国内

名古屋一家殺人 自殺長女の被災地犬猫ボランティアは火の車

 愛知県小牧市の山中で13日、早川充益(みつえ)さん(享年39)が首を吊って亡くなっているのが発見された。

「充益さんがはいていたパンツのポケットには本人が乗っていた車の鍵と若干の小銭、あとは犬の写真等が入っていました」(捜査関係者)

 その前日の12日、名古屋市西区にある彼女の自宅で、同居していた不動産会社社長で父の澄雄さん(享年68)と母・律子さん(享年64)、母方の祖母・靜枝さん(享年84)が何者かに殺害されているのが発見された。律子さんと靜枝さんはネクタイで首を絞められ、澄雄さんはタオルで首を絞められた上に、頭を数回漬物石ほどの大きさの石で殴られていたという。

 50年近く続く不動産会社を営む早川家。澄雄さんが社長を務め、充益さんと長男(35才)が手伝っていた。

「早川さんは有名な資産家なんですよ。あんなにお金持ちなのに、あの家の人たちは誰もえらぶらない。ブランド物も持たず、ぜいたくもしていなかった。そんな両親に育てられたから、充益さんも飾り気がなくて、近所の人にも丁寧に挨拶する真面目なお嬢さんでしたよ」(早川家を知る人)

 充益さんが何よりも大切にしていたのが、愛犬・幸太郎だった。あるブログで、里親募集をしているのを目にしたのが幸太郎との出会いだった。

「その子は飼い主から見捨てられた捨て犬だったんですが、そのまま飼い主が見つからなければ保健所に送られてしまうと思った彼女は、すぐに引き取ることを決めたんです」(前出・知人)

 そんな彼女には、東日本大震災の原発事故で置き去りにされた多くの犬猫たちの命も愛しく大切なものと映ったようだ。

「充益さんはいても立ってもいられず、すぐにボランティア団体を作って、現地に通うようになりました。犬や猫に餌をあげたり、引き取って治療を受けさせ、自分のブログやペットショップなどで里親を探す活動を始めたんです」(充益さんの知人)

 しかし、被災地に足を運ぶ度に増えていくペットたち。餌代や医療費はかさみ、募金で得た費用では到底足りなかった。団体の収支報告によると、毎月ほぼ50 万円程度の赤字。彼女の昨年12月14日付のブログには、「車1台買える」までに膨らんだ団体の赤字をなげく様子が綴られていた。

「充益さんはよく、“私がちゃんとしてないから収支が合わない”ってこぼしてました。足りない分は彼女の自腹だったんですよ。でもそれも底をついてきたみたいで…。たぶん食費も削っていたと思いますよ。亡くなる前の彼女は、かなり痩せていましたから」(前出・充益さんの知人)

 さらに、家業についてもこんな話が。「澄雄さんは商売上手な人だったんですけど、最近は会社のほうがうまくいってないという噂を耳にしました…」(前出・早川家を知る人)充益さんの部屋からは「犬をよろしく」など自殺をほのめかすような手紙が遺されていた。

※女性セブン2013年1月31号

関連記事

トピックス

第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
日米通算200勝を前に渋みが続く田中
15歳の田中将大を“投手に抜擢”した恩師が語る「指先の感覚が良かった」の原点 大願の200勝に向けて「スタイルチェンジが必要」のエールを贈る
週刊ポスト
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
裏アカ騒動、その代償は大きかった
《まじで早く辞めてくんねえかな》モー娘。北川莉央“裏アカ流出騒動” 同じ騒ぎ起こした先輩アイドルと同じ「ソロの道」歩むか
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
【「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手】積水ハウス55億円詐欺事件・受刑者との往復書簡 “主犯格”は「騙された」と主張、食い違う当事者たちの言い分
週刊ポスト
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン
保育士の行仕由佳さん(35)とプロボクサーだった佐藤蓮真容疑者(21)の関係とはいったい──(本人SNSより)
《宮城・保育士死体遺棄》「亡くなった女性とは“親しい仲”だと聞いていました」行仕由佳さんとプロボクサー・佐藤蓮真容疑者(21)の“意外な関係性”
NEWSポストセブン
過去のセクハラが報じられた石橋貴明
とんねるず・石橋貴明 恒例の人気特番が消滅危機のなか「がん闘病」を支える女性
週刊ポスト