国内

橋下氏を橋渡し役に小沢・石原連合実現する可能性を作家指摘

 次期総選挙で第3極の旗手として注目を集める維新の会を率いる大阪市の橋下徹市長。橋下氏は、石原慎太郎氏がいよいよ新党旗揚げを表明すると、「石原氏らしい。最後の大勝負」とエールを送ったが、石原新党がたちあがれ日本の党名変更にすぎないと判明すると、「(連携は)難しい。石原氏個人とはやりたいが、たちあがれ日本とは感覚的にも世代的にも違う」と距離を置いた。

 脱原発、消費税の地方税化を掲げる橋下維新が、基本政策が正反対のたち日と組めば、「維新八策」が途端に色褪せてしまう。

 橋下氏は、「価値観が一致するかが重要で、誰と組むかは関係ない」という政策重視の姿勢を崩してはいないのだ。

 だからといって、小沢一郎氏との提携にも踏み込めない。これまで橋下氏は小沢氏を「小沢先生」と呼び、「統治機構を変えるという、強い思いを持った政治家」と評価してきたが、橋下氏のブレーンや自民党出身の大阪維新の会の地方議員には小沢批判派が多いために、こちらも距離を置いてきた。

 しかし、そうした膠着状況に変化が起きる可能性がある。

 11月12日に予定されている小沢氏の陸山会事件の高裁判決だ。東京高裁は9月の控訴審初公判で、検察官役の指定弁護士側が求めたすべての証拠を採用せず、即日結審した。小沢氏についての著作もある作家の大下英治氏はこう指摘する。

「控訴棄却はほぼ間違いないでしょう。無罪確定で小沢氏は動きやすくなるし、小沢氏に距離を置いていた他の第3極勢力の立ち位置も変わる。橋下氏はより小沢氏を評価しやすくなるでしょう。小沢氏は自分がトップに立とうとは考えてはいないから、仮に総選挙で第3極の各党が大きな勢力を得た場合は、橋下氏をブリッジに小沢氏と石原氏が今度こそ手を握るという展開もあり得ない話ではない」

 橋下氏に薩長同盟を結ばせた坂本龍馬の役割を期待する言い方だ。

※週刊ポスト2012年11月16日号

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン