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アンジー受けた乳房除去手術 日本で広がらぬ背景を医師解説

 アンジェリーナ・ジョリー(37才)が下した“決断”が注目を集めている。遺伝子検査によって乳がんの発生リスクが87%と診断されたことから、両乳房の切除手術を行ったのだ。

 乳腺専門の、ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の島田菜穂子院長はこう指摘する。

「がんを発症してない人が、遺伝子診断のみで予防的な乳腺切除手術を行うことは、日本ではまだほとんどありません。陽性と出た場合でも、医師の指導のもと注意深く検診を行うなどの対策をとる場合も多い。“予防的切除手術”は、選択肢のひとつにすぎないのです」

 なぜ日本で予防的切除手術は広がらないのか。聖路加国際病院などの一部の病院では、倫理審査委員会で議論し、充分なサポートのもとでの予防的切除手術の実行を承認しているが、そうした受け入れ体制が整っていない病院のほうが多い。

 また、金銭的な問題が大きい。がん治療は保険でカバーされるが、遺伝子検査同様、予防的切除手術も健康保険は適用されない。そのうえ、手術による肉体的な負担はまぬがれない。体にメスを入れる以上、感染症などの危険性がゼロではないし、乳房の感覚が鈍るなどの後遺症が起きる場合もあるという。

 また、日本人には乳房を切除することへの抵抗感が強く、それが健康的な乳房といえばなおさらだ。「欧米では予防的乳腺切除手術が盛ん」とひと口に言っても、状況は国によって異なる。フランスなどでは、アメリカやイギリス、オランダなどと比べ、文化的な理由などから切除手術の割合は低いと新聞でも報じられていた。

 もちろん、同じ国に暮らしていても、受け止め方、そして選択はひとつではない。再建手術経験者であるノンフィクション作家の・島村菜津さんが言う。

「結婚しているか、出産しているか、子供の年齢や仕事の形態など、ライフスタイルによって、その女性がどういう選択をするかは、異なってくるでしょう」

※女性セブン2013年6月6日号

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