ライフ

「硫黄泉」と「ラジウム温泉」は効用ある可能性を科学者指摘

 日本人は温泉が大好き。これから寒くなり、ますます温泉が恋しくなる昨今だが、温泉には脳科学的にどんな影響があるのか――『ホンマでっか!?TV』でお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が脳科学の視点で分析する。以下は澤口氏の解説だ。

 * * *
 温泉の効用に関係するであろう、いくつかの原著論文を見つけることができました。結論からいうと、「硫黄泉」と「ラジウム温泉」は、実際に効用があるとみなせると思います。

「硫黄泉」で有名な温泉の付近は、硫黄のにおいが漂っていますが、硫黄そのものは無臭なので、このにおいは硫黄が溶けることで発生する気体、つまり「硫化水素」のにおいです。

 硫化水素はおならのような異臭を持ち(ちなみにおならにも混ざっています)、多量に吸入すると命にかかわるほど危険です。ところが、硫化水素は、実は体の中で、特に脳でも作られているのです。「脳内ホルモン」の中には気体が含まれており、その「気体脳内ホルモン」の代表が硫化水素なのです(他の気体脳内ホルモンは、一酸化窒素と一酸化炭素)。

 硫化水素が持つ効果は、タダモノではありません。適度な硫化水素を吸うだけで記憶力が高まる可能性があり、さらに細胞死を防ぐ効果もあります。

 そのため、脳内の細胞死に関係する脳障害(特にパーキンソン病や認知症)や、一部の脳梗塞の予防にも効果が望めそうです。また、抗酸化作用と抗炎症効果を持っているので、傷を早く治したり、老化を遅らせたりもできそうです。その他、リウマチ改善や美肌効果もあるといえます。これらの理由から、草津温泉のような「硫黄系温泉」には、「効用」があると推定できるわけです。

 さて次は、「ラジウム温泉」ですが、その名のとおりラジウムを含む温泉で、ガンマ線という放射線が出ます。放射線というと、「効用どころか害では?」という疑問が出てくるかもしれませんが、ラジウム温泉の放射線量は微量で、普通の土地から出ている放射線量(自然放射線ないし背景放射線)の数倍から数百倍程度ですから、健康被害の心配はいりません。

 人間は、がんなどの遺伝子損傷による疾病に対抗するため「遺伝子修復力」を持っていますが、この修復力は適度な放射線被曝で高まるというデータがあります。また、「遺伝子の傷」は、がんのみならずさまざまな疾病(脳機能障害の一部を含む)に関係しているので、極論ですが、遺伝子修復力を高めるラジウム温泉は「万病に効く」といってもよいかもしれません。

 ただし、前述したように、温泉に関しては原著論文がほとんどないので、この話はあくまで「仮説」です。まぁ、温泉につかっていたら、どうでもよくなるかもしれませんが。

※女性セブン2012年11月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
大東さんが掃除をしていた王将本社ビル前の様子(写真/時事通信フォト
《「餃子の王将」社長射殺事件の初公判》無罪主張の田中幸雄被告は「大きなシノギもなかった」「陽気な性格」というエピソードも…「“決して”犯人ではありません」今後は黙秘貫くか
NEWSポストセブン
小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン