ビジネス

大前研一氏 旅行業界は「サイバーコンシェルジュ」化に活路

 成長力がある企業というのは、単独ではなく複数の企業が事業活動などで手を組み、業界の枠や国境を超えて共存共栄してゆく仕組みを形づくっていると大前研一氏はいう。シリコンバレーを中心として成り立つアメリカの生態系企業群のように、日本企業が生き残っていくためには、旅行の「サイバーコンシェルジュ」のように全く新しい生態系を立ち上げる方法があると大前氏は解説する。

 * * *
 シリコンバレーを中心としたアメリカの「生態系(エコシステム)」企業群、複数の企業が商品開発や事業活動などで手を組み、互いの技術や資本を活かしながら、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく仕組みにおける成長力の源泉を分析してきた。

 それは一つの企業が単独で革命を起こすのではなく、同じ生態系の中の空気と水で複数の企業が成長して合体し、新しいデジタル新大陸を形成していくというイメージで、そこに日本勢の姿は今のところ影も形もない。

 日本企業がそれらの生態系の企業と同じ分野で生き残っていくためには、すでに述べたように、シリコンバレーの会社を買収するか、提携して日本から社員を送りこむしかないが、全く新しい生態系を立ち上げることも可能である。

 その最適解の一つが、旅行の“サイバーコンシェルジュ”だ。

 世界的に見ると、旅行産業は自動車産業よりも市場規模が大きい。減価償却も含めた自動車の維持費は年間60万~100万円だが、欧米でそこそこ充足した生活をしている層は年間で旅行に100万円くらい使う。世界の先進国では、旅行に費やされる金額を合計すると、自動車に費やされる金額を上回るのだ。

 ところが、日本の旅行会社の場合はコストの約3割を広告宣伝費が占めているため、非常に利益が薄い。1人のお客さんを獲得するためにかかるコストの3割が、豪華なパンフレットを作ったり、大きな新聞広告を出したり、販売代理店に払ったりする費用など、昔ながらの人海戦術で成り立つ広宣・販売費なのだ。

関連キーワード

トピックス

年金改正法に仕込まれていた「厚生年金の減額継続」年金カット額をシミュレーション 「20年で200万円減」基礎年金もカットなら減額は1.5倍に
年金改正法に仕込まれていた「厚生年金の減額継続」年金カット額をシミュレーション 「20年で200万円減」基礎年金もカットなら減額は1.5倍に
マネーポストWEB
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらってるんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
【動画】大谷翔平 試合中に美容液 1本1万7000円
【動画】大谷翔平 試合中に美容液 1本1万7000円
NEWSポストセブン
阿部智里氏が新作について語る(撮影/国府田利光)
阿部智里氏『皇后の碧』インタビュー「夢の世界に見せて相当シビアなことを書くファンタジーには現実を問い直す力がある」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらっているんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
”アナウンサーらしくないアナウンサー“と評判
「笑顔でピッタリ腕を絡ませて…」元NMB48アイドルアナ・瀧山あかねと「BreakingDown」エース・細川一颯の“腕組み同棲愛”《直撃に「まさしくタイプです(笑)」》
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《TOKIO・国分太一が無期限活動休止》「演者とスタッフは“独特の距離感”だった」関係者が明かす『鉄腕DASH』現場の“特殊な事情”
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《スタッフに写真おねだりか》TOKIO・国分太一は「コンプライアンス上の問題行為が複数あった」…日本テレビに問い合わせた結果
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
《日テレで緊急会見の意味は》TOKIO国分太一がコンプラ違反で活動休止へ 「番組降板」「副社長自らスキャンダル」の衝撃
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、今年秋の園遊会に“最速デビュー”の可能性 紀子さまの「露出を増やしたい」との思いも影響か
女性セブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン