スポーツ

星野監督着用命じる“首下げ式殺菌剤” 専門家は効果に疑問

 2月14日に1次キャンプを打ち上げ、翌15日から沖縄本島で2次キャンプを張る東北楽天ゴールデンイーグルスでは、通常の取材パスとは別の“許可証”があるという。楽天番記者がいう。

「名刺くらいの大きさのアルミ袋で、首からぶら下げられるようになっている。二酸化塩素を使ってウイルスを除去するそうで、沖縄キャンプからは我々も着用することになりました」

 この殺菌剤を導入したのは星野仙一・監督。首にかけるだけでインフルエンザ予防になるのだという。

「他球団でインフル感染が流行したこともあり、星野さんの鶴の一声で200個の購入が決まった。選手や球団関係者にはタダで配られますが、我々は自腹。星野さんの意向ですから、持っていないと取材できなくなるかもしれないし、仮に感染者が出たりしたら“お前が原因だ”といわれかねないので、みんな渋々買うようにしています」(同前)

 しかし、首からぶら下げるだけで効果があるのだろうか。大阪府立大学の山崎伸二・教授(感染症制御学)に聞いた。

「二酸化塩素に抗ウイルス効果はありますが、屋外で使用した場合は濃度が保たれない。商品を見たわけではないので一般論になるが、首からぶら下げたり、ポケットに入れたりしている状態では確実な効果は期待できないでしょう。また、効果や安全性についての検証データが得られていないため、国内では医薬品としての認可はされていません。少なくとも手洗いやうがいを徹底するほうが効果は期待できます」

 製造元の社長も、「常に口の前に保持すれば効果はあると思いますが、野球の練習中は無理。屋内で使用していただきたい」と話している。

※週刊ポスト2012年3月2日号

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