ライフ

コレステロール「善玉/悪玉」の分け方ははっきりいって乱暴

 健康診断の際に気になるのが「コレステロール」だが、これは一体なんなのか。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でもおなじみの脳科学者・澤口俊之氏が、コレステロールの正体や「血液サラサラ」などについて解説する。

 * * *
 コレステロールは、「善玉コレステロール」「悪玉コレステロール」といういい方をよくされます。この分け方は、はっきりいって乱暴です。そもそも、コレステロール自体は決して悪ではありません。

 なのに、なぜこのような二分法になっているかというと、コレステロールと、その運搬役である「リポタンパク質」が結合してできる物質が体に悪さをすることがあるからです。専門的にいえば、善玉コレステロールは、「高濃度リポタンパク質コレステロール(以下・HDL)」で、悪玉コレステロールは、「低濃度リポタンパク質コレステロール(以下・LDL)」です。

 HDLは、がんや心臓血管疾患などの予防に効果があります。また、認知症予防にも効果的です。さらに、HDLが多いほど知的能力が優れていることも研究の結果からわかっています。

 一方のLDLが多い場合、血管を詰まらせ、動脈硬化などの心臓血管疾患のリスクが高まります。死亡率も上がり、認知症に結びつくらしいという報告もあります。それで“悪玉”と呼ばれているわけです。

 ですが、筋肉に関係する運動系の発達や調節にはLDLが重要で、筋トレで筋肉をつけたい場合には、LDLが多いほうがいいというデータがあります。

 つまり、HDL、LDLともにコレステロールは体にとっては必要不可欠なもので、要はバランスが重要なのです。一説ではHDLとLDLの比は、2対1が適切だといわれています。

 このバランスが多すぎても少なすぎても、体にはマイナスの影響が出ます。例えば、手足が震えたり、歩行困難になったりするパーキンソン病の場合に、LDLの低下がみられます。また、LDLが少なすぎるとがんになりやすいというデータもあり、死亡率も上がるようです。“悪玉”と呼ばれるLDLも、値が低すぎては困るのです。

 とはいえ脂肪分の多い現代日本人の食生活は、LDLを過多に摂取しがち。いわゆる“血液サラサラ”の状態をキープするには、ふだんの食生活にLDLを下げるというデータのある魚や大豆、緑茶を取り入れるとよいでしょう。

 HDLとLDLをバランスよく摂取するためにもっとも重要なのは、バランスのよい食事であることをお忘れなく。

※女性セブン2012年3月1日号

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
出席予定だったイベントを次々とキャンセルしている米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子が“ガサ入れ”後の沈黙を破る》更新したファンクラブのインスタに“復帰”見込まれる「メッセージ」と「画像」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
東条英機・陸軍大将(時事通信フォト)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最低の軍人」ランキング ワースト1位はインパール作戦を強行した牟田口廉也・陸軍中将 東条英機・陸軍大将が2位に
週刊ポスト
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト