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【JR東海】に関するニュースを集めたページです。

『MIX』のCMに出演したAKB48の矢作萌夏
「あのCM美女は誰?」で注目 令和元年ブレイク必至の3人
 平成の時代を彩った「CM美女」と言えば、初代リハウスガールの宮沢りえ、JR東海の牧瀬里穂や深津絵里、ポッキーの新垣結衣……などが思い浮かぶ。そして新元号となる今年も、「あのCM美女は誰?」と話題となる女優・タレントが続々と登場している。その中から特に注目の3人を紹介しよう。 あだち充の不朽の名作漫画『タッチ』から30年後の世界を描いた話題作『MIX』。4月からテレビアニメ(毎週土曜17時30分~、日本テレビ系)も始まり、盛り上がりをみせる同作のテレビCMで注目されているのがAKB48の矢作萌夏(16)だ。CMでは、学校の教室の中で1人真剣な表情で漫画を読む姿が描かれている。 研究生から正規メンバーへの昇格、ソロコンサート、そして今夏には写真集発売とAKB48史上最短ルートで駆け上がってきた彼女。「超絶美少女」と評されるルックスはもちろん、スタイル、パフォーマンス、どれもまるで漫画やアニメのヒロインのように完璧と言われ、特に歌唱力に関しては「ソロコン(ソロコンサート)の生歌バラードは、MISIAを彷彿させた」とファンからも注目されている。CMや撮影現場のオフショット動画を見ると、その魅力が伝わってくる。 次に注目なのが、この春から『エビオス整腸薬』(アサヒグループ食品)のCMでメディア初出演となったミオ(20)。端正な顔立ちに、スラッと伸びた美脚が話題になった彼女は、俳優・仲村トオルと女優・鷲尾いさ子の実娘だ。 撮影について本人は「自分が想像していたよりは緊張もなくて、それよりも楽しさのほうが勝った感じの撮影でした」と振り返り、早くもサラブレッドの片鱗を見せた。ちなみに同社の『エビオス錠』のCMは、父の仲村トオルが出演。ミオは父親のCM撮影現場を見学したという。 最後に押さえておきたいのが、広瀬すず、吉岡里帆など、今やテレビで見かけない日はないCM美女を多数輩出した『ゼクシィ』(リクルート)の11代目CMガールを務めている井桁弘恵(22)。最近では4月公開の映画『4月の君、スピカ。』にも出演し、女優としての活躍も期待される注目株だ。福岡県出身、地元の進学校を卒業後上京。まさに才色兼備な彼女は、「食生活アドバイザー3級」「化粧品検定2級」といった資格も有する。知的なイメージが定着すれば、大手クライアントからのオファーもいっそう増えそうだ。 ほかにも、『オロナミンC』(大塚製薬)のCMに出演中の清原果耶(17)、『ポカリスエット』(同)の茅島みずき(14)など、注目株は多い。誰が「令和元年」を代表する美女になるか、楽しみだ。
2019.04.17 16:00
NEWSポストセブン
ジパング倶楽部は絶対オススメ
シニアだけに用意された「交通費割引特権」、飛行機6割引も
 時間に余裕ができたから、ゆっくり国内旅行にでも行きたい──。シニアだけに用意された各種の割引特権は、使わないともったいない。トラベルライターの白川淳氏が、なかには50歳から利用できるサービスもある鉄道や航空のシニア割引について紹介する。◆ジパング倶楽部 JRグループ6社が連携した会員制旅行クラブで、男性65歳以上、女性60歳以上(どちらかが65歳以上の場合、配偶者の年齢に関係なく夫婦会員になれる)が入会可能。年会費は個人会員が3770円、夫婦会員は6290円(入会金無料)。年間20回まで、JRを利用した旅が最大3割引となる。 繁忙期(お盆、GW、年末年始)など割引が適用されない期間もあるが、割引率が高いため、年に数回の旅行で年会費の元はすぐに取れる。◆JR各社の旅クラブ JR各社には地域ごとのシニア向け会員組織もある。JR東日本「大人の休日倶楽部」は、50歳から入会できるサービス。「大人の休日倶楽部ミドル」(50歳~)は、JR東日本とJR北海道のきっぷが何回でも0.5割引、「大人の休日倶楽部ジパング」(女性60歳~、男性65歳~)は、同3割引となる。また会員のみが利用できる、JR東日本、JR北海道の乗り放題パスも季節に応じて販売される。年会費は2575円(年会費2060円+VIEWカード年会費515円=ミドルの場合)で、カード発行には審査が必要となる。 JR東海は「50+(フィフティ・プラス)」があり、東海道新幹線を利用するお得な各種ツアーが企画される。年会費等は無料である。 JR西日本は、同様に年会費無料の「おとなび」を展開する。50歳以上でJ-WESTネット会員に登録すれば、JR西日本の山陽新幹線や特急が3割引以上となる会員限定きっぷや、期間限定で設定されるJR西日本乗り放題の「おとなびWEBパス」などが利用できる。 この他、JR四国は「四国エンジョイクラブ」、JR九州には「ハロー!自由時間クラブ」という、男性60歳以上、女性50歳以上(四国は女性55歳以上)が年会費無料で入会可能な組織もある。◆航空会社のシニア割引 航空会社にも年齢により優待を受けられる割引が各種揃っている。スカイマーク(シニアメイト1)とエア・ドゥ(DOシニア60)は60歳以上、スターフライヤー(スターシニア)とソラシドエア(65歳からのシニア割)は65歳以上で、事前予約可能な割引を設定しており、ネット予約も可能。各社によって割引率は異なるものの、最高5割引となるチケットも設定されている。 JAL(当日シルバー割引)、ANA(スマートシニア空割)は、65歳以上が対象で、原則搭乗当日に空席がある場合のみに使える割引を設定。なんと割引率は最大6割程度。繁忙期でなければ当日空席があることは多く、早朝便であれば比較的簡単に席を確保できる。事前にネットや電話で空席数を確認して空港に向かうのもいい。なおANAはマイレージ会員登録が必要となるが、当日のみ事前予約可能である。またエア・ドゥにも、「当日シニア65」という事前予約不可の格安料金が設定されている。こちらも最大6割程度の割引だ。※週刊ポスト2019年4月19日号
2019.04.14 07:00
週刊ポスト
お得な旅の予約術 夏休みの航空券はGWに予約せよ
お得な旅の予約術 夏休みの航空券はGWに予約せよ
 暖かい日が続き、旅心がウズウズしてきた人も多いのでは? しかも、目前に迫るゴールデンウイーク(以下、GW)が今年は10連休。これは旅行に行くっきゃない! ということで、旅の達人たちに、お得な旅の予約術を教えてもらいます。◆今狙うならGWではなく夏休み! 旅行日が決まっているなら、早めの予約で割引率が高い「早割」が得。訪日旅行者の増加もあり、予約がどんどん早期化していると、旅行ジャーナリストの村田和子さんは言う。今年のGWの早割予約は、昨秋に押さえられたほどだ。この時期に、早割を使うなら夏休みの予約を狙おう。◆夏休みの航空券は4月以降に取るべし 航空券は時期や空き状況で割引率が変わるものの、通常は早割を使えば安くなる。例えばJALの「先得」を使えば、搭乗75日前~28日前まで、割安に。夏の国際線は焦らないで◎。「3月までは燃油サーチャージが高いので、予約は4月以降がおすすめ」(航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さん)◆JRの会員になるとお得な割引が「JR東日本の『えきねっと』に登録し、会員限定の切符『トクだ値』をネット予約すると最大2割引きになることも」(村田さん・以下同) JR東海でも、「エクスプレス予約」や「スマートEX」を使うと安くなる。前者は年会費1080円で、いつでも会員価格で予約可能。後者は年会費無料だが割引率が低め。いずれも早目の予約で割安になる“早特”が使えるので得な方を選んで。◆120日前までの予約は星野リゾートがお得「宿泊施設の価格は需給バランスで変わりますが、星野リゾートには早割があります」(LINEトラベルjpナビゲーター・渡辺裕希子さん) 例えば全国5か所にある「星のや」なら120日前までの予約で60%オフ、90日前までで45%オフに(諸条件あり)。※女性セブン2019年3月28日・4月4日号
2019.03.18 07:00
女性セブン
朝ドラで“復帰”した牧瀬里穂に女優オファー続々か
朝ドラで“復帰”した牧瀬里穂に女優オファー続々か
 NHK連続テレビ小説『まんぷく』で、9年ぶりのドラマ出演を果たした牧瀬里穂(47才)の近況が久しぶりに伝えられた。夫でデザイナーのNIGO(48才)の事業が好調で、結婚生活も順調だという。 3月2日、NEWSポストセブンでは、「牧瀬里穂 夫NIGOのカレー店事業軌道に、セレブ生活復帰」とのタイトルで記事を配信。 NIGOは2008年に“裏原宿系ファッション界のカリスマ”と呼ばれそのセレブぶりが話題になったが、会社の経営状態はみるみる悪化。その後、NIGOは新たにブランドを立ち上げ、ユニクロやアディダスともデザイナー契約。さらに最近では、カレー店のプロデュース事業が軌道に乗り、牧瀬は“セレブ生活”に復帰したという。 これに対して、ネット上では、「商才があるんでしょうな NIGOはインタビューとか見ても人柄よさそうだし、夫婦円満ならいいじゃない」、「夫が窮地の時に離れず側に寄り添い一緒にいてあげるのはすばらしいと思います」など概ね、好意的な声が多い。 牧瀬の美貌への称賛の声もかなり上がっている。「この人はデビューした頃と変わらず可愛い。女性はそれが一番」、「牧瀬里穂のデビューした時の可愛さの衝撃といったら!!こういうお顔立ちは歳を重ねても綺麗ですよね。あと、辿ってきた人生が幸せに満ち溢れているせいもある」、「朝ドラ観てると、綺麗で変わりないなぁと思うし、女優として演技も磨かれた印象。親しみやすい大阪のお姉さまキャラ、意外とハマってます」 牧瀬といえば、1989年に芸能界デビュー。同年12月、JR東海「クリスマス・エクスプレス」のCMで注目を集めた。1990年代は宮沢りえ、観月ありさとともに、名字の頭文字をとって「3M」と呼ばれた。2008年にNIGOと結婚してからは、テレビなどでの露出は減ったが、今回、『まんぷく』で9年ぶりにドラマ“復帰”となったわけだ。「牧瀬の朝ドラ出演は “視聴率アップに貢献した”という声が出るほど、業界では話題になっています。民放のドラマ関係者も注目しています。民放のドラマはF2層(35~49歳の女性)の支持を集めるのが高視聴率のカギといわれていますが、40代後半の牧瀬はこの世代にドンピシャです。“3M”と聞いても若い世代はピンときませんが、40代以降なら知らない人はいません。牧瀬はこれまで浮いたスキャンダルはなく、”セレブ妻”というイメージもあまりないため、女性から反発を受ける要素は少ないです。しかも、今回の“苦労した夫を支えた”という報道でイメージはアップしたと言えます。“牧瀬を使いたい”という声はドラマだけではなく、CMなどにも広がっていく可能性があります」(芸能関係者) 牧瀬が再び“シンデレラ・エクスプレス”に乗る日は間近か――。 
2019.03.05 16:00
NEWSポストセブン
リニア新幹線 静岡県とJR東海が直面する「大井川水源問題」
リニア新幹線 静岡県とJR東海が直面する「大井川水源問題」
 江戸時代には東海道でも屈指の難所と呼ばれ、箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬと言われた大井川。その大井川が原因で、中央リニア新幹線プロジェクトが困難に直面している。トンネル掘削によって大量に噴出する大井川水源の水を、どのように処理するのかという問題だ。ライターの小川裕夫氏が、大井川を挟んで静岡県とJR東海が直面している問題についてレポートする。 * * * JR東海が2027年開業を目標に工事を進める中央リニア新幹線。約9兆円も投じる一大プロジェクトは、JR東海にとって社運を賭けたと形容しても過言ではない。その一大プロジェクトに暗雲が立ち込めはじめた。 先の山梨県知事選で当選した長崎幸太郎新知事が、甲府に建設が予定されているリニア駅の周辺整備計画を白紙撤回することを示唆しているからだ。また、長野県でも阿部守一知事がリニア建設によって排出される残土処理で、環境に配慮することを要請。 早期の開業を目指していたJR東海にとって、クリアしなければならない課題が増え、そのために開業年がさらに遅れる可能性も否定できない。 とはいえ、山梨県や長野県はリニア開業で恩恵を受ける。だから、リニアの早期建設・開業を望む声も根強い。 問題は、リニアが通るだけで駅が設置されない静岡県だ。 東京と名古屋を約40分で結ぶ中央リニアは、路線の大半が山の中を走る。そのため、中央アルプス・南アルプスにトンネルを貫くための大工事をしなければならない。単純に山を掘削するだけでも大変な作業だが、南アルプスの地下には大井川の水脈がある。この水を巡って、静岡県とJR東海が対立しているのだ。 トンネル工事では、事前から大量の水が湧き出ることが予測されていた。その湧き水の扱いを巡って、静岡県側は「湧き水の全量すべて戻す」ことを主張。一方、JR東海は「減量分を戻す」と主張した。 静岡県とJR東海の意見対立は、平行線をたどった。そのため、静岡県の川勝平太知事はリニアのトンネル掘削工事を許可しなかった。「だからと言って、静岡県がリニア建設を反対しているというわけではありません。行政は暮らす人たちを守るのが務めです。リニアの掘削工事をするなら、きちんと地元自治体の言い分を聞き、地元住民の生活が脅かされないようにしてほしいとお願いをしているのです」と説明するのは、静岡県くらし・環境部環境局水利用課の担当者だ。 リニアの掘削工事で影響が出る大井川は静岡県の中部を流れる河川で、地元自治体が上下水道で使用する。そのほか、農家や工場などが農業用水・工業用水としても利用している。それだけに、大井川の水の量が減ってしまえば、経済活動にも影響が出る。 明治期から高度経済成長期にかけて、日本の電気の大半は水力発電で生み出されていた。なかでも、大井川流域では盛んに水力発電が取り組まれ、それが日本経済の発展に寄与した。大井川の水は、戦後復興を支え、高度経済成長を実現し、日本を世界の経済大国に押し上げた立役者でもある。 水力発電が主流ではなくなった今でも、大井川の水に恩恵を受ける利水者は多い。流域の8市2町と農業用水・工業用水として利用する団体が、今年8月に大井川利水関係協議会を発足。同協議会は、リニアの工事対策をきちんと講じるようJR東海に要請した。「水は生命の源ですから、『全量を戻す』という静岡県や協議会が出している条件は絶対に守ってもらわなければなりません」(同) 同協議会には政令指定都市の静岡市は入っていないが、焼津市・島田市・藤枝市・掛川市・袋井市といった地方自治体のほか、電力会社や水道企業団などが名を連ねる。さすがのJR東海もこうした主張を受け入れざるを得ず、昨年10月にJR東海が「全量を戻す」という静岡県側の言い分を飲むことで問題は決着に向かいつつある。「まだ、ようやく話し合いのテーブルに着いたばかりです。『どうやって全量を戻すのか?』という具体的な方法を決める話し合いはこれからです。県民の暮らしを守るためにも、慎重に議論していかなければなりません」(同) 国土開発にまつわる話は、どうしても推進側に有利な世論が形成されやすい。例えば、東京湾の埋め立てでは、千葉県の地元漁師たちが猛反対した。千葉県は反対住民たちを説得するために、多額の補償金を出すと約束。しかし、生活が立ち行かなくなる漁師たちは補償金をもらうからといって翻意しなかった。 当時は日本列島改造が世論を熱狂させており、日本全国が開発一直線に突っ走っていた。そのため、漁師たちは「ワガママを言っている」「ゴネているだけ」といった厳しい世論を浴びた。 しかし、水問題は農業・工業の生産活動にも結びつく。「大井川の水なんて、しょせんは静岡県民だけしか恩恵がない。だから自分には関係ない」と一笑に付すわけにはいかない。 静岡県内の農業・工業生産が落ち込めば、それは回りまわって東京や名古屋の経済活動を減速させることにもつながる。リニアを発端とする大井川の水問題を、静岡県だけの話にするのは問題の矮小化にほかならない。 静岡県とJR東海のような地元自治体と鉄道会社との齟齬は、全国各地で見られる。決して他人事ではない。
2019.02.24 07:00
NEWSポストセブン
有名アニメ作品の「聖地巡礼」と鉄道、その現状と課題
有名アニメ作品の「聖地巡礼」と鉄道、その現状と課題
「聖地巡礼」という言葉はもともと、聖人にゆかりがあったり、奇蹟が起きた土地を訪れることを指すが、最近はアニメーションの作中に登場する場所をファンが訪れることも表す。風光明媚な場所が作中モデルになることも多く、意外な場所に多くの観光客が訪れるきっかけともなっている。ライターの小川裕夫氏が、アニメ作品の聖地巡礼と、鉄道との関係についてレポートする。 * * * 信仰心が薄いと言われる日本人だが、初詣や学業祈願などで神社仏閣に参拝したことがないという人は少数派だろう。日本では神社仏閣のほか山や川、海などは聖地と化し、人々の信仰を集めてきた。一例を挙げれば富士山がそれにあたり、そうした聖地を訪ねる旅は聖地巡礼と称されてきた。 聖地巡礼において、鉄道が果たした役割は大きい。関東なら成田山新勝寺や川崎大師、関西なら高野山や生駒山宝山寺といった聖地の多くは、鉄道が発達したことにより明治期から大正期にかけてメジャー化した。 神社仏閣を巡る鉄道は、いまだ人気がある。その一方、現在は聖地巡礼の新たな形が生まれている。それが、アニメやマンガの舞台になった地を訪れるというものだ。 アニメやマンガの舞台を巡る”聖地巡礼”は、近年、コンテンツツーリズムと呼ばれるようになった。2012年から放送を開始した「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)は、コンテンツツーリズムの先駆けでもある。 茨城県大洗町に本拠地を置くとされる大洗女子高校と、戦車道という競技で競い合う女子高校生たちの奮闘ぶりを描いた同作では、あちこちのシーンで大洗の街並みが描かれている。同作のファンは、実際に現地に足を運びアニメの世界に没入する。「鹿島臨海鉄道では、アニメ放映と同時にガルパンのラッピング車両を導入しました。現在までに、ガルパンのラッピング車両は4両製造しています。そのうち初代の1号車は塩害で車体が傷んだことで廃車になりましたが、2017年にリニューアルでラッピングを貼り替えて、新たに4号車として生まれ変わりました」と話すのは鹿島臨海鉄道の担当者だ。 鹿島臨海鉄道は、茨城県の水戸駅と鹿島サッカースタジアム駅との約53.0キロメートルを結ぶ路線。大洗町の玄関でもある大洗駅は、茨城県の水戸駅から3駅目に位置する。水戸駅からの乗車時間は、約15分と短い。 そのため、大洗駅から水戸へ通勤・通学している人も少なくない。なにより、大洗は東京から近い人気の海水浴場としても知られているので、夏場になると首都圏から多くの海水浴客が集まる。 その一方、大洗町の人口は約1万6000人と少なく、ほかの地方都市と同様に人口減少に悩まされている。 沿線の市町村人口が減少すれば、当然ながら鹿島臨海鉄道の利用者は減る。しかし、人口が増加する兆しは見えない。 そうした中、鹿島臨海鉄道は交流人口の増加に活路を見出そうとする。ガルパンとのコラボは地域を活性化させる一手段でもあった。 大洗駅は、作中で頻繁に登場する。それだけに駅構内ではガルパンの登場人物を描いたヘッドマークやポスターなどをあちこちで目にする。また、駅の中にある案内所はガルパングッズで埋め尽くされている。 さらに、駅を一歩外に出ればガルパンの顔出しパネルも設置されているので、駅で記念撮影をしていくファンが多い。大洗に足を運ぶだけではなく、ガルパンに登場する北浦湖畔駅を訪問する巡礼者もいる。 ガルパンの聖地になっている鹿島臨海鉄道は、遠方からの巡礼者に満足してもらおうと工夫を重ねている。特に、好評を博しているのが、記念入場券の販売だ。「弊社では硬券の入場券を販売し、日付の入った記念スタンプを押しています。この記念スタンプはガルパンのキャラクターを絵柄にしているのですが、月替わりで絵柄を変えるようにしています。そのため、それを御朱印のように集めているファンも多いようです。また、日付が入るので、推しメンの誕生日に訪れるファンもいます」(同) アニメと鉄道のコラボでは、2019年1月から劇場版が公開された「ラブライブ!サンシャイン!!」(ラブライブ!)も話題になっている。同シリーズは2010年からマンガ連載を開始し、すぐに人気に火がついた。 スクールアイドルという部活動で全国大会「ラブライブ!」に出場する物語である同作は、架空の高校・浦の星女学院高校が舞台になっている。その所在地とされているのが静岡県の沼津市と三島市の一帯だ。 沼津は鉄道の街としても知られる。過去には機関区があり、SLの名所でもあった。沼津駅は今でもその名残をとどめており、駅南口にはSLの煙室扉と動輪が展示されている。 ラブライブ!の作中では、その横で、津島善子が堕天使のパフォーマンスを披露するシーンがある。印象的なシーンではあるが、残念なことにJR東海や沼津駅、沼津市がラブライブ!を全面的にPRしている雰囲気は駅前からは感じられない。 地域に密着した私鉄とは異なり、JRが全面的にラブライブ!を押し出すことは難しいのかもしれない。 ラブライブ!とのコラボに力を入れているのは、三島駅-修善寺間の約19.8キロメートルの駿豆線を運行する伊豆箱根鉄道だ。 伊豆箱根鉄道駿豆線の伊豆長岡駅は、駅舎全体がラブライブ!のラッピングで覆われている。この駅舎ラッピングが大規模だったため、ファンや地域住民の間で大きな反響を呼んだ。しかし、「伊豆長岡駅では、2017年7月からラブライブ!のラッピングを施しました。しかし、市の”屋外”広告条例に抵触しているとの指摘を受けました。そうしたことから、2018年3月に“屋内”広告物に貼り替えることになりました。貼り替えと同時に、新しいデザインに変えています」と話すのは伊豆箱根鉄道総務課の担当者だ。 ラブライブ!のラッピングが施されていた駅舎のガラス壁は、厚さが約1センチ。はた目からしたら、屋外だろうが屋内だろうが、さほど違いを感じない。それでも内側と外側の違いだけで、条例に抵触してしまった。 市からの指摘を受けて新たに貼り替えられた屋内ラッピングは、屋外に貼り出されたモノよりサイズは大きくなった。これが、かえってファンを歓喜させた。 ラブライブ!効果は、数字にも表れている。伊豆長岡駅の一日平均乗降人員は、2015年度が4816人。対して、2017年度は4953人。一日あたり100人以上も増加した。 一日に100万人以上も利用される東京圏や大阪圏と比べれば、100人の増加は微々たる数字に思えるかもしれない。しかし、地方の鉄道にとって、一日100人の利用者増はかなり大きい。 人口減少待ったなしの地方都市にとって、公共交通の維持は至上命題になっている。なかでも、鉄道インフラの存亡は街の衰退を左右する。それだけに、自治体も鉄道維持には躍起になる。 しかし、どこの市町村も自治体財政は逼迫しており、地域にとって重要だとわかっていながらも鉄道会社の経営支援のために税金を投入することに二の足を踏む。 コンテンツツーリズムで聖地巡礼者を呼び、巡礼者たちが鉄道を利用することで鉄道維持にかかる地元住民の負担軽減にもつながる。それは、ひとえに地方都市の生存戦略にもなるだろう。 しかし、アニメファンを金づると見てしまえば、巡礼者はそっぽを向く。そうしたら、せっかくの地域振興が水の泡だ。 アニメの放映期間は原則的に3か月。マンガの場合はそれよりも長い連載になるが、それでも聖地巡礼は一時的なブームでしかないと冷ややかに見る向きもある。 しかし、クレヨンしんちゃんの埼玉県春日部市やちびまる子ちゃんの静岡県静岡市(マンガ連載時は清水市)のように一般に浸透した聖地もある。 地域資産として定着させるためには、地方自治体と鉄道会社の協力関係は不可欠だ。どのように巡礼者と向き合うのか? 地方自治体と鉄道会社の新たな向き合い方が注目される。
2019.01.27 16:00
NEWSポストセブン
鉄道における保安検査 五輪を機に日本でも導入されるのか
鉄道における保安検査 五輪を機に日本でも導入されるのか
 飛行機に搭乗する前、空港で受ける金属探知機やX線検査などを利用した保安検査だが、近年、新幹線など鉄道への導入を望む声も上がっている。2020年東京五輪開催へ向けて強化される予定の鉄道における保安対策は、どうなるのか。ライターの小川裕夫氏が、日本での議論の行方と海外事例についてレポートする。 * * * ここ数年、東海道新幹線では凄惨な事件が相次いでいる。 2015年6月には自殺志願者が車内で焼身自殺を図り、巻き込まれた女性が死亡。2018年6月には、斧のようなものを持った犯人の凶行が起こる。このときは、応戦した乗客が死亡した。 どちらの事件も大々的に報道されたため、東海道新幹線の運行事業者であるJR東海のみならず、政府・国土交通省や各鉄道事業者はテロを未然に防ぐための取り組みを加速させている。 鉄道の車内は平穏が保たれ、乗客は快適かつ安全に移動することが約束されている。そんな車内で犠牲者を出す惨事が起きたことは、鉄道会社にとっても利用者にとっても、なにより国家にとっても見過ごすことはできない。 空の便では国内線・国際線を問わず、身体検査・手荷物検査を厳重に実施。利用者の安全確保に努めてきた。 他方、国内の鉄道事業者はテロを未然に防ぐための身体検査・手荷物検査を実施していない。飛行機とは異なり、鉄道は駅に着いたらすぐ乗車できる。それが鉄道のメリットでもある。身体検査や手荷物検査は、時間を要する。安全対策とはいえ、発車30分前に駅に到着してセキュリティチェックを受けることが義務づけられれば鉄道の利便性は失われてしまう。 これまで、日本の鉄道ではテロが発生する危険性はきわめて低く、それゆえに鉄道業界は「鉄道の利便性を損なう」「駅スペースが狭い」「ラッシュ時間帯身体検査・手荷物検査を実施すれば、駅に人が溢れる可能性があり、その混雑が危険な状況を生む」との理由から身体検査・手荷物検査の実施には消極的だった。 利用者の立場からも、新幹線に乗車するために駅に行って身体検査や手荷物検査で待たされるのは苦痛だろう。年末年始や夏休みの繁忙期は、それこそ1時間以上も待たされることを覚悟しなければならない。 気軽に利用してきた新幹線だったのに、面倒な手間が増えたら、敬遠する人も出てくるだろう。 しかし、社会や安全に対する認識は大きく変わりつつある。 2020年には東京五輪が開催される。世界が注目するビッグイベントだけあって、多くの賓客・観光客が東京を訪れるだろう。その東京で、万が一にもテロが起きたら、それは鉄道事業者の信頼を揺るがす。国家の威信も大きく失墜する。「国土交通省では、日常的に鉄道のテロ対策について議論・意見交換しています。鉄道事業者と情報共有や意見交換をする連絡会議を設置し、そこでは新たな対策を話し合ったり統一したマニュアル作成したりといったことにも取り組んでいます」と話すのは、国土交通省鉄道局総務課危機管理室の担当者だ。 しかし、国土交通省の連絡会議で話し合われているのは、あくまでも通常の鉄道利用における話だ。東京五輪開催時は、多くの訪問客が新幹線・地下鉄・在来線を利用するだろう。五輪開催時の対策は、どうなっているのか?「東京五輪開催時におけるテロ対策は、重要な課題です。しかし、これは内閣府や法務省、防衛省、警察庁といった複数の省庁で組織される東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局(以下、事務局)が所管しています」 事務局には警察庁や防衛省といった省庁のほか、サイバーテロや消防庁を所管する総務省、感染症対策にあたる厚生労働省なども名を連ねる。五輪における鉄道のテロ対策は、普段の鉄道テロ対策とは別組織があたる。 事務局での協議は今のところ交通の混雑対策が中心で、テロ対策の議論は活発化していない。しかし、このほど鉄道のテロ対策を強化する実証実験として、2月から東京メトロ霞ヶ関駅で手荷物検査を試験的に実施すると新聞各紙が伝えた。 実証実験の詳細は明らかにされていないが、空港で実施されている手荷物検査と同等のセキュリティチェックになることが予想される。霞ヶ関駅での実証実験は、五輪開催時を想定したものだろう。「日常的に利用する地下鉄や在来線で身体検査や手荷物検査を実施すれば、鉄道の利便性が損なわれます。そのため、在来線や地下鉄での身体検査・手荷物検査を導入することは想定していません」(同) とはいえ、霞ヶ関駅の実証実験の結果や東京五輪で蓄積された安全対策の一部ノウハウは、通常時の鉄道テロ対策に活かされることは間違いない。これを契機にして、東京圏の在来線や地下鉄でも手荷物検査・身体検査が段階的に導入される可能性だってある。 日常的に利用している鉄道で、手荷物検査・身体検査が実施された場合、乗車時刻よりも5~10分ほど早く駅に到着する必要がある。たった5分といえども、通勤・通学で鉄道を毎日利用している人には重荷になる。 一方、長距離・長時間にわたって運行される新幹線や特急列車の場合はどうなのか?「新幹線や特急などの駅間が長い列車に関しては、鉄道事業者が個別にセキュリティスタッフを警乗させて、安全対策に努めています。駅間が短い大都市近郊電車や地下鉄などの場合は、列車への警乗も混雑を加速させる原因になります。そのため、駅構内の警戒を強化する方針にしています」(同) 以前に比べれば、日本の鉄道は車内カメラの設置数を増やしている。それを遠隔で監視できるようにするなど、テロ対策は格段に強化されている。しかし、カメラは犯人を確認・追跡するなど犯行後には役立っても、抑止力としては弱い。 また、列車内警乗は警察と同等の権限を有する鉄道警察隊が担当するのではなく、あくまでも民間警備会社のスタッフが担当する。強制力を持たない警備スタッフが未然に犯行を防げるのか?事件が起きた場合に、きちんと対応できるのか? といった不安も残る。 諸外国では、鉄道でどんな警戒態勢を敷いているのか? 2004年に首都・マドリードで列車爆破テロが起きたスペインでは、高速鉄道の乗車前に手荷物検査が実施されるようになった。一部の都市では、地下鉄の撮影も禁止されている。 中国では、高速鉄道の乗車前に厳しいセキュリティチェックが実施されていることは有名だ。しかし、中国では長距離を走る高速列車だけにセキュリティチェックを課しているわけではない。 首都・北京では、空港にアクセスする機場線や地下鉄各駅でも手荷物検査・身体検査を実施している。また、車内でも乗務管理員と呼ばれるセキュリティスタッフが複数人警乗する。常に監視の目が光っている。 北京オリンピックを機に、中国は鉄道の安全対策を徹底させるようになった。それは、2017年末に開業したばかりの路面電車にも及ぶ。路面電車の車内にも乗務管理員が複数人警乗し、各駅にも人員を配置。また、路面電車でも主要駅では手荷物検査や身体検査を実施している。 さらに、北京市の路面電車では踏切にも人員を配置している。驚くほど厳重な中国の鉄道は、どことなく物々しくもある。 海外と比較すれば、日本は格段に治安がいい。爆発物や銃器を用いたテロが起きる危険性はきわめて低い。だから、諸外国と同列には論じられない。冒頭で触れた東海道新幹線車内で発生した事件も、組織的なテロではない。あくまでも個人の犯行だ。 それゆえに、現段階では政府機関も鉄道事業者も利便性を損なうほど入念なテロ対策を講じる必要はないと判断しているようだ。しかし、我が国は地下鉄サリン事件という鉄道を舞台にした前代未聞のテロ事件を経験している。 地下鉄サリン事件を機に、政府機関や鉄道当局は安全に鉄道を運行するための指針を作成。また、テロ防止のために駅構内の改良も進めた。地下鉄サリン事件を教訓にして、鉄道事業者も安全性を高める工夫を凝らした。 安全性の維持・向上は不断の努力の賜物と言えるが、時代の変化に応じて見直さなければならない。五輪開催を控えて、現状の警戒レベルのままでよいと判断している関係者は少ない。 安全性を追求すべきか、それとも利便性を優先すべきか? 関係者間でも、どちらに比重を置くべきかは意見が割れている。そこには、安全対策の費用よりも厳重なセキュリティチェックによって時間と手間といった負担を強いることになるからだ。鉄道事業者の根底には、利用者から理解を得られるのかといった心配がある。 現在、列車が大幅に遅延すると、駅員に食ってかかったり、暴力を振るったりするケースは報告されている。厳重なセキュリティチェックでも、「一部の不届き者のために、なぜ無関係な自分が手間をかけさせられるのか?」といった不満が乗客の間に広がることが予想される。そうした不満が引き金となり、鉄道職員と利用者との間で無用のトラブルが起きかねない。 国土交通省や鉄道事業者は、利便性を確保しつつ安全性を担保するという悩ましい矛盾をつきつけられている。これを両立させることは、至難の業だ。果たして、国土交通省と鉄道事業者は妙案を見出せるのか?
2019.01.14 07:00
NEWSポストセブン
平成を彩ったCMの数々 ポリンキーや「ポポポポーン」など10選
平成を彩ったCMの数々 ポリンキーや「ポポポポーン」など10選
 テレビの影響力が落ちて久しいと言われる昨今だが、いまだにテレビ番組で「エゴマ油を摂取すると痩せる」と紹介されたところ各地のスーパーやネット通販で売り切れが相次ぐなどその影響力は計り知れない。また、今年は「ハズキルーペ」のCMが大いに話題となるなどCMの影響力も再び見直されている。平成が終わりを迎えようとする中、博報堂出身のネットニュース編集者である中川淳一郎氏が、「平成を彩ったCM」について振り返る。 * * * いやぁ~、ハズキルーペのCM最高っすよ! 久々にCMが脚光を浴びる結果になったので、このCMを考えた同社の松村謙三会長の発想力には脱帽です。私は今では編集者になってしまいましたが、元々はコピーライターになりたいな、ウヒヒ、みたいなことも考えていたわけで、広告は好きです。というわけで、私自身の思い出とも紐付いた「平成を彩ったCM」を勝手に10個挙げてみます。◆【1】ポリンキー(湖池屋)「バザールデゴザール」や「ドンタコス」等でも知られる佐藤雅彦さんによるCMです。「ポリンキー劇場」として、三角形のスナック菓子であるポリンキーのキャラが歌を歌いながら踊る。「ポリンキー、ポリンキー、三角形の秘密はね…」とか「ポリンキー、ポリンキー、10%増量中」などとやって最後に「値段は元のまま、ジャン」と締める。とにかく歌が頭に残るという意味では秀逸なものでした。また、佐藤さんが作っているということがよく分かる時点でCMにも「作家性」ってあるんだな、と思います。◆【2】あいさつの魔法(AC) 2011年3月11日の東日本大震災の発生直後、各企業はCMを自粛しました。すでに枠は押さえている場合は、AC(公共広告機構)のCMに差し替えられることが多いです。もちろんACにしないという選択もありますが、当時は仁科亜希子さん・仁美さん親子のがん検診啓蒙CMと「ポポポポーン」で知られる「あいさつの魔法」CMが大量に流れました。このCMを見ると「震災を思い出してしまう」という声はあったものの、「ポポポポーン」は2011年の「ネット流行語大賞」を取るほど流行ったことばになりました。しかしながら「あいさつは大事なこと」というメッセージはその通りだと思います。私も妙に「ポポポポーン」が好きになってしまい、誰かと飲む時は両手でハイタッチをし「ポポポポーン」と未だにやっております。◆【3】冬物語 1995年版(サッポロビール) カズンの「冬のファンタジー」をバックに、北浦共笑さんが雪が積もった屋根の上に寝っ転がって冬物語を飲んでいたら仲間がやってきて皆で家の屋根の上でビールを飲む、という無茶苦茶なシチュエーションなのですが、当時マーケティングを勉強していた身分としては、「季節限定商品」というのは非常に関心が高かったこともあり、このCMは非常に印象に残っています。当時は「鍋の季節の生ビール」みたいな商品があったり、晴れた清々しい日に飲む「太陽と風のビール」なんてものもありましたね。◆【4】クリスマスエクスプレス(JR東海) このシリーズについては、1988年の深津絵里さんバージョンと1989年の牧瀬里穂さんバージョンが白眉として知られております。しかしながら、2000年の星野真理さんが登場するバージョンに深津さんと牧瀬さんが「見守るお姉さん」的に登場するものも秀作です。若き日にモテることのなかった私としては「けしからん!」と言いたくなる一連のCMではありますが、やっぱり恋愛っていいものだな、と思わせる出来栄えです。◆【5】キンチョール(大日本除虫菊) 故・大滝秀治さんが岸部一徳さんに対して「お前の話はつまらん!」と説教をするCMです。キンチョールが地球環境に優しいものになったことについて岸部さんが滔々と説明する中、「つまらん!」と言い放つ大滝さんが2003年に話題になりました。【1】で紹介した佐藤雅彦さんの「作家性」と合わせてこれも電通関西にいた山崎隆明さんによるものだと分かる点が素晴らしいです。◆【6】どうする、俺(ライフカード) 2000年代中盤、「続きはWEBで」が流行りましたが、その走りのようなCMです。オダギリジョーさんが人生の様々な選択で悩み、さて、この後はどんな展開になる? をウェブで見せようとするいわゆる「メディアミックス」型のCMです。いかにネットとマスを融合させるか、という実験の先駆けとしてここに挙げさせていただきました。◆【7】春咲き生ビール 1995年版(キリンビール) EPOの「う・ふ・ふ・ふ」に合わせて大塚寧々さんが桜が散る様子を見て「春だ」と気付くところから始まります。1995年3月、私自身は村上春樹さんの小説に出てくるビールが好きな孤独な若者に憧れていた痛い学生でした。春休み、JR中央線の国立駅から南に伸びる大学通りを歩きながら勝手に孤独な感傷に浸っていました。誰と会うでもなく過ごした春休みだったのですが、このCMに出てくる大塚寧々さんの「忙しい中、春だと気付き、仕事に熱中している場合ではない! 友人と一緒に春咲き生ビールでも飲むか!」という感覚を自らに重ね合わせ、大学通りの桜の下、一人このビールを飲んだ思い出があります。◆【8】そうだ京都、行こう。(JR東海) このシリーズもとにかく京都に行きたくなる効果はありますが、特に好きなのは1993年の伏見稲荷バージョンです。このCMを見て実際に伏見稲荷に行ってみましたが、とんでもなく寒い日、一人して連続する鳥居をくぐった時、頭の中で『サウンド・オブ・ミュージック』の『My Favorite Things』が鳴り響いていました。◆【9】黒ラベル「温泉卓球」(サッポロビール) 2000年の正月、箱根駅伝を見ていたらメインスポンサーたるサッポロビールのこのCMを見てガツンと衝撃を受けました。「2000年問題」がとりあえず起こらなかったな、と安心した中、まさかの豊川悦司さんと山崎努さんが卓球勝負をするCMが登場するとは! 2人ともシリアスな役柄が似合う役者だというのにあまりにもコミカルで一気に2人のファンになりました。その後、この2人はBBQ対決をするなど、季節ごとに楽しませてくれました。私がサッポロ黒ラベルが好きなのは、このCMの影響もあると思います。◆【10】ピコー(サントリー) これについては、大学に入った年、男35、女5というクラスに所属することになったのがきっかけです。新入生1200人が歓迎旅行に水上温泉へ行ったのですが、クラス一の美女が確かこの「ピコー」の踊りを真似して見せたんですよね。それが頭に残っているとともに、彼女の姿を今でも思い出すことから入れました。 皆さんにも様々な平成のCMの思い出はあるでしょう。広告は時に邪魔だと感じることはあるでしょうが、時々楽しませてくれるものもあるので、侮れません。
2018.12.15 16:00
マネーポストWEB
日本会議 なぜ憲法改正1000万人の署名を集められたのか
日本会議 なぜ憲法改正1000万人の署名を集められたのか
 第二次安倍政権の6年間で急速にその勢力を拡大させた組織がある。「日本会議」なる保守系団体だ。会員は約3万8000人(2016年時点)。政界には『日本会議国会議員懇談会』があり、衆参約280人が加入している。 2014年10月からはJR東海の葛西敬之・名誉会長(78)らが代表発起人となって「美しい日本の憲法をつくる国民の会」を結成して国民運動を展開し、わずか4年で憲法改正に賛同する1000万人以上の署名を集めた。短期間のうちにこれだけの運動体を組織したオルガナイザーは誰なのか。組織の編成も、さらには任意団体のために資金力や経理も明らかにされていない。『日本会議の正体』の著書があるジャーナリスト・青木理氏が語る。「事務総長として組織運営を仕切っているのは椛島有三氏(かばしまゆうぞう・73)。学生運動が激しかった1960年代に宗教団体『生長の家』が設立した右派の学生組織『生長の家学生会全国総連合(生学連)』で椛島氏は活動し、日本会議の前身の『日本を守る国民会議』の事務局長になった」 一番の謎は、どのように運動を拡大して国民に浸透し、どこまで組織の実体があるのかという点だろう。「日本会議の活動を下支えしているのは全国約8万社の神社を傘下に置く神社本庁と右派の神道系の新興宗教団体。日本会議は独自の組織で活動しているというより、宗教右派の統一戦線と捉えた方がいい。改憲署名集めも神社の境内などで行なわれてきた」(青木氏) 生長の家を支持基盤に国会に出た村上正邦・元自民党参院議員会長は日本会議の「生みの親」とされるが、過去、本誌・週刊ポストに対し、〈安倍政権の側近連中が、ことあるごとに発言するから、大きな力になっていくんですよ。地方議会においては、椛島あたりのシニア部隊が議員をオルグしていくから、議会がそれ(日本会議)に従うような構図が生まれてくる〉と分析している。 国会議員懇談会も、安倍内閣では“お友達”である懇談会メンバーが大臣の多くを占めていることから、入閣希望者が我も我も……と入会した傾向がある。“強大な保守系団体”という印象ばかりが巨大化した日本会議。だが、現実には1000万の署名を集めるようになった。しかし、それが具体的にどのような政治力を持っているのかが依然として見えないこともまた“当世フィクサー像”の変化といえる。※週刊ポスト2018年12月7日号
2018.12.01 07:00
週刊ポスト
靖国やNHK会長人事にJR東海名誉会長が影響力を持つ理由
靖国やNHK会長人事にJR東海名誉会長が影響力を持つ理由
 JR東海の葛西敬之・名誉会長(78)といえば、公益事業の経営トップには珍しく硬派な保守思想を歯に衣着せず発言する「ものいう財界人」でもある。安倍晋三・首相にとっては保守政治の「指南役」的存在とされるが、靖国神社の総代を務めていることは一般にはあまり知られていない。 その靖国神社は、小堀邦夫宮司が6月に行なわれた定例会議の席上、「今上天皇は靖国神社を潰そうとしているんだよ」などと発言していたことを本誌・週刊ポスト(10月1日発売号)が報じ、大きく揺れている。事態収拾に総代の葛西氏が動いたという。「事情を把握するため葛西氏が靖国に出向いたんです。宮司の人事は総代会で決められるため、辞任を避けられなくなった小堀宮司は、宮内庁に謝罪したうえでケジメをつけました」(靖国神社関係者) それにしてもなぜ、JR東海という公益企業の経営者が靖国神社総代なのか。顧客の幅が広いビジネスであれば特定の宗教や政治思想の“カラー”を打ち出すことはむしろマイナスに働くような印象さえある。 葛西氏の人脈にその秘密がある。日本最大の保守系団体「日本会議」のメンバーが中心になって発足させた憲法改正を推進する国民運動組織が「美しい日本の憲法をつくる国民の会」だ。葛西氏はその代表発起人に名を連ねている。靖国神社だけにとどまらず、日本会議や神社本庁系の神道政治連盟など安倍首相の政治基盤である保守系団体に広く“ご意見番”として発言力をもっている。 葛西氏の影響力はNHK会長人事にも及んでいる。いまや財界人の“天上がりポスト”と化しているNHK会長だが、たとえ首相官邸が推しても、「葛西氏の眼鏡にかなわなければなれない」と見られている。ノンフィクション作家の森功氏が語る。「葛西氏は安倍首相に近い財界人グループのまとめ役的存在で、NHKが慰安婦問題などで“偏向番組”を制作してきたという不満が強い。そのためJR東海の社長で直属の部下だった松本正之氏をはじめ、グループの保守派財界人からNHKの会長を送り込んで改革を進めてきた。NHK会長の人事権を持つ経営委員会の委員長も葛西氏人脈の石原進・JR九州元会長が押さえている」 たとえ安倍首相であろうと、葛西氏の“勘気”を蒙るようなことになれば、支持基盤が危うくなるかもしれないのだ。※週刊ポスト2018年12月7日号
2018.11.26 16:00
週刊ポスト
首相の経済界人脈 JR東海、富士フ、日立重鎮、別格はウシオ
首相の経済界人脈 JR東海、富士フ、日立重鎮、別格はウシオ
 安倍晋三・首相の経済人脈には、財界主流から若手経営者までいくつかのグループがあるが、お友達のインナーグループに入らなければ政権の肩入れを受けることができないのだから死活問題だ。 財界人の序列を見ると、別格は牛尾治朗・ウシオ電機会長だろう。首相の兄・安倍寛信氏(三菱商事パッケージング社長)の舅という安倍家とは姻戚関係にあり、今年6月、東京三田のフランス料理店「ジョエル・ロブション」で開かれた母・洋子さんの卒寿を祝う会にも出席した。 そして序列上位で安倍政権の後ろ盾として政権に隠然たる影響力を持つのが葛西敬之・JR東海名誉会長、古森重隆・富士フイルムホールディングス会長、茂木友三郎・キッコーマン名誉会長らを中心とする保守派財界人グループだ。葛西氏らは首相が若手の頃から「囲む会」を開いて応援してきた。 そのメンバーの1人だったのが中西宏明・日立製作所会長で、今年、「財界総理」と呼ばれる経団連会長に就任したのは安倍氏との人脈が大きな決め手になったという見方もある。 政策面でも、中西氏の日立や葛西氏のJR東海は、安倍政権が掲げる新幹線や原発などインフラ輸出政策の旗振り役となって強力に推進している“勝ち組”企業だ。 首相とのつきあいが深い「悪だくみ」グループでは、加計孝太郎・加計学園理事長が安倍政権の特区構想を“追い風”にして岡山理科大獣医学部の新設と巨額の補助金を手にしたことは言わずもがなだろう。※週刊ポスト2018年9月14日号
2018.09.08 07:00
週刊ポスト
大迫力! リニア&新幹線のミュージアムで学ぶ高速鉄道の歴史
大迫力! リニア&新幹線のミュージアムで学ぶ高速鉄道の歴史
“夢の超特急”といわれるリニア中央新幹線。これは、時速500kmで走行する超電導リニアによって、東京~大阪間を結ぶ新たな新幹線。全線開業後には、東京~大阪間が約1時間で結ばれる。 JR東海は、2027年に東京(品川)~名古屋間の開通を目標に、現在、走行試験を実施している。 そもそも国内の超電導リニアの歴史は、1962年までさかのぼる。新幹線の次の超高速鉄道として、リニアモーター推進浮上式鉄道の研究が始まる。以降、何度も実験を重ねて53年後の2015年に、山梨リニア実験線で鉄道の世界最高速度である時速603kmに到達した。 そんな中、『リニア・鉄道館』は2011年に名古屋市にオープン。“夢と思い出のミュージアム”として、東海道新幹線を中心に在来線から超電導リニアまでの展示を通じて“高速鉄道技術”の進歩を紹介している。 展示車両はJR東海で活躍した歴代新幹線や超電導リニア、在来線の車両など全部で39両だ。古くは1948年の国鉄時代に製造されたC62形蒸気機関車も展示されている。「C62形蒸気機関車は当時、急行・特急用として製作された日本で最大・最速の旅客用大型蒸気機関車。当時、最速の時速129kmを記録した車両です。ほかにも、世界最速記録を出した新幹線試験電車も間近で見られます」(館長の天野満宏さん・以下同) 展示会場では、まず車両の大きさに圧倒される。「どの車両も高さ3m以上あるので、間近で見ると迫力満点です。近づいて触ることや車内に入ることもできますよ」 順に並ぶ、歴代の新幹線を眺めるのも楽しい。「1964年に国内で初めて走行した新幹線『0系』は、車体の先頭部分が丸かったのに対し、1997年に登場した『700系』は、シャープになっています。0系を初めて見た若い世代には、“まるで、コアラみたい”と、新鮮に映るようです」 時代とともに進化を続ける高速鉄道。その歴史はまだまだ続いていく。※女性セブン2018年9月13日号
2018.09.04 16:00
女性セブン
鉄道の守護神の最新進化 「全方向踏切警報灯」とは
鉄道の守護神の最新進化 「全方向踏切警報灯」とは
 遮断機が降りた状態が長時間続き通行が困難となり、慢性的な渋滞の原因や事故を誘発するとして嫌われがちな踏切は、近年はほとんど新設されず立体交差などへ作り替えられ、廃止される傾向にある。しかし、どうしても踏切を使わねばならない構造の地理もある。より安全で便利な踏切遮断機を目指して日々、研究と開発が行われている。ライターの小川裕夫氏が、その最前線、全方向踏切警報灯についてレポートする。 * * * 8月5日に放送された「車あるんですけど…?」(テレビ東京系)では、芸能界屈指の鉄道マニアとして知られる廣田あいかさんとななめ45℃の岡安章介さん、そしてナビゲーター役を務めた私の3人で東京・神奈川・千葉の踏切を巡った。 踏切は線路と道路が交差する地点に設置されるが、2000年前後から、年100~200のペースで減少している。特に、東京や大阪などの都市部は政府・地元自治体・鉄道事業者の3者が協力して踏切除去に力を入れてきた。地方都市でも市街地では、踏切をどんどん廃止されている。 一方、地形的に立体交差が難しいなどの事情で踏切が残されている場合もある。その場合、万が一にも事故を起こさせないよう、設置された踏切には安全対策がふんだんに盛り込まれる。 近年、安全対策のトレンドになっているのが、全方向踏切警報灯への切り替えだ。それまで踏切の警報灯は、正面から見ることが前提にされていた。そのため、側道から踏切警報灯を確認することは容易ではなかった。しかし、側道から右折ないし左折して進入するような構造の踏切もある。 正面からだけではなく、横からでも警報灯の点滅を確認できれば安全性はより高まる。また、側道から踏切に進入できる道路構造の場合、踏切警報灯を6灯設置する必要がある。全方向踏切警報灯なら、それが2灯で済む。 それだけでも省エネというメリットはあるが、そのほかにも全方向踏切警報灯を導入するメリットはある。「6灯の警報灯を設置しなければならない踏切において、2灯で済ませられるようになれば、警報灯を支える踏切警報柱の負荷が少なくなります。負荷が少なくなれば、警報柱の長寿命化につながるのです」と話すのは全方位踏切警報灯を製造している東邦電機工業の牧野純男社長だ。「車あるんですけど…?」の番組後半でも、神奈川県座間市にある東邦電機工業の踏切工場を訪問。東邦電機工業は、全方位踏切警報灯の国内トップシェアを誇る。番組で”全方向踏切警報灯”の製造現場を見学している様子はオンエアされたが、工場見学のシーンはコンパクトにまとめられていた。 30分番組という制約上、すべてを紹介できないのは仕方がないことではある。しかし、オンエアされなかった部分には普段は知ることができない、踏切を安全にするための試行錯誤や技術的な話も多くあった。「弊社が、全方向踏切警報灯をリリースしたのは2004年です。以降、現在も全方向踏切警報灯の改良を続けています。2004年に開発された全方向踏切警報灯は、ひとつの警報灯に4つのLED基盤が入っていました。2009年に新改良した全方向踏切警報灯はLED基盤の配置を工夫し、内蔵されている基盤は3つになりました。LED基盤が4つから3つになることで、踏切警報灯の省エネ化と軽量化が同時に進みました。また、改良を重ねたことで、見やすさも向上。安全性が高まったのです」(同) 東邦電機工業の飽くなき改良精神は、工場の入り口に設置されている踏切からも読み取れる。 同社の工場は閑静な住宅街の一画にあるが、その工場入り口には大きな踏切が設置されている。初めて工場を訪れると、この巨大な踏切に度肝を抜かれる。これは、単なるオブジェとして飾られているわけではない。きちんとした意味がある。「入り口の踏切は、LEDの耐久性能をテストするために設置しています。全方向踏切警報灯は約10万時間の点滅で半減値に達すると言われていますが、警報灯は列車が通過するときにしか点滅しません。だから、10年以上は使用できる計算です。警報灯の寿命のほか、風雨に晒されても正常に作動するかどうかもチェックしています」(同) 改良の積み重ねによって進化を続ける全方向踏切警報灯は、その高い安全性を鉄道事業者も認めている。JR東海やJR九州は、今後はすべての踏切を全方向踏切警報灯に替える方針にしている。 全方向踏切警報灯が変えたのは鉄道業界だけではない。その旋風は、おもちゃや文房具の世界にも及ぶ。 鉄道おもちゃの代表格であるプラレールでも、全方向踏切警報灯が登場。これは東邦電機工業が製品化に協力している。また、東邦電機工業がノベルティとして制作・配布していた踏切ボールペンや踏切ストラップも、今夏から一般販売を開始した。 踏切は待たされるもの、事故が発生する場所というネガティブなイメージが常につきまとう。それゆえに鉄道事業者からも、歩行者・自動車からも嫌われ者だった。 一方、踏切は歩行者や自動車などを事故から守ってくれる、いわば鉄道の守護神的な存在でもある。そして、その守護神たる踏切の安全性を高めようと、踏切メーカーは踏切警報灯や遮断桿など、今も人知れず試行錯誤している。
2018.08.29 07:00
NEWSポストセブン
外務省「北東アジア課」分裂の全内幕 そして日朝交渉は迷走
外務省「北東アジア課」分裂の全内幕 そして日朝交渉は迷走
 文科官僚による「裏口入学」賄賂事件を見ても、いまや霞が関の底は完全に抜けた。国益を一手に背負う外務省までもが、その混乱の波に呑まれている。米朝の急接近によって日本の対北朝鮮外交が岐路を迎えているが、この重大局面で外務省の動きがほとんど見えてこない。実はこの間、対北外交をめぐり、さまざまな思惑が入り組んだ官邸vs外務省の“刺し合い”が起きていた。ノンフィクション作家・森功氏がレポートする。(文中敬称略) * * *◆河野太郎の怒声 河野太郎が外務大臣になる少し前、昨年春先の出来事である。「あんた方はやる気がないのか、馬鹿なのか、それともわざと嘘をついたのか、その3つのうちのどれなんだっ!」 自民党の政務調査会に、河野の怒声が鳴り響いた。モリカケ問題が紛糾し始めた通常国会を尻目に、自民党は6月18日の会期末までに共謀罪法案の成立を目指していた。当時の河野は閣外だったが、党政調の法務部会に法務省と外務省の担当部局を呼びつけ、とりわけ外務省に怒りをぶちまけた。 共謀罪法の成立が安倍政権をはじめ自民党の大きな悲願なのは、言うまでもない。父親(河野洋平)にハト派のイメージがあるので意外かもしれないが、党内で法案を進めようとしてきた急先鋒が河野太郎である。戦中の治安維持法の暗い影が付きまとう法案には、国民のアレルギーがあり、なかなか実現できなかった。第2次安倍政権でそんな法の成立にこぎ着けた。河野はその立役者の一人だ。 自民党は共謀罪の必要性について、常々、国際組織犯罪防止に関する国際連合条約(通称パレルモ条約)締結のためだと主張。条約締結の前提条件として、まず国内における共謀罪法の成立が不可欠だと訴えてきた。 奇しくも河野は、2005年10月から2006年9月までの第3次小泉純一郎改造内閣で法務副大臣を務め、パレルモ条約締結と共謀罪法の成立のために外務省と折衝を重ねてきた。そこで外務省は、条約締結の条件として懲役4年以上の676罪すべてを処罰対象にする共謀罪の整備という高いハードルを持ち出した。 真意は測りかねるが、外務省として問題の多い共謀罪の成立を阻む意図があったのかもしれない。が、実際には、パレルモ条約にそこまで幅広い処罰対象の基準はない。第2次安倍政権で成立を目指したこのとき、それを知った河野の怒りはすさまじかった。自民党法務部会で現場を目撃した関係者が打ち明ける。「そのあとの本人のブログ(2017年3月4日付『ごまめの歯ぎしり』)では『676個はいくらなんでも多すぎないか、もっと対象となる罪を減らすべきではないかという議論をしました。しかし、外務省からの回答は、条約に入るためには、一つたりとも減らすことはできないでした。(中略)外務省も嘘をついていたわけではなく……』と柔らかく書いていました。しかし、嘘をつかれたという河野さんの恨みはそんなもんじゃありませんでした。まさに頭から役人を怒鳴りつけていました。以来、河野さんの外務官僚たちに対する不信は相当なものです」 結果、共謀罪法案は処罰対象を277に減らした上、テロ等準備罪を創設する組織的犯罪処罰法改正案(テロ等準備罪法)と国民の受け入れやすい名称に改められて国会に提出された。 そうして会期末ギリギリの昨年6月15日の参院本会議で成立。7月14日にはパレルモ条約を締結する運びとなった。◆官邸の出先機関 首相官邸が河野の取り組みを高く評価したのは言うまでもない。わけても官房長官の菅義偉の信頼は絶大だ。 共謀罪成立の論功行賞なのだろう。モリカケでの追及を避けるかのように慌てて閉じられた国会閉会中の昨年8月3日、河野は第3次安倍第3次改造内閣で念願の外務大臣を射止めた。麻生派のホープでもある河野は、そこから首相候補に急浮上。むろん今年秋の総裁選ではないが、菅らにとって、安倍のあとを託す意中の首相候補になる。 だがその一方、外務省は官邸の信任厚い因縁の新大臣誕生に戸惑い、危惧した。それが現実となったのが、北朝鮮専門部署の発足だ。奇しくも共謀罪騒動から1年後の今年4月、河野は唐突に「北東アジア第2課」の新設を打ち出した。従来、朝鮮半島を担当してきた「北東アジア課」を韓国の「1課」と北朝鮮の「2課」に分割し、7月1日、対北朝鮮政策の新たな組織をつくったのである。「朝鮮半島関連の業務が急激に増大する中、日韓の連携強化や北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題といった諸課題に効果的に対応するためだ」 官房長官の菅もまた、新設部署の発足に伴い河野をそう後押しした。が、外務省のフラストレーションはたまる。「北東アジア2課の新設が官邸の意思なのは間違いないでしょう。外務省としては国交のない北朝鮮の外交窓口をつくらされたことになります。この間、官邸による外務省外しはけっこうあったけど、今度は省内に“官邸の出先機関”までつくらされた。この先、官邸の横やりが入るし、半島外交でもイニシアティブを奪われてしまった、という忸怩たる思いが膨らんでいます」(外務省関係者) 地球儀を俯瞰する外交を標榜してきた安倍晋三は、第2次政権の発足当初、外務省と手を取り合って外遊を重ねてきた。それがすっかり様変わりし、今では双方の間に大きな溝ができている。◆主導権は今井秘書官 元来、日本政府では外務省が対外交渉を担い、各国に置かれた大使館や公使館などの在外公館が窓口機能を果たしてきた。首相や外務大臣と相手国首脳との会談や折衝を段取り、事務方同士で具体的な実務を進めるパターンだ。 第2次安倍政権でも初めはそれを踏襲してきたといえる。谷内正太郎や河相周夫、齋木昭隆、杉山晋輔といった外務事務次官経験者が中心になって外交を支えてきた。とりわけ谷内は、第1次安倍政権後の麻生太郎政権下で「自由と繁栄の弧」という中国包囲網政策を打ち出し、第2次政権の発足した2012年12月以降、新設された国家安全保障局長の任に就いた。 だが、そうした良好な関係も少しずつ変化してきた。外務省の関係者が指摘する。「たとえば2013年6月に事務次官に就任した齋木さんは、安倍総理の財界応援団である『四季の会』を主催するJR東海の葛西敬之名誉会長とも親しく、品川の『うめもと』という割烹で定期的に食事をする間柄でもありました。それで安倍総理も信頼してきたのですが、後任の杉山さんの次官就任をめぐり、総理と距離ができていった。安倍総理が自らの外遊に付き合ってきた杉山さんの早期次官就任を要望していたのに対し、齋木さんは2016年6月まで3年も粘った。そのあたりから確執が囁かれました」 首相のお気に入りの杉山は、2016年から今年1月まで事務次官を務めた。そのあと河相、齋木という2人の先輩次官を飛び越え、駐米大使に抜擢され、異例の人事だと話題になる。外務省の関係者が続けた。「杉山さんを駐米大使に抜擢したのは安倍総理だといわれますが、その杉山さんの後任次官に就いたのが、秋葉(剛男)さんでした。順当ではありますが、秋葉さんは総理政務秘書官の今井(尚哉)さんと同期の1982年入省で、2人は日米原子力協定などのエネルギー政策で意気投合してきた。このトップ人事は総理だけでなく、今井さんにとっても、願ったり叶ったりだったはずです」 こうした外務省の幹部人事に、内閣人事局の力がおよんでいるのは、繰り返すまでもない。 元来、米国寄りの政策を旨とする外務省では、親米派の歴代次官の結束が固いとされてきた。が、第2次安倍政権の政治主導という旗印の下、権力構造が変わってきたようだ。次第に首相や官房長官に仕える「官邸官僚」たちが、外交面でも主導権を握っていった。なかでも目立つのが、首相の分身と呼ばれる政務秘書官の今井尚哉だ。◆「首相の親書」を書き換えた 官邸官僚たちの動きは、首相官邸の機能強化の一環である半面、外務省外しという側面も色濃い。外務省OBが言葉を選びながら語った。「いまや官邸が外交の窓口になり、外務省はそのサポート役に回っています。それはそれでうまく機能すればいいのですが、やはり問題も少なくない。蓄積された外務省のノウハウが生かされず、外交のパイプがうまく機能していないケースもあります」 いきおい外務省には不満が残る。2016年の伊勢志摩サミットにおける「今井ペーパー問題」や昨年、中国国家主席の習近平に宛てた「首相親書の書き換え」問題などは、外交ルートを無視した典型例かもしれない。 今井はサミットに参加した首脳に対し、「世界経済の現状がリーマンショック前夜に似ている」と予定外の経済指標データを示したが、その根拠が薄弱で物笑いのタネになった。 また、自民党幹事長の二階俊博訪中では、首相が習近平に宛てた「親書」を外務省が用意し、それを今井が書き換えて騒動になる。経団連の意向を受けたいきなりの中国寄りの政策転換とされ、対中政策に慎重だった外務省の反発を食らった。とりわけ国家安全保障局長の谷内の怒りはおさまらず、局長の辞任まで匂わす騒動に発展した。 いまや官房長官の菅と並ぶ官邸の最高権力者と評され、すっかり豪腕秘書官の評価が定着した今井は、得意のエネルギー政策でも外交手腕を発揮してきた。トルコや英国への原発輸出などがそれだ。 経産省出身の今井は、原発をはじめとしたエネルギー政策にはめっぽう詳しい。だが、外交は本来門外漢である。結果、原発の輸出計画はどちらも難航を極めている。これでは外務省から不平が漏れるのも、無理ないのである。◆「外務省ルートは時代遅れ」 しかし、それでも豪腕秘書官は意に介さない。そしてここへ来て、北朝鮮外交にも乗り出している。 今井が北朝鮮外交に熱を入れ始めたのは、内閣情報官の北村滋と内閣参与の飯島勲の影響が大きいとされる。警察庁出身の北村と今井はともに第1次安倍政権時代からの秘書官仲間であり、外事畑の長い北村は北朝鮮問題のスペシャリストでもある。また、飯島は小泉政権の政務秘書官として2度訪朝してきた。小泉訪朝時には外務省アジア大洋州局長だった田中均と決裂し、その後、独自の北朝鮮ルートを開拓してきたとされる。「今井さんは飯島さんにモンゴルルートを紹介され、その気になっているようです。飯島ルートを使い、モンゴルでの日朝首脳会談を視野に入れているのではないか、ともいわれています」(外務省OB) その今井は近頃、北朝鮮外交における持論を周囲に披露する機会がめっきり増えている。次のようなアンバイで、親しい番記者相手に言い放っているという。「日本の独自制裁なんてほとんど意味はない。なにより金正恩が気がかりなのは、今の体制が脅かされることなんだから、交渉相手はアメリカのトランプでしょう」 北朝鮮問題でも、当人は自信まんまんの様子だ。今井の描く朝鮮半島の非核化プロセスは、昨今、縮小が囁かれている在韓米軍の撤退ではなく、あくまで米軍の脅威をちらつかせながらの交渉だそうだ。そのなかで国際原子力機関(IAEA)の査察に踏み込み、査察費用を日本が持つという発想らしい。複数の官邸関係者に聞くと、今井は周囲の人間にこうもぶち上げているという。「日本だけが北朝鮮に最大限の圧力を掛け続けるといっても仕方ない。発想を変えなければ。拉致問題は日本にとって弱みのように見られるけど、強みでもある。北朝鮮は拉致解決をちらつかせて日本政府からカネを狙っている。それなら、そこをうまく利用すればいいじゃないか」 もはや日本は北朝鮮の独裁者から相手にされず、蚊帳の外に置かれているという酷評など、微塵も気にしていない。官邸関係者を前にした今井の毒舌はこう続く。「金正恩なんて世界のリーダーからすれば、若造でしかないから、中国もソ連(ロシア)も軽く見ていると思うよ。で、その習近平やプーチンとパイプを持ち、トランプに対してドナルド、晋三と呼び合えるのは、安倍総理だけ。つまり、日米中ソのなかで日本の安倍総理が主役になれる。蚊帳の外なんかとんでもない。いまや先進国の外交はトップダウンで、外務省ルートのボトムアップ外交は時代遅れなんだよ」 そして、外務省批判も忘れない。「谷内さんや秋葉さん、外務省の連中が安倍さんのところにやって来てプロっぽいことを言っている。けど、官邸の考えとはけっこうズレているんだな。米国にはクシュナーをはじめ、いろんなチャンネルがあるから、これまで水面下の話し合いはほぼパーフェクトじゃないかな。拉致のことは、外務省の連中より安倍さんのほうがよほど詳しいからな。だから、ぜんぶ自分(安倍自身)で考えて結論を出せるんだ」 だが、実態はそうではない。たとえばトランプの娘婿であるジャレッド・クシュナーとのパイプは、佐々江賢一郎とその部下が駐米大使として築いたものだ。官邸だけでパーフェクトに外交を進められるとはとても思えない。「外交の安倍」と華々しく打ちあげた花火は、その実、これといった成果もない。※週刊ポスト2018年7月20・27日号
2018.07.10 07:00
週刊ポスト
殺傷事件発生の新幹線、現在の警備・対策状況をJR東海に聞いた
殺傷事件発生の新幹線、現在の警備・対策状況をJR東海に聞いた
 6月9日に発生した新幹線殺傷事件では、公共の場での安全対策の不十分さが改めて浮き彫りになった。現在の新幹線の警備状況はどうなっているのか。JR東海に聞いた。「犯人が焼身自殺を図った2015年の東海道新幹線火災事件以降、車内の防犯カメラ設置を開始しました。現在は9割の車両で設置が完了しています。そのほか、非常ブザーが押された際、車掌室モニターに防犯カメラ映像が映し出され、すぐに状況を把握できる仕組みも導入済みです。 乗務員の教育や、警察・消防との合同訓練も、事件前から実施していました。今後は警備強化に加え、スマホで乗組員全員がリアルタイムで現場を確認・共有できるシステムも導入予定です」(JR東海広報室) テロ対策に詳しい公共政策調査会研究センター長の板橋功さんが話す。「鉄道各社が駅構内の防犯カメラを増設したのは、1995年の地下鉄サリン事件から。その後、2001年に起きた米同時多発テロや、2004年のマドリード列車爆破テロなどの重大事件を契機に、サミットなどの大きなイベントの際には、コインロッカーを閉鎖したり、ゴミ箱を撤去するなど対策を行ってきました。 実際、9.11以降は航空各社も警備に力を入れ、保安検査やコックピットのドアを強固にするなどし、その結果、ハイジャック事件は減少しています」 しかし、今回のようなケースでは、カメラは役に立たない。関西大学社会安全学部教授の安部誠治さんが話す。「自暴自棄になって犯行を起こそうとしている人への抑止力としては、防犯カメラは弱い。また、カメラではかばんの中の凶器も見つけられません。手荷物検査を実施すべきですが、現時点では莫大なコストや混雑が予想されること、利用者の理解も得られないことから難しい。 対策としては、高感度センサーを改札に取り付け、通過時に凶器や爆発物などを検知するシステムを開発するのがよいと思います。時間はかかるかもしれませんが、日本には、それを実現するための技術力はあります」 海外に目を向けると、ロンドンとパリを結ぶ国際列車「ユーロスター」では、既に手荷物検査や金属探知機のチェックを実施している。 また、ニューヨークのグランド・セントラル駅やシンガポールの地下鉄でも、通勤時間などに手荷物をランダムで検査し、犯罪抑止につなげる動きが広がっているという。 2020年の東京五輪までには、天皇陛下の退位・即位やラグビーワールドカップなど国際的行事が目白押し。一刻も早い安全対策強化が必要だ。※女性セブン2018年7月12日号
2018.07.03 07:00
女性セブン

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