国内

編集者は見た! 孫正義が故郷・韓国に暮らす親戚写真見て涙

 ノンフィクション界の巨匠・佐野眞一が、時代の寵児の半生に迫った『あんぽん 孫正義伝』(小学館刊)は早くも12万部突破と絶好調。2月3日創刊の『メルマガNEWSポストセブン』にはこの『あんぽん』の担当編集者が寄稿。取材現場で目の当たりにした孫正義氏の意外な一面を明かしている。その一部を紹介する。

 * * *
 孫正義氏のインタビューで毎回、圧倒されるのが、その「スピード感」です。

 まず取材日が突如言い渡されます。そして取材時はこちらを畳みかけるように身ぶり手ぶりを交えて、ひたすら喋りかけられる。下手するとこちらが何も質問をせずとも、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

 そんな孫氏が“止まった”瞬間がありました。孫氏の生まれは佐賀県の鳥栖なんですが、約40年前の彼の生家周辺の航空写真を、わざわざ地元新聞社から取り寄せて持っていったことがありました。 大判の写真を見せると、

「よく探してきましたね。そうです、この家です、僕が生まれたのは」

 と孫氏は歓声をあげました。また、ある時、孫氏のルーツである韓国・大邱に今も住んでいる親戚の写真を持っていったことがあります。

 孫氏は「いやあ、まいった」と言い、写真をじっと眺めては、うっすらと涙を浮かべているようにすら見えました。海峡の先の故郷を思ったのでしょうか……。

 今回のインタビューでは、彼の国籍問題や幼少期の差別体験など、プライバシーに関する質問を訊ね、それに孫氏も包み隠すことなく答えてくれたのが評判になりましたが、その裏にはこうしたやり取りがあったのです。

 孫氏は日本を救う英雄なのか。それとも時代をひっかきまわすトリックスターなのか。国の将来を暗示する答えが本書にはあります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト