国内

国保未納者「金持ちが払うから俺は払わなくてOK」で崩壊懸念

 国民健康保険は市町村単位で運営され、保険料の計算方式も市町村ごとに違う。高齢者の割合や未納率が高く、保険財政が厳しい自治体は保険料が高くなる。隣り合う自治体の住民が同じ病院で同じ治療を受け、窓口で払う金額が同じでも、保険料を加えた医療費負担額は居住地によって大きく違う。

 この問題は早くから指摘されてきたが、これまで放置されてきたのは、国保には国保団体連合会や国民健康保険中央会という天下り組織がぶら下がっているからだ。厚労省は天下り先を守るために今も保険制度の抜本改革に反対している。

 安倍晋三政権は今回ようやく、2017年までに国保の運営主体を都道府県に移管させる方針を打ち出した。だが、「これで都道府県内の保険料格差がなくなる」と思うのは早計だ。政府内では、同じ都道府県内でも「保険料未納が多い地域は料率を高くする」ことが検討されているからだ。

 未納分の保険料を、ちゃんと支払っている住民の負担を増やすことで賄おうというのである。国保保険料の未納は徴収する役人の怠慢なのに、これなら役人は「他の住民に払わせればいい」と徴収をサボれる。

 未納者も「金持ちが払ってくれるから払わなくてもいい」となって共助の社会保障システムが壊れていく。保険料の地域格差は後期高齢者医療制度や中小企業が加盟する協会けんぽも同様で、裏には役人の怠慢で保険料の地域差別が広がる仕組みがあるのだ。

※週刊ポスト2013年9月6日号

トピックス

国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン