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産経ソウル支局長 金総書記の普通でない激ヤセ・衰えを指摘

 金正日総書記の後継者・金正恩の登場は、朝鮮半島情勢の大きな不安要因になっている。とくに金正恩が28歳の若さで突然、「人民軍大将」の称号と「党軍事委員会副委員長」のポストを与えられ、軍を背景に、軍の指導者として後継者修業をスタートさせたことが気にかかる、と産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏は指摘する。

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 金正日総書記は焦っている。自分が後継者として公式登場したのは1980年の第6回党大会で38歳だった。金正恩はこれより10歳も早い。後継体制を急いでいるのだ。

 それとともに、あらためて目を引くのは金総書記の肉体的衰えだ。今年2回も訪中し胡錦濤主席と会談する姿が映像で紹介された。2人は同じく今年68歳なのだが、人びとは2人の差に驚く。金総書記の老け方は尋常ではない。

 金総書記が後継者で公式登場した当時、父・金日成は奇しくも今年の金総書記と同じ68歳だったが、きわめて元気ででっぷり太っていた。

 北朝鮮の独裁者は権威と権力の象徴として肥満を利用し、人民を従わせてきた。だから今回、3代目の金正恩も太っている。

 しかし、それだけに金総書記の最近の激ヤセぶり、衰えは普通ではない。したがって2代目の“有事”は近いかもしれない。それは本人が一番感じているはずである。

※SAPIO2010年11月10日号

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