弘兼憲史さんとアルバムの仕掛け人・プロデューサーの佐藤利明さん


 佐藤さんの依頼に、弘兼さんは快諾。なぜなら、大のテレサ・テンファンだったのだ。「あの丸顔が好きなんです。凄く美人ではないけど、そこはかとなく色気を感じます」とべた褒め。ジャケットイラストは、デビュー当時のアイドルの顔ではなく、アラフォーになって、苦しさも悲しみも乗り越えた表情を持つ、晩年のテレサ・テンの姿が描かれた。

「このアルバムの歌詞を改めて読むとドロドロとした不倫の歌もあり、男女の状況としては相当にまずいシチュエーションなのですが、テレサが歌うと救いがあるし、暗くならない。オトコが惹かれるのは、修羅場でもこういうサラッとした雰囲気を出してくれる人だと思います」(弘兼さん)

 そうテレサの魅力を語る弘兼さんが、毎週土曜日にメインキャスターを勤めるラジオ番組タイトルは「ドコモ団塊倶楽部」。団塊世代には、アラフォー女子が魅力的に映るようだ。

「団塊世代にとって、40代が心ときめく対象としてはもっとも若い世代ですね。生涯現役のオトコとしては、目が離せません。とはいえ、島耕作は不倫漫画ではないですし、僕は団塊世代に不倫セックスを勧めているわけでもありません」(弘兼さん)

 ええ、そうなんですか? そういえば、54歳の記者は、この間36歳独身女性の手をタクシーの中で握ってしまったのですが、ドキドキしましたよ。

「それはセクハラでしょう。しょうもないことしてますねぇ(笑い)。でも、60くらいになれば、セックスに持ち込むのではなくて、アラフォー世代の女性の手をタクシーの中で握るとか、恋愛もそのくらいでちょうどいい。そういったことでドキドキすると細胞が活性化されますから、セクハラには注意して、元気で長生きしてください」(弘兼さん)

 そんな記者とのやり取りを笑いながら、佐藤さんはアラフォー女子の“不倫特性”の見分け方をこう語る。「テレサ・テンをリクエストして、どろどろの熱唱になるか、男女の修羅場をあっさりにこやかに歌えるか。ここで女性のタイプが見極められると思いますよ」

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