田雄一郎・参院議員の「政策顧問」の肩書きを持ち、与野党の政治家と官僚にパイプを持つブローカー的存在。この谷口被告の逮捕から、特捜部は政界捜査を視野に入れたとみられている。文科省汚職を深く取材してきたジャーナリスト・伊藤博敏氏が語る。「谷口被告の仕事はコンサルタント。政治家の政策顧問という立場で多くの官庁の官僚と親密な関係を築くと、業者に“高級官僚といつでも会える”とアピールして官僚との飲食の場をセッティングする。そうやっていろんな業界に食い込んでいった。業者と官僚や政治家をつなぐのが仕事だから、業務の一環として写真や音声データ、領収書などの証拠を残していた。特捜部にとってはそれが次の事件を掘り起こす“宝の山”となっている」 その谷口被告の「接待記録」として検察筋から流出したのが前述のリストだ。「谷口被告は複数の官公庁の事業に関わっていた。リストは各省の人脈をさらに強固にして事業を推進するために谷口被告が作成した備忘録などをもとにまとめられたとみられる」(伊藤氏) 本誌が入手したリストには文科省、外務省、国交省、厚労省、金融庁、内閣官房の6省庁31人の名前があり、接待汚職で逮捕された文科省の佐野被告、前国際統括官の川端和明被告の名前も含まれている。 現在はすでに退官している者も含め、官僚ばかりのリストの中で唯一人の政治家が田村憲久・代議士だ。第2次安倍内閣で1年9か月にわたって厚生労働大臣を務め、現在は自民党政調会長代理の要職にある。石破氏の信頼厚い腹心として知られ、石破派副会長という派閥の大幹部でもある。◆「覚えてますか?」 田村氏を直撃した。谷口被告とはどんな関係なのか。「面識はあるが、会食、接待、寄附や請託などの事実は一切ない」、そう断わって、谷口被告との面会をこう振り返った。「会ったのは3回。最初は(厚労大臣在職中の)2013年10月7日。同じ三重県の先輩議員だった中井洽先生(元法相。故人)から『田村君、面会を頼む』といわれて大臣室で面会した。その時に中井先生についてきたのが谷口氏だった。私は秘書だと思っていたが、汚職事件後に記録を確認して彼だとわかった。そのとき、『病院の土地を証券化してお金のない病院のキャッシュフローを回すのに詳しい人物』だと紹介されたような記憶もある」 次に会ったのは今年5月18日だという。「羽田雄一郎議員から面会要請があって、『病院事業評価研究会』という超党派の勉強会に参加を要請された。そのときに羽田氏の政策顧問として同行していたのが谷口氏で、『覚えてますか』と挨拶された。3回目はその勉強会の設立総会(6月27日)。挨拶も言葉も交わしていないが、谷口氏も出席していたと思う」 食事をしたことも、一緒に酒を飲んだこともないと接待疑惑を否定し、「それなのに、なぜ私の名前があるのか。わざと名前が挙げられたような意図的なものさえ感じる」と語る口調には怒りが籠もっていた。 他の官僚たちはどうか。リストからは一つの共通点が浮かび上がる。 田村氏の話にあったように、谷口被告は病院の建物や設備を証券化して売却する「病院リート」ビジネスに熱心だったとされる。リストは厚労省が10人と最も多く、国交省、金融庁、内閣官房ともに同ビジネスに関係すると思われる不動産市場整備課、医療課、証券課資産運用室などのセクションの官僚が目立つ。ビジネス成功のために人脈を深めるターゲットとしてリストアップされていた可能性がある。 本誌が官僚たちを取材すると、「谷口氏と会ったことはない」という否定もあったが、中には、「会ったことはあるが、詳しいことは役所に説明している。そちらに聞いてほしい」「リストに名前があることは承知しているが、他の方に迷惑がかかる可能性があるから回答は差し控える」など各省庁が内部調査を行なっていることを示唆する証言もあった。 ところが、各省庁に正面から回答を求めると、異口同音に「リストを承知していないので答えられない」という。見え透いたシラをきるところが、逆に、霞が関全体がリストの内容と捜査の行方に戦々恐々としていることが見えてくる。※週刊ポスト2018年9月7日号
2018.08.27 07:00
週刊ポスト
年内「日経平均3万円」はもう望めないのか?
年内「日経平均3万円」はもう望めないのか?
 2018年初めに2万4000円台だった日経平均株価は2月のニューヨークダウ暴落を機に2万1000円を割り込み、その後も2万2000円を挟んだ展開が続いている。年初には「年内にも日経平均3万円」と予想する市場関係者も多かったが、米中貿易摩擦にトルコリラ暴落などと悪材料に見舞われるなか、そんな望みは薄らいでしまったのか。グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が解説する。 * * * 株価を左右する2大要素は、「金融政策」と「財政政策」だ。米国では10年間で1.7兆ドルの大規模インフラ投資と1.5兆ドルの大規模減税という財政政策に加え、金融政策ではFRB(連邦準備制度理事会)が慎重に利上げを進めている。景気拡大に向けた両輪が揃い、ニューヨークダウが2万5000ドル台を回復し、ナスダック総合指数は史上最高値を更新している。 対して日本は、日銀が異次元金融緩和という金融政策をフル稼働している一方で、政府は6月15日に示した「骨太の方針2018」でも目新しい財政政策を打ち出していない。これでは株価上昇もなかなか望めないように思えるが、まだ「年内日経平均3万円」の可能性は残っている。 そのポイントとなるのが、9月に予定される自民党総裁選だ。総裁3選に向けて安倍晋三首相が「2019年10月に予定される消費増税の延期」または「大規模な財政政策」を打ち出せば、潮目は大きく変わるだろう。景気を拡大させるには、GDP(国内総生産)の6割を占めるとされる個人消費を刺激することが何よりであり、消費増税延期を示唆したりするような発言があれば、景気が加速し、株価上昇の機運も高まるはずだ。 増税延期と財政政策の両方が打ち出されるようなら「年内に日経平均3万円」は十分にあり得るし、そうなれば2020年までに日経平均3万5000円も視野に入ってくる。どちらか一方でも「日経平均3万円」に向けた上昇局面を描くだろう。 ただ冷静に考えれば、「骨太の方針」でも、目新しい財政政策を打ち出せなかったように、その可能性が高いとは言いにくい。また仮に石破茂氏が新総裁に選出されるようなら、「緊縮財政」が強まるため、ますますその可能性は遠のくだろう。 だからといって、このまま日経平均が上昇しないというわけではない。株価はEPS(1株当たり利益)×PER(株価収益率)が適正水準といわれる。現在、日経平均の前期実績EPSは1800円前後で今期は減益予想となっているが、日本企業の想定為替レートは106円前後と極めて保守的のため、円安による為替差益の拡大によってEPSは1850円は見込める。 そして先進国のPERは14~16倍とされるなか、日経平均は依然として13倍程度と割安になっており、これが14倍まで見直されてくるようだと、EPS(1850円)×PER(14倍)=2万5900円となり、年内2万6000円が視野に入ってくる。さらに今後も10%程度の増益が続けば、2020年までに2万8000円は見込めるかもしれない。「日経平均3万円」は条件付きとしても、日経平均の今後の上昇はまだまだ望める。そう考えていくと、株価のさえない現状こそ「買い場」と捉えることもできるだろう。【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しを配信するメルマガ「日本株通信」を展開中。
2018.08.23 16:00
マネーポストWEB
安倍首相vs宗教団体 元号と改元めぐる暗闘
安倍首相vs宗教団体 元号と改元めぐる暗闘
 安倍晋三・首相は9月の自民党総裁選を前にして、別荘のある山梨で“夏期休暇”に入った。余裕の表われか、と思いきや、その脳裏は、対立候補の石破茂・元幹事長よりも気になる存在でいっぱいだったようだ。◆首相の尻に火が付いた 自民党総裁選が「総理の座」を賭けた権力闘争である以上、たとえ対立候補が弱小で勝ちが明らかでも、現職総理たるもの全力で潰しにかかる。それが自民党の伝統だ。敵に温情をかけ、手を抜けば今後の政権の維持が危うくなりかねない。 安倍首相も災害渦中に国会議員の酒盛りに顔を出し、全国を回って地方議員との顔合わせに精を出してきた。 それが突然、「憲法改正」を言い出し、首相の改憲論を批判しようと手ぐすね引いているライバル石破茂氏の土俵に自ら飛び込んだ。「自民党の憲法改正案を次の国会に提出できるよう、とりまとめを加速すべきだ」 お盆休みに地元・山口県下関市で行なった講演で、総裁選が終われば秋の臨時国会に改憲案を提出するという具体的なスケジュールに踏み込んだのだ。安倍首相にとって9条改正は再登板以来の公約であるが、自民党内の受け止め方は全く違った。 首相は昨年5月に読売新聞紙上で独自の9条改憲私案を発表したものの、その後は積極的に改憲手続きを進めようとはせず、今年の通常国会では衆院憲法調査会も参院の憲法審査会も開店休業状態でほとんど何の審議もしていない。野党はもちろん与党内にさえ、「安倍さんの改憲は口だけで本気じゃない」との見方が広がっていたからだ。 それをいきなり、「次の国会に改憲案を出す」と言い出したのだから、“何が起きたのか”と裏を読むのが政界の常だ。自民党ベテラン議員はこう語る。「総裁選では無敵の安倍さんも、さすがにあの組織の意向は無視できなかったようだ。これ以上、改憲を先送りするわけにはいかないと尻に火が付いた」 総裁選での勝利が確実な安倍首相を慌てさせた組織とは、「神社本庁」だ。伊勢神宮を本宗として全国約8万社ある神社のほとんどを傘下に収める包括宗教法人で、現総長の田中恆清氏は安倍政権を支援する保守系団体・日本会議の副会長も務めている。 政治的影響力の面でも他の宗教団体とは一線を画す存在といっていい。宗教学者の島田裕巳氏の話だ。「その前身は戦前の内務省神祇院で国家神道を統括する政府機関でした。戦後、GHQに一掃されるところを民間の宗教組織となって生き残り、神社本庁が誕生した。表立って教義信条には掲げていないが、目的は皇室の祖神を祀る伊勢神宮を本宗として神を崇め、皇室を崇める教えを広めること。 そのために宗教法人にとどまらず、新憲法制定や靖国神社での国家儀礼の確立、皇室の尊厳護持などの政治運動の主体としても活動している。これまでに紀元節(建国記念日)復活運動、元号法制定、国歌国旗法、昭和の日制定などの成果をあげてきました」 その政治運動の中核を担っているのが神道政治連盟(神政連)と神道政治連盟国会議員懇談会だ。 現在、神政連国会議員懇談会には自民党を中心に衆参約300人が加盟し、安倍首相が会長を務めている。神社本庁は「自主憲法制定」を主張してきた安倍首相と歴史認識で親和性が高く、「最大の支援組織」でもあった。 ところが、その支援組織が今上天皇の譲位に伴う「元号」問題をめぐって安倍内閣と暗闘を展開し、“最後の抵抗勢力”となって首相を次第に追い詰めている。◆発表時期の迷走 代替わりをめぐる政府の対応には奇妙な点がある。安倍政権内部で「新元号」の発表時期がいつまでも決まらず、迷走していることだ。今上天皇は来年4月30日に退位し、翌5月1日に新天皇の即位と改元が予定されている。 政府は改元の日が決まっている今回は、「国民生活への影響を考慮する」(菅義偉・官房長官)と新元号を事前に公表する方針を明らかにした。運転免許証や国債をはじめ、官公庁の行政文書には元号が使用され、民間でも金融機関のシステムなどに和暦が多く使われている。コンピュータ・システムの変更などを改元に間に合わせるには相当の準備期間が必要になるから事前公表は当然だろう。政治的にも、「国民の関心の高い新元号発表は政権浮揚の大きなイベントになる」(官邸スタッフ)という計算もある。 そして新元号をいつ発表するかは、「総理大臣の判断ひとつ」(官邸筋)で決めることができるという。 ところが、安倍首相はなぜか決断できず、公表時期がどんどんずれ込んでいる。背景にあったのが、神社本庁や神道政治連盟の反対論だ。神政連国会議員懇談会メンバーで安倍内閣の総理補佐官を務めた柴山昌彦・代議士が説明する。「過去の例に則るならば、新元号は正式決定の前に、新しく即位した天皇陛下の聴許(お聞き届けいただくこと)を経た上で閣議決定し、それを新天皇が公布する手続きになる。元号を事前に公表するということは、政府は新元号を今上天皇に聴許していただくのか、それとも新天皇に聴許いただくつもりなのか。 新天皇であれば、即位前の皇太子時代に聴許するという二重権威の問題が生じる。一方、今上陛下であれば、新天皇の御代の元号について先帝陛下が判断するというおかしなことになる。いずれにしても、政府は手続き上疑義が生じるようなことをすべきではない」 前出・島田氏の解説。「戦後の長い間、元号は法的根拠が失われたまま慣例的に使われていた。それを法制化させたのが神社本庁です。1968年に元号法制化を求める声明を決議し、全国的な運動を展開、10年間かけて1979年に法制化された。それだけに、改元手続きを軽視するやり方には黙っていられないはずです」 神社本庁や神政連にとって「元号」はまさにレゾンデートル(存在価値)そのものであるとの指摘だ。 支持組織からの突き上げに、安倍首相は“思考停止”となった。報道からもそれがわかる。8か月ほど前、〈18年夏ごろの事前公表を検討している〉(毎日新聞2017年12月8日付夕刊)、〈18年秋以降とする検討に入った〉(日経新聞2018年1月18日付)と報じられていたのが、最近では、「来年2月以降」、ついには「改元1か月前」の土壇場まで公表されないという報道まで出てきた。総理が判断できないから、検討ばかりがダラダラ続く。◆側近中の側近も“反乱”「このままでは準備が間に合わない」 煮え切らない首相の態度に業を煮やした官邸中枢は新元号の事前公表を前提に改元準備を“見切り発車”させた。官邸で開かれた改元準備の関係省庁連絡会議(5月17日開催)で「便宜的に新元号の公表時期を改元の1か月前と想定し、準備を進める」方針を決定。経産省は業界団体に、元号データの変更や西暦への統一などシステム変更を急ぐように事務連絡(6月17日付)を出した。 他省庁も“脱元号”の動きを見せた。警察庁は道路交通法施行規則の改正案をまとめ、現在は和暦表示の運転免許証の有効期限を西暦表示に変更する。早ければ今上天皇譲位前の来年3月には「西暦免許」の交付が始まる見込みだ。 これをみた神政連は内閣と激突する。神政連の機関紙的存在の『神社新報』(6月25日付)は、〈改元については、本来、「天皇の元号」たるべき〉との論説を掲げて新元号の事前発表に反対した。神政連国会議員懇談会メンバーたちも強行手段に出た。 8月6日には、元拉致担当相の古屋圭司氏と山谷えり子氏、前出の柴山元総理補佐官らが官邸に押しかけ、改元準備の指揮を執る菅官房長官に「新元号の発表は来年5月1日の新天皇即位後にすべきだ」とねじ込んだ。安倍首相の「側近中の側近」とされる顔ぶれが、政府の方針に真っ向から反対し、撤回を求めたのだ。 こうした“抗議行動”について神社本庁は、「元号は新天皇の即位後に発表するという考え方は戦後一貫している。いま改めて表明したわけではない」というが、雑誌『宗教問題』編集長の小川寬大氏は一連の動きには全国の神職の不満もあると指摘する。「神社本庁や神政連はこれまで安倍政権を支持してきたが、首相がどこまで本気で神社本庁の主張に向き合ってきたかは疑問。靖国神社参拝は1回だけ、政権奪還時の公約だった政府主催の建国記念日記念行事も行なわれていない。自主憲法制定もウヤムヤにされた。 全国の神主には首相への不満もあり、神社本庁上層部は“今は我慢しろ”と抑えているのが実情です。そこに元号の事前公表問題が出てきた。神社本庁にとって譲れない一線であり、状況次第では安倍批判を抑えられなくなる可能性もある」 安倍首相とすれば、思わぬところから上がった火の手が瞬く間に燃え広がり、足を掬われた。総裁選の微妙な時期に、支持組織や側近議員たちの訴えを無視して敵に回すわけにはいかないという事情がある。 元号問題をめぐる「内からの反乱」は、首相個人の政治基盤に直結するだけに、“軽量級”の総裁選対立候補より手強く、悩ましい。※週刊ポスト2018年8月31日号
2018.08.21 11:00
週刊ポスト
経営コンサルタントの大前研一氏
大前氏 衆議院を「大選挙区制」にして議員を100人削減せよ
 来年夏から実施される予定の選挙制度改革が7月に国会を通過した。だが、秋の自民総裁選へ向けて重要テーマだといわれながら、いまひとつ盛り上がりを欠いている。経営コンサルタントの大前研一氏が、大前流「選挙制度改革」私案を解説する。 * * * 9月に予定されている自民党総裁選で、安倍晋三首相の3選が濃厚になっている。これでまた、安倍一強体制によるゴリ押し政治が続くことになりそうだが、先の国会で自民党が参議院議員の定数を6人増やし、比例区に「特定枠」を設ける改正公職選挙法をどさくさ紛れに成立させたのは、とんでもない暴挙であり、看過してはならない。 改正公選法の内容は【1】選挙区では「1票の格差」を是正するため、埼玉選挙区の定数を2増やす【2】比例区では定数を4増やして96から100にした上で、個人の得票数に関係なく優先的に当選できる特定枠を政党の判断で採用できるようにする──というものだ。 自民党の狙いは「島根・鳥取」「徳島・高知」を一つの選挙区にする「合区」によって選挙区から擁立できなくなる現職議員を特定枠で救済することにあり、改正公選法は来年夏の参議院選挙から適用される。参議院の定数増は1970年以来48年ぶりだが、前回は本土に復帰する沖縄に地方区を設けるためのものであり、自民党の「党利党略」で定数を増やすというのは前代未聞のことである。 ところが、安倍首相に反旗を翻して総裁選に出馬する予定の石破茂元幹事長や、自民党の政策にしばしば異論を唱えている小泉進次郎筆頭副幹事長までもが衆議院本会議の改正公選法案採決で賛成票を投じた。こんな理念も節操もない国会議員たちに「真っ当な選挙制度改革をやれ」と言うのは、泥棒に「自分を縛る縄を綯え」と言うのと同じであり、端から無理なのだ。そもそも議院内閣制の議論で議員が投票して法律を決めるというのは、矛盾以外の何物でもないのである。 かつて私が詳述したように、1994年に小選挙区制が導入された当時、旗振り役を務めた小沢一郎自由党代表(元・民主党代表)らは、定員2人以上の中選挙区制から定員1人の小選挙区制に移行して政権交代が可能な二大政党制を実現しなければならない、と主張していた。しかし、小選挙区制が導入された結果、今や自民党が圧倒的多数を握り、野党は四分五裂して二度と政権交代ができそうにない状況になっている。しかも、小選挙区制になってからは「おらが村」に予算を引っ張ってくるだけの小粒な“運び屋”政治家ばかりになってしまった。 これに対し、私は統治機構を道州制にして、選挙制度は大選挙区制にすべきだと主張してきた。たとえば、衆議院を大選挙区にして、10の道州から10人ずつ選ぶ。そうすれば衆議院議員は100人に削減できる。 そして、ほとんど意味のない参議院は廃止して、国民投票で代替する。つまり、衆議院で発議した重要法案の可否を国民投票で決めていく。あるいは参議院を各分野の利益代表だけにしたり、アメリカの上院議員のように人口に関係なく各都道府県から2人ずつ選ぶという手もあるだろう。一つの選挙区で2人選ぶなら、男女1人ずつにするという制度も考えられる。 大選挙区制の良い点は、専門家を選べることだ。たとえば北海道が一つの区になれば、面積が半分くらいなのに農業・畜産業の生産性と国際競争力が高いデンマークやオランダについての知見があるなど、北海道にとって本当に重要な問題に精通していてビジョンのある政治家が求められるはずだ。九州の場合は、今後の経済成長を考えるとインバウンドが最も重要であり、港湾・空港・道路の建設や民泊の整備を推進して訪日外国人客を増やすしかないから、それに特化した政治家が出てくるだろう。 そういう新しい選挙制度は、向こう50~60年耐えられるものにしなければならない。なぜなら、選挙制度は定着するのに10年、機能して20年、変えようという議論で10年、合わせて40年はどうしても続くからである。 そして、それを考える第三者機関のメンバーも、今の政府の諮問会議や有識者会議のように、安倍首相の息のかかった人間ばかりでは論外だ。「ミスター合理化」として土光臨調で辣腕を振るった土光敏夫さん、政府税制調査会会長などを務めて行財政改革を牽引した加藤寛さん、国鉄再建監理委員会委員長を務めた亀井正夫さんのような、政権におもねらない硬骨漢でなければならない。 そのようにして抜本的な選挙制度改革を断行し、新たなリーダーを選出していかないと、もうこの国はもたないと思う。ずぶずぶと沈んでいく一方なのに、5年半以上も首相を務めた安倍総裁が3選されるようでは、他の国の独裁政権を笑えない。せめて次回の総裁選までには、日本をリブート(再起動)する若い改革者の登場を期待したい。※週刊ポスト2018年8月31日号
2018.08.20 07:00
週刊ポスト

トピックス

ヤクルトの若き主砲・村上宗隆(時事通信フォト)
ヤクルト・村上宗隆が史上最年少40号!「外れ1位」が清宮幸太郎をはるかに凌ぐ理由をスカウトが説明
NEWSポストセブン
福岡国際マラソンでは早大、エスビー時代を通じて優勝4度(写真は1983年/時事通信フォト)
瀬古利彦、恩師・中村清監督との衝撃の出会い「砂を掴み、むしゃむしゃと食べ始めた」
週刊ポスト
プロレス総選挙
今回は「プロレス総選挙」 なぜテレ朝は『○○総選挙』を放送し続けるのか
NEWSポストセブン
役者として急上昇中(時事通信フォト)
『石子と羽男』有村架純・中村倫也の間の「おいでやす小田」 名バイプレーヤーの季節到来か
NEWSポストセブン
かたせ梨乃が語る五社英雄監督「アメとムチの使い分けが上手な“父”でした」
かたせ梨乃が語る五社英雄監督「アメとムチの使い分けが上手な“父”でした」
週刊ポスト
インタビューに応じた女子大生
「18歳女子大生」独占インタビュー【第1回】吉川赳議員のついたウソ「私の年齢に食いついた」「愛人契約しないか」
NEWSポストセブン
吉川議員の名刺を手にする女子大生
「18歳女子大生」インタビュー【第2回】吉川赳議員はホテルで「揉んじゃって御免なさい」「おじさんムラムラしちゃった」
NEWSポストセブン
背番号「12」を付けていた柴田貴広(現・大東文化大3年。撮影/藤岡雅樹)
佐々木朗希・高校3年の夏【前編】岩手大会決勝で投げた「背番号12」の思い
週刊ポスト
幹部補佐になっていた
「好きで好きで仕方なかったから」刺されたホスト、歌舞伎町で「幹部補佐」に昇進していた
NEWSポストセブン
松田聖子を目撃
松田聖子、沙也加さんの初盆に“もう1つの遺言”と「新しいお墓」への願い
女性セブン
「同伴的なので」と自分の意思を伝えた吉川議員
「18歳女子大生」インタビュー【第3回】吉川赳議員から大量の「LINEメッセージと電話」
NEWSポストセブン
中林大樹の姿を目撃
竹内結子さん三回忌 中林大樹が子供のために決断、家族3人新生活は「海辺の街」で
女性セブン